IE9ピン留め
2012年を迎えて
「きれいな花はゆっくりと、雑草は急いで伸びるもの」

(「リチャード三世」W.シェイクスピア作、木下順二訳 岩波文庫)



2012年、喪中の我が家は、京都で静かな新年を過ごしております。

東日本大震災では、行方不明者・死者の合計が19,000人を超え、
32万人が故郷を離れ避難・転居する事になりました。さぞかし去年とは
様相の一変した新年だった事でしょう。

私はこの現実から目を逸らさず、且つ偏向したプロパガンダには動じず、
ゆっくりでも確実に前向きに進む一年にしていきたい、と祈念しております。

本年もどうぞ宜しくお付き合いください。








# by Mikio_Motegi | 2012-01-01 17:48 | ブレイク | Trackback | Comments(1)
読書週間2011
晩秋の11月というのに生暖かい日が続く。読書に勤しむには、木枯らしが
吹く寒い夜、温かいストーブの傍らでページを開くというシチュエーションが
望ましい、と言ったらステレオタイプ的だろうか。



さて3年前から続けている「読書ノート」を基にしたこ時期のブログのテーマ
「読書週間」だが、今年は私の読書量が例年に比べ減っている。

理由は二つ。311震災と東電原発の放射線漏れという大災害・大事故を
目の当たりにし、フィクションを遥かに凌駕するノンフィクションに圧倒されて
しまった為。
もう一つは大流行のフェイスブックに本来読書に充てる時間の大部分を
とられた為。これに尽きる。


・・・ごたくはさておき、昨年11月から今日まで読んだ本、再読を含め
ベスト10は以下の通り (順不同):

1.アディダスVSプーマ      バーバラ・スミット  RHブックスプラス

2.文明の生態史観         梅棹忠夫       中公文庫  

3.食通知ったかぶり        丸谷才一       中公文庫

4.生還                石原慎太郎      新潮文庫

5.花の生涯             舟橋聖一        祥伝社文庫

6.鏡子の家             三島由紀夫      新潮文庫

7.リチャード3世           シェイクスピア    岩波文庫

8.昭和天皇独白録         寺崎英成(編)    文春文庫 

9.ドリアン・グレイの肖像     オスカー・ワイルド   新潮文庫

10.高熱隧道            吉村昭          新潮文庫



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以下は短い感想と、印象に残ったフレーズ。

1.スポーツ用品メーカーから巨大ブランドビジネスに発展した両社の
歴史。スポーツ界にダイナミックなポリティクスを導入した際の経緯を
たどるビジネス書でもある。
サッカーのエースナンバー「10」を巡るエピソード、ペレが
試合開始直前にわざとかがみこみスパイクの紐を直す事で、プーマの
ロゴが世界中に放映されるという演出を企てるなど、印象深いシーンの
舞台裏のエピソードの連続。

両社の今の隆盛が、実は極めて地道で泥臭い「営業」活動から
成り立っているという記述も興味深い。

「(商売の成否は)全て人間関係に尽きる」

「新興国に於いては、スポーツの勝利はどんな政治的事業より
大衆の熱気をかきたてる。政治家は自らの政治的立場を強固に
する為、優れたスポーツ選手を求め、アディダスはそれに協力した」


2.50年も前の書だが、文化、習慣、諸現象の日本と諸外国の比較は
いまだに色あせていない。

官僚機構の本質について、「責任回避、不親切、形式主義、非能率。
(インドは)長くイギリスの支配下にあり、自己の決断と努力の結果が
自らの身の上に実りとなって返ってこない社会で、誰がきびきびと
働くか?」

「日本はアジアではない。日本の社会現象は西ヨーロッパとのみ比較
可能」

「岡倉天心の『アジアはひとつ』思想が、むしろ大東亜共栄圏思想
を生んだ」


3 今年の文化勲章受章者のエッセイ。散りばめられる美文の数々に
圧倒される。

「鴨は、まだ赤いくらゐが柔らかくておいしい。緋いろのにじむ熱いやつを
卵にくぐらせて口に入れると、それはほのかに土の香りを漂わせながら、
滋養に富んだ肉の味を口蓋に、舌に、歯茎にしみこませ、やがて、もっと
ほのかに、ごく微量の灰の味を口中に残す。そのとき人間は、この鴨が
かつて踏んだ土地の精気と彼が飛び翔けた空の風の匂ひとを体内に
取り入れるのである」
 
こんな文章、丸谷の他に誰が書けよう?


4.末期ガンに罹った男が、仕事、家族、友人、文字通り全てを捨てて
民間療法にかける鬼気迫る姿。男が最後に勝ちえた生とは?

「抗がん剤を飲み、千に一つの奇跡を期待しながら色々の合併症の中
で苦しみ、貴重な残り数カ月の命を半年なり一年延ばすのか?」

「動物には胃痛はない。痛くなったら彼らは治るまで飲みも食べもしない。
結局それが一番」


5.「桜田門外の変」で倒れた井伊直弼の生涯。思いもかけず井伊家を
継ぎ、やがて幕府の大老職に就く直弼。折しも突然の黒船襲来に、
沸き起こる攘夷論、開国論。直弼は広い世界に目を向けるべきという
信念から開国を決断、「安政の大獄」を引き起こす。

親友にして俊才の長野主膳を腹心に、絶世の美女村山たか女を密偵に
配し、維新前夜に生き抜いた波瀾、絢爛の人生を描く。

「怒りを物にうつすは小人の常、罪なきを人を罰すると同じ」

「主戦論のほうが非戦論より景気よく聞こえる。国民の大多数は
どちらが正しいかわからないが、煽動的な好戦論に何となく無責任な
拍手を送りたがるもの」



6.商社のエリート社員、ボクサー、画家、俳優。個性的な若者達が
毎夜サロンのように集う資産家令嬢の主人公・鏡子の邸で繰り広げ
られる青春悲喜劇。三島のシニカルな人間観察がセリフとなって
胸に刺さる。

「画家たちが、自分の絵を買ってくれそうな実業家を喜ばすのに用いる
殺し文句。『あなたのお仕事のお話を伺っていると、芸術家の方法と
根本的なところで共通するものがありますね』。すると相手は
必ず喜色をたたえ膝を乗り出してくる。実業家の、芸術家に対する
コンプレックスを利用して絵を高額で売りつける常套手段だ」


7.「ハムレット」と並び、歴史的名優たちがこぞって演じたがる異形の
主人公。恐るべき残忍、知謀、豪胆を併せ持ち、妻、友、部下、
幼い皇太子を殺し、国王に上り詰めるリチャード。
重層的な人間像、心理と、コンプレックスという行動原理を描き切る。

「早咲きの花の後には短い夏。きれいな花はゆっくリと、雑草は
急いで伸びるもの」

「悪魔を演じきっている時こそ聖人に見える」

「どうして不幸は口数を多くするのだろう?喋ったところで何にも
ならないが、気持ちだけは楽になる」


8.柳田邦夫「マリコ」で名高い外交官、寺崎英成が書き取った、
終戦直後の昭和天皇のお言葉。

印象的なのは、松岡洋右や東条英機、西園寺公望への独自の辛辣な
評価。

「他人の立てた計画は常に反対し、条約など破棄しても構わない男」
(国際連盟の脱退宣言をした松岡洋右)

「・兵法の研究不足 ・余りに精神に重きをおき、科学を軽視した事
 ・陸海軍の不一致 ・常識ある首脳の不在、専門家ばかりで大局観が
無く、統率力に欠いた」 (敗戦の原因)


9.美貌の青年ドリアンは、彼の肖像画に否が応でも年老いて行く自分
を照らし合わせ、変わらぬ美貌を求め耽美で背徳的な生活を享受する。
ところが彼自身が罪悪を重ねるごとに、肖像画が醜く変わり果てていく
という不思議な現象が起きる。
焦燥するドリアンは遂に・・・

「善も悪も芸術家にとっては芸術の素材にすぎぬ」

「司教様は80の歳になっても18の時に教えられた事を後生大事に
繰り返す。だからいつまでもおっとりと美しい顔をしていられる」

「他人の悲劇というものは、いつもきまってひどく安っぽい」

「女が再婚するのは前の夫が嫌いだったから、男が再婚するのは前の妻
が好きだったから」

「女は素晴らしい原始本能の持ち主。男は女を解放してやった、が、女は
依然として主人を求める奴隷。支配される事が好きな動物」

「他人の過ちの重荷を我が身に背負うには、人生はあまりに短い」


10.戦前の黒部第3ダム建設途上、圧倒的な自然の猛威と、トンネル貫通
に取りつかれた男たちの執念が極限でぶつかり合う。人間は自然に
打ち克てるのかという根源的テーマに取り組んだ記録文学。

技師と人夫、エリートと非エリートとの関係を描いた章も、正鵠を得ている。

「技師と人夫。監督する者と従属する者という関係以外に、根本的に
異なる世界に住む違和感が潜んでいる。技師は生命の危険にさらされる
ことは少ないが、人夫は死が前提になっている。だが、人夫たちは技師との
間に潜んでいる矛盾に関心を持とうとしない」

*********************



・・・昨年、もう少しビジネス書も読むべきだったと自省したにもかかわらず、
今年もいわゆるベストセラーのビジネス書は書店で手に取る事もしなかった。
よってランクインしたのは「アディダスとプーマ」のみ。

大震災を目の当たりにし、既存の価値観を大転換期しなければならない今、
ビジネス書の内容はあまりにも頼りない。
それより永い時を経て読み継がれた名作にこそ未来への指針がある、
と私は信じている。
もっともベストセラーのビジネス書を自分が追随して読んでも、あまり
リターンは得られないだろうという打算もあるが。

ただ新刊が1.と8.のみというのもつまらない。永遠のベストセラーになる
書を新刊の時点で見いだす先見性も私には必要だろう。
来年のテーマとしたいと思う。

とにかく読むべき名作はこの世に余りにも多く、私の読書量は全く
追いつかない。

写真は上から、京都生まれの日本画家 中村大三郎の「読書」
Flicker より 書店のイメージ
今年の10冊。私は電車での移動の際に本を読む事が多い。よって
殆どが文庫本
Flickerより、カルカッタの本屋
# by Mikio_Motegi | 2011-11-03 12:43 | ブレイク | Trackback | Comments(0)
ブログ休筆について
ただ今ブログを休筆しております。

8月11日に実母が逝去し、その前後の慌ただしさに紛れたのと、
ブログ開設後ちょうど5年が経過し、そろそろレビューする頃かなという思いが
重なり、何となくPCに向かう気がしなくなったのが休筆の主な理由です。



ちなみにフェイスブック(FB)では私は頻繁に発信しています。
FBで何かを発信すると確かに反応が早いのは事実。
ブログと違い、公開範囲を限定できるので炎上する心配が少ないのもFBの
魅力の一つでしょう。

ただブログの記録は長期間残るのに対し、FBでの発信はせいぜい2日で鮮度
を失い、以降は誰からも省みられません。
いわば「発信しがい」が無いのです。
また私には「つぶやき」を他人に発信する興味は全く無く、その意味でブログの
方が私に性格に適したメディア、と言えるでしょう。

驚いた事に休筆をして2カ月が経つのに、未だに毎日100名前後の方々が
このブログにヒットして下さっています。
そうした皆さまのご期待に応えるため、これからも随時ブログを掲載して
いきたいと思います。



今までのような週一のペースにこだわらず、発信したい事象が自分の中で
熟成した時にのみ、つまり回数より内容に重点を置いたブログにして
いきたいと思います。これからもどうぞご愛顧下さいませ。


写真は上が実家での母の棺と、それを見守る愛犬コテツ。
久しぶりに10日ほど実家に滞在しました。

下は先日訪れた静岡県御前崎で光景。
娘たちが、日本では鳥羽や敦賀の静かな入り江しか見た事がない
というので、太平洋の大海原を体感させたかったのです。
台風15号上陸前日のもので、大自然の猛威に私も心身ともに
洗われた気分でした。

# by mikio_motegi | 2011-09-25 12:31 | ブレイク | Trackback | Comments(0)
シ・ミ・ツの京都 パート2
先週の7月23日(土)、ACCJ(在日米国商工会議所)関西主催の
納涼イベント "An Evening with Maiko & Geiko at Kyoto Brighton
Hotel"が開催された。
昨年に続き2度目となる今回も京都ブライトンホテルの全面的なサポートの
お陰で盛況だった。



規格外れの豪華なビュッフェ・メニュー、芸妓さん、舞妓さんの素晴らしい
踊りのパフォーマンスと参加者一人一人との交流・写真撮影など、充実した
内容だった。



ただ正直言ってこのイベントの企画担当の私としては、来年もこれを同じ形で
続けるかと問われれば"No"と答えるだろう。理由は下記の通り:


1.同じ形のイベントを3年繰り返すことに耐えられない。
"Progress"(進化), "metamorphosis"(変態/ヘンタイではない!)が
信条の私としては。

2.あまりにも京都ブライトンホテルの好意に「おんぶにだっこ」状態で、
申し訳ない。

3.ACCJ会員の参加者が少なく、腹が立つ。


1.は私個人の考えなのでどうでもよいが、2.3.はイベントの
sustainabilityに関わる問題だと思う。
つまりは簡単な事だが、ブライトンの好意に甘えることなく、且つ
ACCJ会員が多く参加でき楽しめるイベントにすればよいのだと思う。



全くのフラッシュなアイデアだが、会場を京都のどこかのお寺や神社、
旧蹟に移し、(ブライトンの料理をケータリングする事も視野に入れ)、
一般市民や学生をターゲットにする。震災で被災した人たちを招待したり
してもよい。

もっとシンプルに、会場を交通至便な大阪に移し、芸妓さん&舞妓さんを
京都から呼んでのイベントにするのも一考の価値があるだろう。



とにかく進化が終わったら人生も終わりだ。来年は3年目となるこのイベント
を何か新しい形に仕立て上げたいので、どうぞ皆さんのご協力を
お願いします。



写真は上から京都五花街の一つ、宮川町から来てくれた芸妓さんと
舞妓さん。

豪華なビュッフェ・メニュー

芦屋と六甲から駆け付けてくれた中島亜佐子さんと岡野栄子さん。
中島さんはサンドブラストのアーティスト、岡野さんは真珠宝飾の
デザイナー兼トレーダー。

京都ブライトンホテルからの眺望。御所の緑の向こうに大文字が望める。

ACCJ会員、大杉宏美さん。大阪の行政書士の先生でもある。

# by Mikio_Motegi | 2011-07-30 13:53 | 京都・紀行 | Trackback | Comments(0)
頑張れなでしこ!
なでしこジャパンの快進撃が止まらない。
女子ワールドカップドイツ大会、決勝戦は実力NO.1のアメリカと
激突する。

正直言って私は女子サッカーには今まで全く興味が無かった。
が、ここまで来れば話は別。ぜひなでしこにはアメリカを撃破して欲しい。



私が何故今まで女子サッカーに興味が無かったかというと、プレーの
スピードが男子と比べ格段に遅いからだ。
特にシュートの際の足の振りの遅さが我慢できない。
観ていていらいらしてしまい、興味を無くしてしまう。

今回、準決勝のスウェーデン戦をテレビ観戦(録画)した。女子サッカーの
試合を90分間観るのは初めての事だ。
驚いたのはなでしこジャパンのパス回しの速さ。
まるでバルセロナを彷彿させる、ダイレクト或いはワンタッチでの素早い
パス・サッカーで、強豪国スウェーデンの守備網をずたずたに切り裂いた。

ボール・ポゼッション(占有率)が60%を超えているのもバルサと同じ。
これは本物だ、と素直に脱帽する。



ただし、近い将来女子サッカーが男子のそれと同じステータスに並ぶかと
いうと、それはとんでもない幻想である。

日本にいるとなかなか実感できないだろうが、サッカーの試合はは国と国、
地域と地域の「代理戦争」という意味合いがある。

ブラジル対アルゼンチン、オランダ対ドイツ、或いはレアル・マドリード対
バルセロナ等、スタジアムは文字通り「熱狂」する。
少し前までの日本対韓国の、韓国側の異様な盛り上がりを記憶している人
も多いだろう。

私がかつて住んでいたインドネシア・ジャカルタでの、ジャカルタ対スラバヤ
戦では、試合の後に負けたスラバヤのサポーターが怒って暴徒化し、車を
ひっくり返したり商店街のガラスをたたき割ったりした。
おかげで私と家内は外出の際、かなり遠回りしなければならなくなった。

ところが女子サッカーの試合となると、サポーターも観客もなんとなく
「サッカーを楽しむ」様子で、実に平和的だ。
日本に敗れたドイツのサポーターが日本のメディアの取材に対し、
「うーん今日のドイツはついてなかったね。ま、Good Looserだね」
とか答えていた。

あれがもし男子の試合で、ワールドカップの準々決勝でドイツが日本に負けた
としたらどうなるか?

審判が悪い、日本は狡猾だ、あのゴールはオフサイドだ、震災で援助したのに
恩知らずだ等、罵詈雑言の限りを尽くすだろう。

つまり、熱狂度が違うのである。



さて女子サッカーについてロクな知識もない私だが、決勝のアメリカ戦の
勝敗を決するのは「ゴール・キーパーのミス」ではないだろうか?

残念ながらどんなに体格が良くても、ゴールキーパーの瞬発力、クイックネス
だけは女子はどうしても弱い。
つまり男子並みのフィールド・プレーに対し、キーパーは対応できていない。
例えばスウェーデンの3失点のうち、2点目と3点目はキーパーのミスだ。

言いかえると、女子サッカーに於いてキーパーのミスはつきもの。
そこをどう攻略するかが、勝負の分かれ目になると私は予想する。

# by Mikio_Motegi | 2011-07-15 18:19 | サッカー、スポーツ | Trackback | Comments(0)
出会いはフェイスブックで
つい数か月前まで日本でのフェイスブック(以下FB)の登録者数は
約500万人といわれていたが、311震災後に急速に増大した筈だ。
私のFriend数も311前の3倍に当たる300名を最近突破したところ。

FBの活用方法は色々ある。私が専門分野である人材ビジネスの場で
利用する場合、まずFBで知り合って、メッセージを交換し、それから
お互いが納得すればリアルで会って相互の理解を深めるという風に、
相変わらずアナログ的だ。



FBでmy friends たちのやり取りを見ていると、面白い発見がある。
ある事象に対するコメントで、意外にも普段冷静そうな人、多くの部下を
管理する立場の人が感情的な発言を繰り返し、一方で意外な人が論理的、
冷静な発信をする。

特に311直後は、被災地の甚大な被害や放射線拡散、政府の対応について
様々な意見が駆け巡ったが、その中でもその人の本性がわかるような発信を
垣間見る事ができ、またとない人材観察の機会だった。



かようにFBでのやり取りでも、その人の性格、生活様式の一端を理解する
事はできる。
短いやり取りだが注意深く文書を観察しておくと、後で実際に会った際の
印象と違わないケースも多い。

つまり「文章は人を表す」。

いつも「忙しい忙しい」とWALLに書き込む人は、実際に会ってみると実は
タイムマネジメントが下手なだけだったり、暇そうな、どうでもいいような
WALLを頻繁に書き込む人は、本当に暇人だったりする。

思い込みの激しい人は他人の意見に影響されて直ぐに書き込むので
底が浅いのを露呈するし、コメントの脈絡を無視して割り込んでくる人は
相手に対する配慮が足りない人でもあるので、不愉快になる事も多い。
・・・自戒を込めて敢えて言うが。



さて、日本にも最近登場したeharmony のようにインターネット上の
「まじめな」出会いの場が広がっている。
eharmonyは従来の会員制結婚相談サイトなどでは考えられないほどの、
心理学を応用した詳細にわたる設問への回答が求められる。
それによって登録者の嗜好、考え方、行動特性がファイルされ、より正確な
人物像がイメージできるらしい。



何しろ職場での出会いはちょっと間違えるとすぐセクハラになるし、
昔は日常茶飯事だった上司と部下の恋愛関係は、パワハラのリスクが潜在
するという世知辛い世の中だ。
eharmony にしろFBにしろ、インターネット上であっても出会いの場が
広がるのは悪い事ではない。

先日もある飲み会の席で、アメリカ人の知人が「FBはネットワーク構築の
ニュー・ウェーブだ」と言っていたが、まさにその通りだと思う。



なにしろSNSが定着してまだ日が浅いので、様々な障害が起きるのは
やむを得ない。だが私にとってもFBは既に生活の一部になっている。
これからも賢く、中毒にならない程度に接していこうと思っている。



写真は上2枚が映画「ソーシャル・ネットワーク」のタイトル。
アメリカ版と日本版でのあまりのクレジットの違いに驚いた。

3枚目、エジプトでの「ジャスミン革命」の様子。この革命でFBが果たした
役割はまさしく革命的。

4枚目 eharmony のHPより。"www.eharmony.com"

5枚目 1998年のアメリカ映画「ユー・ガッタ・メール」。
秋の深まるニューヨークの街中が美しい、トム・ハンクスとメグ・ライアン
主演のどーでもいい恋愛映画だと思っていたが、どうして、現在のSNSの
隆盛を予見したような内容であることに気づく。

6枚目 私も先日i pad2 を購入した。これによりFBへのアクセスが簡単に
なった。

# by Mikio_Motegi | 2011-07-10 21:02 | ブレイク | Trackback | Comments(0)
「昭和天皇独白録」
今年は昭和天皇の生誕110周年で、関連書を並べ特設コーナーを置く
書店も多い。
世間であまり大きな話題になっていないのは残念だが、東日本大震災の
影響もあったのでやむを得ないだろう。



早速「昭和天皇独白録」(文春文庫 495円+)を購入。
昭和天皇自らが語る張作霖爆死事件から終戦までの経緯、要人の人物評、
日米交渉の裏側、御前会議のエピソードが満載で、あっというまに
読了してしまった。

特に平沼騏一郎首相、宇垣一成外相、松岡洋右外相をぼろくそにけなし、
反面東条英機や河本大作(張作霖爆殺事件の首謀者)に一定の評価を
与えている点など、独自の視点が感じられる。
けなされた人の遺族がどんな思いがするだろうかと、余計な心配を
してしまうほど赤裸々な人物評だ。



改めて驚くのは、戦前の昭和天皇は「統帥権」という権力を持ち現実の
政策に相当関与しており、戦後の「象徴」扱いとはかけ離れている点だ。

私は、GHQの戦略で昭和天皇が戦争裁判にかけられず、そのおかげで戦後の
日本人の気持ちが昭和天皇を中心に一つになり、奇跡の復興を遂げたという
事実に反発するつもりはない。
言うまでもなく私のような世代は、戦後の経済復興の恩恵を一身に浴びて
育ったようなものだからだ。

また多くの保守派の人々と同様、昭和天皇に親しみを抱いている点を
否定はしない。

かつて私は高校生の時に一度だけ天皇・皇后両陛下の姿を遠くから拝謁した
経験がある。
当時の国鉄高崎駅構内で、巡行の途中、御料車の乗った両陛下が立ったまま
群衆の静かな歓声に応えていた。
ご高齢であったにもかかわらず、微動だにせず正面を見据える姿に「国父」
としての威厳を感じたものだった。



だが、戦後同じ枢軸国でもドイツ人民がナチスを追放し、イタリアが
ムッソリーニを裁いた事で完全に過去の独裁体制を清算したという
歴史がある。

それとは対象的に、日本が自らの手で戦争責任者を裁く機会を失った事実が、
現在の日本人にどのような影響をもたらしているか、思いを巡らせる必要が
あるだろう。
つまりいつまでも自立せず、政治・経済・軍備などにおいて未だに
戦勝国アメリカの意向に左右されるという日本の現状。

かつて三島由紀夫の「日本はなくなって、その代わりに、無機的な、
からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、
或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう」という言葉が現実に
ならないように、日本人と天皇の関わりあいについて考え直す時が
来たのでは、という思いを強くした。

迷走を繰り返す現政権と、頼りにならず対立軸ともなれない野党に対し、
今上天皇に一喝して頂きたいと言ったら、時代錯誤と笑われるだろうが。



写真一番下は、昭和天皇の独白を聞き書きした外交官寺崎英成と
妻のグエン、そして一人娘のマリコ。
彼女は柳田邦夫の大ベストセラーでNHKでドラマ化された「マリコ」の
主人公でもある。
「マリコ」についてはまた別の機会にアップさせて頂くが、涙必至の感動の
ドキュメンタリーである。
# by Mikio_Motegi | 2011-07-03 17:17 | ブレイク | Trackback | Comments(0)
裸のプレゼンテーション
「プレゼンテーションの神様」ガー・レイノルズ"Garr Reynolds"は
1961年生まれのアメリカ人。
住友電工や米・アップル社を経て、現在は関西外国語大学の准教授を
勤めている。



彼の開発した独特のプレゼンテーション・メソッドは、Google,
P&G、スタンフォード大学などで取り入れられ、スティーブ・ジョブズ
やアル・ゴア(元米副大統領)にも多大な影響を与えている。
著書の「シンプル・プレゼンテーション」は17万部を売り上げ、米アマゾン
のビジネス書部門でベスト3に入る評価を受けているという、この世界では
知らない人の無い大物だ。



6月15日(水)、ACCJ(在日米国商工会議所)の主催する彼のプレゼン・
セミナーに参加する為、神戸のイーライ・リリー本社に行って来た。

彼のプレゼンは、従来型のパワー・ポイントを使ったデータやグラフの羅列で
終始、参加者はあらかじめ配られたレジュメを読みながら進行するという
それとは大きく異なる。
彼の特徴は美しく刺激的な映像、シンプルなキーワード、参加者の意表を突く
謎かけ等を駆使する。

彼は、よくありがちなパワーポイント画像を棒読みする事などありえない。
シンプルで特徴的な画像を背景に演題から常に離れて立ち、活発で楽しく、
大きな身振りでユーモアを混ぜて、というもの。

150名ほど入る会場は超満員。私も2時間のセミナーで一瞬たりとも睡魔に
襲われること無く、あっという間に時間が流れて行った。



もちろん、彼のように何百人の聴衆を前に2時間も独演会を行うには
相当の経験が必要だ。また何といっても人を魅了する「カリスマ性」も。
だから彼のスタイルは誰にでも真似ができるものではない。

また、データやグラフを羅列し、レジュメをするプレゼンにもそれなりの
意味がある。
まずレジュメを持ち帰れるので、後で検討・研究する事ができる。
もうひとつ重要なのは、カリスマ性とまでは言わないが、データなしに
プレゼンをする為の表現力、語学力が備わっている人は多くなく、それを
補完する為にもレジュメは必要な場合もあるだろう。



セミナーで面白かったのは、日本人の奥さんを持ち日本通の彼が、
こよなく愛する「駅弁」と「良いプレゼン」の共通項を、数人に
グループ分けした我々参加者に考えさえた設問。

お察しの通り、この設問に正解は無い。答えは何でも良いのだが、
こうして参加者の虚をつく質問をぶつけ考えさせる点など、流石だ。

私たちのグループの答えは:
1.顧客の好みを考えている
2.おかずが一口サイズの丁度良いポーション
3.色彩豊か、デザイン重視
4.利便性
など。私はそれに加え
5.飽きたら直ぐに捨てられる、と加え、グループのイーライ・リリーの
連中の笑いを誘う事に成功した。



セミナー後の懇親会は、まだ日が高かった事もあり参加者は20数名と
少なめだった。が、私個人としては充分すぎるネットワーキングの機会
だったと申し添えておく。




写真は上から、彼の著書 「シンプル・プレゼン」

2,3,4枚目 イーライ・リリー本社でのセミナー光景

5.お隣の"Nestle Cafe”での懇親会にて。右からANAクラウンプラザ神戸の
営業統括部長、白木優至氏。私。フリーの英語コミュニケーション
コーチのAlyssa Bantle。
断っておくが乾杯の段階で既に私の顔が赤いのは、日焼けのせい。

6、おまけショット。Garrのブログにも載っているこの写真は、昨年5月の
ラマダホテル大阪でのパーティーで私が撮影したもの。

・・・ちなみに私はGarrがこんなにも有名で凄い人だと気がついたのは、
つい数週間前の事。それまではただの日本大好きアメリカ人のひとり
だとばかり思っていた。

また今回のブログのタイトル「裸のプレゼンテーション」も、
Garrのセミナーの最新のタイトルから拝借したものである。
# by Mikio_Motegi | 2011-06-25 08:40 | ブレイク | Trackback | Comments(0)
「シ・ミ・ツの京都」再び
昨年8月に私が企画したACCJ(在日米国商工会議所)関西支部主催の
京都でのイベントが"An Evening with Maiko & Geiko at Kyoto"
として再び開催される。
日時は7月23日(土)午後5時から。会場は昨年同様京都ブライトンホテル。



真夏の週末の一日を、美味しいお酒とビュッフェ料理に舌づつみを打ち、
幽玄な舞妓さん芸妓さんの踊りを鑑賞して猛暑を吹き飛ばしましょう、
という気楽な集まりだ。
もちろん関西在住の外国人も多く参加するので、国際文化交流の意味も
あるし、京都の伝統文化に親しむ最高の機会でもある。

昨年も大好評だったこの企画の目玉は、なんといっても普段は滅多に
お目にかかれない本物の舞妓さん、芸妓さんの踊りが間近で見られる事。

今年も昨年同様、京都五花街(ごかがい)のひとつ、宮川町から
選り抜きの別嬪さんが来てくれる。

外国人はもちろん、我々地元の者でも滅多にない機会だ。
宮川町と普段から深い付き合いのある京都ブライトンホテルならでは、
と言えるだろう。



楽しいのは、舞妓さん芸妓さんのいるお茶屋の女将さんによる絶妙トーク。
舞妓・芸妓の成り立ちから、衣装、髪、装飾品までユーモアたっぷりに
説明してくれる。

踊りの鑑賞の後は、もちろん写真撮影の時間もたっぷりとある。



京都で1,2の人気を誇る京都ブライトンホテル自慢のビュッフェメニューも
楽しみの一つ。
今回はホテルが自慢するリノベーションしたばかりの客室を案内する
ホテル・ツアーも用意した。

ちなみに同ホテルは今年7月から1階のフレンチをビュッフェ・レストランに
模様替えもした。
また毎年7月には夜8時からクラシックのフリー・コンサートを開催しており、
今年も連日地元のファンで熱気に包まれるだろう。



会費はACCJ会員が8,000円、会員以外の方も8,500円、12才以下の子供は
3,000円で参加できるので、希望する方は私宛に連絡をどうぞ。
当日は京都ブライトンからビッグな景品も用意している。

写真は上から今年のフライヤー。
"ACCJ Kansai"→ " An Evening with Maiko and Geiko at Kyoto"
を検索を。
http://www.accj.or.jp/doclib/kansai/KS_Kyoto0723.pdf

2,3枚目が昨年のイベント光景。

京都ブライトンホテルの外観。
元々は西陣の大きな機屋さんの跡地に建つホテルだけあり、建物も周囲と
調和していて親しみやすい。地元に溶け込んだ5スターホテルである。

# by Mikio_Motegi | 2011-06-19 14:41 | 京都・紀行 | Trackback | Comments(0)
ザ・リッツ・カールトン、京都進出決定
2014年にザ・リッツ・カールトンがいよいよ京都に進出する。
場所は今年2月に廃業したホテル・フジタの跡地。
鴨川沿いの二条通り角、正面に比叡山や大文字等の東山36峰が望める
という、絶好のロケーションだ。
外国人を呼び込める外資系ホテルはこれで4軒目。京都にまた一つ
魅力的なアイコンができる事になる。



観光業が発展するには富裕層への浸透が欠かせない。
だが私は、京都は観光地としてあまりにも大衆化してしまったのでは、
と強く危惧している。

京都にはこれだけ魅力的なコンテンツがあるのにもかかわらず、宿泊客の
平均滞在泊数は約1.2泊。それも殆どが週末泊だ。

つまり大都市近隣のお手軽旅行先と何ら変わらないに等しい。
これでは週末の宿泊施設不足や平日との料金格差は解決しないし、
週末の交通渋滞も深刻化するばかりだ。

受け入れ側にしても、京都の魅力を疎外する要因は多い。
建物のデザインにしてもバラバラ。全く古都・京都にそぐわない。
嵐山には芸能人の名前を冠した安っぽい土産物屋、飲食店が軒を連らね、
先斗町(ぽんとちょう)は客引きが横行し遂にはキャバクラが進出した。



私がもっとも残念に思うのは、近頃流行の偽(にせ)舞妓だ。
一般客を相手に舞妓風の衣装とカツラを着付け、お手軽に舞妓さん気分を
味わえるというもの。

写真撮影だけならそれでも構わない。が、彼女らはアイスクリームを手に
街に繰り出し、時にはあの衣装で路上に三角座りしてタバコを吸っている。
知らない人が見たら、京都の舞妓さんのイメージが完全に崩壊するだろう。



偽舞妓をコンパニオンに仕立てお座敷に上げるという飲食店もある。
先日家族で出かけた先斗町の河床(ゆか)で、どこかの会社の飲み会に
呼ばれたらしい偽舞妓が一般客の前でポーズをとっていた。

私たちの隣にいた観光客は「あ、舞妓さんだ!」と喜んで写真を撮って
いたが、あの人たちは京都の芸舞文化を取り違えたまま帰ってしまう事に
なる。本物はお客に呼ばれての仕事中に、一般客の撮影は許可しない。
その時間帯は舞妓を買ってくれた(オーダーした)お客だけのものであり、
一般客に撮影されるという事はそのお客をないがしろにする、という
解釈からだ。彼女らの矜持と言えるだろう。



ニュー・ビジネスとしての偽舞妓は、商魂逞しい産物として評価する。
このコンテンツを楽しみに京都に来る観光客も多いと聞く。

だからこそ、そろそろルール作りが必要な状況になってきたのでは
ないだろうか?
市中はともかく、実際に舞妓・芸妓がいる京都の五花街(ごかがい)への
偽物の立ち入りは禁止すべきだ。
偽物から本物を守るのも行政の仕事の筈。
財務省・税関があんなに輸入偽ブランドの摘発に熱心なのだから、
国土交通省・観光庁、或いは京都市も景観保存という有形文化財だけでなく、
芸舞という無形文化財の保護に踏み切るべきだ。
それが結局「京都」ブランドを守ることにつながるのだから。



ちなみに少々目の肥えた京都人なら本物と偽物は一発で区別できる。

まず彼女達の立ち居振る舞い。要するに偽物は着物に慣れていない。
次に舞妓の髪は地毛と決まっているが、偽物はカツラ。
そして着物の質。本物が着る西陣の手織りの着物とレンタルの着物とでは、
近くに寄れば一目瞭然、雲泥の差がある。



断っておくが、私は高級品=本物の文化、などという価値観を持つ俗物では
ないつもりだ。
京都に限らず、土地土地の伝統・文化を尊重しプライオリティを
置かなければ観光業の振興などありえない、と言いたいだけなのである。



ザ・リッツ・カールトンのような世界的ブランドの進出に京都が選ばれた
事実に京都人は誇りを持って良い。
一方で、世界的ブランドのホテルが立地するに相応しい土地であるか
どうかも、京都人の努力にかかっているのである。

写真は上から

真ん中の建物がホテルフジタで、ザ・リッツ・カールトン京都建設予定地。
傍らを流れるのが鴨川。遠くに比叡山の雄姿を望む
(京都ホテルオークラ最上階レストラン「ピカレスク」より昨日撮影)

先斗町の四条通り側入り口

偽物舞妓さん

先斗町の河床(ゆか)より、お隣の河床を撮影

本物の舞妓さん。昨年8月27日のブログ「シ・ミ・ツの京都」に記載した、
ブライトンホテルでのイベントにて撮影

JNTOのHPより

ザ・リッツ・カールトン京都の完成模型
http://blog.excite.co.jp/naokoterada/15723518
→ホテルの記者発表の様子が記事になっている。興味のある人は
是非アクセスを

# by Mikio_Motegi | 2011-06-12 23:53 | 京都・紀行 | Trackback | Comments(2)
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