ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

京都のイメージ

「東京発の京都のイメージが、一般の日本人の持つ京都に対するイメージ」

・・・これは先日京都商工会議所で行われた「東アジアにおける京都ブランド
調査報告会」とその後のパネルディスカッションでの、同志社大学大学院
ビジネス研究科の林廣茂教授の言葉。
テーマは、各国主要都市における京都のブランド・イメージを把握し、観光
マーケティングのための京都発信に役立てるものである。

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林教授は限られた時間内で密度の濃い調査分析をしてくれて、「外国に
多言語(英語・中国語・ハングル他)でもっと京都を発信すべき」と提言した。

将に私の先月のブログ「時代祭りを歩く」でも指摘したことだ。
が、このような席で教授が改めて提言しなくてはならないという事実が、
この問題の難しさを雄弁に語っている。

またパネリストの一人、大和(たいわ)学園学園長の田中誠二氏は独特の
切り口で「時間をかけてアジアや欧米の富裕層にリピーターとして来て
もらえる街づくりが必要」と訴えた。
従来の「千客万来」の発想を捨て、「より多く消費をするお客にもっと
フォーカスしよう」というものだ。

氏によると、現状の京都への「入洛(にゅうらく)」客は国内や東アジアの
パッケージツアーで来る観光客が殆どで、週末の短期滞在型ばかり。
これでは宿泊施設不足や深刻な交通渋滞が解消しない。
また近未来の少子化が進むと、このままでは入洛客の激減が予想される、
としていた。

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私のように京都生まれでない、京都以外の都市について多少知識のある
者にとって非常に分かりやすく、かつ共感できる発言だった。

ところが他のパネリストと、会場参加者からの発言には首を傾げざるを
得なかった。

あるホテル経営者は「ホテル宿泊客の外国人比率が20%を越えると、
云々かんぬん」と、外国人を受け入れたくないとも捉えられそうなネガティブ
発言を繰り返す。

別の観光関連業者は「かつては中国人や韓国人が旅館に泊まると、
マナーの悪さに辟易する」、という友人の旅館経営者のエピソードを
とうとうと述べた。

また会場参加者からは「外国人が京都に増えると治安の悪化が心配」
という発言。

この方達は、かつて日本人がパリやミラノの高級ブティックに旗を持った
団体で押し寄せて、「エコノミック・アニマル」とさげすまれ世界中の
メディアからの顰蹙を買った事などご存じないようだ。

共通しているのは、イメージのみで外国人増加の是非を語り、理論的な
裏付けと「ではどうすべきか」という具体的な提案の無い非建設的な意見の
持ち主であること。

そして私が絶望的になるのは、こういうネガティブ人間が
京都商工会議所を代表する地位にいる人々である、という事実だ。

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折りしも京都は観光シーズンたけなわ。
私の家の近くの大徳寺や、市バス、地下鉄も多くの外国人客で
賑わっている。

彼らが紅葉を愛で、寺院や町並みの風情に見入る姿を触れると、
私はこういう光景がいつまでも存続する京都であって欲しい、と願わずに
いられない。

写真は上から林教授(教授のホームページより)
大和学園のロゴマーク、「京都観光文化検定」テキストの表紙。
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by Mikio_Motegi | 2008-11-22 21:35 | 京都・紀行