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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

訃報2件

今週は私の故郷・桐生市に縁の深い芸術家お二人の訃報が相次いだ。

俵萌子さん。11月27日死去(但しマスコミ発表は12月1日)。
大阪市出身の評論家でエッセイスト。
教育や女性、老人問題という「社会的マイノリティ」の観点からの評論、
著述が多数ある。

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ここで俵さんを「芸術家」と評したのは、1995年桐生市郊外に
「俵萌子美術館」を設立し、そこを拠点に陶芸や絵画に傾注して
いたから。
ここにはサロンや陶芸教室があり、ミニコンサートや朗読会なども
開催され地域のコミュニティ活動の一翼を担っていた。
桐生に転居されてから茶道を嗜む私の母とも交流がはじまり、母の
主催する茶会などにもお越し頂いていたようだ。享年77才。

大川栄二さん。12月6日死去。桐生市出身。
現代洋画6,500点を所蔵、中でも故松本竣介の国内最大のコレクション
を形成している「大川美術館」館長・理事長。

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三井物産からダイエー副社長を経て同子会社のスーパー・マルエツ社長。
引退後の1989年に同美術館を設立。享年86才。

市内の水道山公園の中腹に佇む瀟洒な美術館で、県外からの訪問者
も多い。
人口十数万の小都市でありながら、このようなコレクションがあることに
驚かれる人も多い。
だが戦前の日本で栄えた中小都市には、このような「タニマチ」文化が
息づいているケースが多くみられる。
政治・経済だけでなく文化までもが東京に一極集中してしまった現代こそが
異常なのである。

また大川美術館のある近辺は、私が高校生の頃に通った英語サロンに
程近く、また当時の我々の間でマドンナ的存在だった女子高生の家の並び
でもある。

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・・・しかし残念なのは、私がその気になれば俵さんも大川さんも直接お目に
かかりお話を色々伺える立場にありながら、生来の怠け癖のせいでそれを
しなかった事だ。
こうして訃報に接して改めてお二人の偉業を認識し、勿体ない方々を
亡くしたと後悔するのである。これが凡人の常なのだろうか・・・。
by Mikio_Motegi | 2008-12-07 16:07 | ブレイク