ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

Shine A Light  ローリング・ストーンズ

ローリング・ストーンズのライブ・ドキュメンタリー映画”Shine A Light"
がロードショーで先週から公開中だ。
私はこの作品をDVDで既に2度観ている。1度目はニューヨークから
バンクーバーへのエア・カナダの機内で、2度目はバンクーバーから
関空へのエア・カナダの機内で。
要するに私はストーンズの大ファンなのである。

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今までのストーンズのライブ映像と今回の大きな違いは、撮影会場の
規模にある。1977年の”Love You Live”や1981年"Still Life"
ではそれぞれ数万人収容の巨大なスタジアムがステージだった。
ところが今回のニューヨークのビーコン・シアターは収容人員が
2800名という規模。ちなみに新宿の厚生年金会館、日比谷の日生劇場、
丸の内の帝劇が1500-1800名、渋谷のNHKホールが3500名、
代々木のオリンピックプール特設会場が5000名収容といえば、
ビーコンの大きさのイメージが湧く方もいるだろう。
音響の良い会場としてアーチストに好まれていて、三味線の吉田兄弟の
ニューヨーク公演もここだったという。
マジソン・スクエア・ガーデンやラディオシティ・ミュージックホールと
同じ系列のようだ。

今年の夏のニューヨーク旅行で、私達家族は偶然ここの前を通っている。
ジョン・レノンが凶弾に倒れたダコタ・アパートよりやや北のブロードウェイ
に面し、歴史的建造物に指定されている建物だが、何だか界隈一体が
古めかしい所、というイメージしかなかったが。

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監督はマーティン・スコセッシ。今回の作品の勝利は、彼がストーンズを
このビーコン・シアターに引き込んだことにあると言っても過言ではない。
スコセッシはテーマを”Intimate(親密さ)”とし、ストーンズのバックステージ
での様子から舞台上の息遣い、顔に深く刻まれたシワ、シャウトする時の
飛び散るツバ、キースが一曲弾き終わる毎に投げ捨てるピック(そのピック
はストーンズのシンボル「ベロ」のロゴがついている)まで見事に画面に
捕らえた。
同時に幾度もステージ上から客席を映し、ストーンズに熱狂し酔いしれる
ファン達の至福の表情と共に、”Intimate"に包まれたビーコンを映し
出すことに成功している(もっともステージ周りのモデルかと
みまごうばかりの美女達は絶対に「サクラ」だと私は睨んでいるが)

ドラムのチャーリー・ワッツは元気そう、ロン・ウッドは相変わらず自分の
ソロをとらせてもらえない。

キース・リチャーズは相変わらずギターのカリスマぶり。
また彼の発する言葉がいい。
主賓であるビル&ヒラリー・クリントン夫妻(撮影は2006年に行われた)と
その家族を迎える際、キースが「クリントン、クリントンか・・・Bushed
(疲れたぜ)」とジョークを飛ばす。
またスコセッシのインタビューで傍らにロンをおき、「俺たち二人ともギターは
下手くそだ。でも一緒に演ると最強だぜ」
ぶっきらぼうだが、彼らしいシニカルな表現だと思う。

面白いのは、ミックが決めるSet Listと呼ばれる当日の曲目表を、本番
30分前までスコセッシに見せないところ。
焦りまくるスコセッシ。ここなどは巨匠といわれるスコセッシの技量を
ミックがわざと試している、とみた。

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ストーンズが半世紀近くをロックの第一線として君臨できている秘訣は
なんだろう?
ウドー音楽事務所に勤務する私の家内の従兄に聞いたのだが、ミック・
ジャガーは「完璧なビジネスマン」なのだそうだ。
つまりミックはストーンズを自分のビジネス上の媒体として捉えており、
バンドのイメージ、彼のカリスマ性、プロデュースするCD、コンサートツアー
の詳細まで全て彼の承認なくして進まない。
海外公演の際に交わされる契約書は広辞苑ほどの厚さになるという。

最後にキースの言葉をもう一度。。
イギリスでキースとミックが共に大麻所持で警察の留置所に入れられた際、
隣同士の独房で(絶望しない、ロックをあきらめない、絶対にゲロしない)と
声を掛けて励まし合ったときの言葉。

"We gonna make it!"
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by Mikio_Motegi | 2008-12-15 23:41 | ブレイク