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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

「すべてを変えろ」-サムスンの挑戦

先日、携帯の機種変更をした。新たに購入したのは韓国・サムスンの
"Omnia"(オムニア)。昨年11月に発売されたもので、日本では
坂本龍一がイメージキャラクターとしてCMに起用されていたので
憶えている方も多いだろう。

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私がOmniaを選んだ理由は何といってもデザインの素晴らしさ。
マレーシア・ペナン島のコンドミニアムに住んでいた際、オーナーが
用意してくれたテレビと冷蔵庫がサムスン製だった。
どれも機能的には日本製と全く遜色なく、むしろ現代的なデザインは
日本のそれより素晴らしかったという印象を持っていた。
よって私には日本人の多くに見受けられるサムスン製品に対する
マイナスのイメージが全く無い。

サムスンは1993年、当時の李健熙(イ・ゴンヒ)会長が
「家族以外は全て変えよう」という有名なフランクフルト宣言を発し、
経営の大改革に乗り出した。
サムスンはそれまでは「安かろう、悪かろう」というレベルの商品しかなく、
国際的な評価も極めて低かった。

そのサムスンに「いかに素晴らしい機能や技術があっても、デザイン
が悪ければ商品は売れない。サムスンのイメージを変えるにはデザイン力
の強化が必要」と痛烈に批判したのが、商業デザイナーの福田民郎氏
(現京都工芸繊維大学院教授)だ。
福田氏はサムスンがおかれた当時の状況を痛烈に批判、商品企画と
デザインがかみ合わない開発など、商品に対する問題点を羅列し報告書
にまとめた。
それを読んだ李会長は怒り心頭に発し、「すべてを変えろ」発言に至った
という。

今やサムスンは世界を代表する電機メーカーになったが、福田氏は
「サムスンを変えた男」として、李会長から三顧の礼で同社技術顧問に
迎えられたという。

「すべてを変えろ」-サムスンの挑戦_c0094556_1911262.jpg


さてOmniaはタッチ・パネル方式で、操作はタッチペン又は指の爪で行う。
メール通信の際は「面倒くさい」と感じる方も多いだろうが、私はメール機能
はあまり利用しないので全く問題ない。
カメラの画像は500万画素を越え、市販のデジカメ並み。今後は私の
ブログ作成に大いに活躍してもらおう。

気になる料金だが、本体価格は7万円。ソフトバンクの他の最新機種と
同等で割高な印象だ。だが私の場合前の機種を買って3年近く経ち、
かつ通話のヘビーユーザーなのでポイントがアホみたいに溜まっており、
それで全てカバーできた。つまり実質無料。
ソフトバンクの店員さんには私の桁違いのポイントの多さに「こんな
ポイント数初めて見ました。ヤバイです」と言われてしまったが。

もちろん最新の機器なので、私などには不要・理解不能な機能も
満載している。

腹が立つのは、メカ好きの次女がいつのまにか私よりOmniaの機能
を理解してしまい、私が操作に戸惑っていると「あ、それはこうするんやで」
と言って色々指示をしたがる点。
「フランクフルト宣言」に「家族以外は」というセンテンスが無かったら
変えてしまいたくなる誘惑に駆られる、といったら言い過ぎだろうか。

(「フランクフルト宣言」に関する記述は「理系白書3 迫るアジア
どうする日本に研修者」毎日新聞科学環境部編 講談社文庫
114ページを参考にした
by Mikio_Motegi | 2009-03-22 19:18 | 人材・ホテル