ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

商店街の価値

京都で生まれ育った家内は、23才で私と結婚し横浜に移り住むまで
「スーパーマーケット」というところで買い物をしたことが無かった。
別に箱入り娘で育ったわけではない。
母親の手伝いで夕食の支度をする際、スーパーマーケットに行くより
徒歩5分の所にある近所の商店街で買い物をする方が、近くて便利
だったのである。

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家内の実家のある西陣界隈だけでなく、土地が狭い為か京都の市内には
大型の量販店というものが殆ど無い。
だから一般の人々が夕食のおかずを作るときの買い物も、魚は魚屋、
野菜は八百屋、肉は肉屋、鶏肉はかしわ屋、雑貨は雑貨屋に行く。
お米も酒も、電話で注文すれば米屋と酒屋が家まで届けてくれる。

京都の人々は、何も大型量販店の存在に反対なわけではない。
その方が便利だからという理由で、近所に買い物に行くのだ。
そして私はそういうライフスタイルは貴重だと思う。

このような商店街の対極にあるのが、イオンモールやダイヤモンドシティ
などのショッピング・モールだろう。
郊外の、お互いが車でたった10分の距離に巨大な建物が並立している。

そこの店舗構成は驚くほど似通っている。
キーテナントにスーパーマーケット。これは絶対条件のようだ。
サブ・テナントにユニクロ、ABCマート、スターバックス、京風ラーメン、
築地銀だこ。
日本中何処に行っても同じ服が買え、同じものが食べられる。
もちろん「地域性」「個性」は殆ど感じられない。

正直言って、私はこの種のショッピング・モールに何の魅力も感じない。

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だが、このトレンドも昨年の原油暴騰をきっかけに変わりつつある。
これらのショッピング・モールへのアクセスは車利用が基本理念。
だがガソリン価格上昇と金融危機の影響で、「脱・車社会」「地産地消」
「エコライフ」という考え方が顕在化してきた。

日本人の消費傾向も今後は「全体的に節約」「電車・バスを利用」
「自転車を利用」「ハイブリッド・カー購入」が上位にランクされる、
という統計もある。

商店街は、今が復興のチャンスなのではないだろうか。
人々が公共交通機関や自転車を利用し始めた今、郊外のショッピング・
モールに流れた地元の購買層を呼び戻すチャンス到来、と考えるべきだ。

もちろん商店街に求められる営業努力もある。

営業時間の見直し、駐輪場、無料休憩所、公共トイレの整備は必須だ。
雰囲気にそぐわない遊戯施設・風俗店の出店規制等・・・これは色々な意見
があるだろう。パチンコ店や風俗営業があるからこそ、「ごった煮」の雰囲気
こそが地方の商店街の魅力、という見方もできるのだから。

「清潔感」だけでない「生活感」こそが商店街の魅力なのだ。

商店主達の一体感も、より一層高めるべきだ。独自イベントの企画、
地元イベントへの協賛、他地区商店街との連携も必要だろう。
もちろんそれらに与せず、独りわが道を行く商店があっても、それはそれで
個性があっていい。
前回のブログに書いたような「頑固おやじ」の存在も、また商店街の
個性・魅力なのだから。
むしろ「統一性の無さ」「自分勝手」なところこそが、大資本が開発・経営
しているショッピング・モールではあり得ない商店街の懐の深さといえる。
政府系中小企業支援機構の助成金も、もっと増やしていい。

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いずれにせよ次世代の商店主には、これ以上「シャッター商店街」を
増やさない、日本の小売店業界の将来の屋台骨を支えるくらいの気概を
持って欲しい。

写真は上から北区旧大宮商店街。
http://hiroharaph.exblog.jpより

中は京都の「ダイアモンドシティ・ハナ」

下は旧大宮商店街振興会主催の夏祭り風景。
http://blog.mahirodental.com より

文中資料は「月刊プレジデント 2008年10月号」より
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by Mikio_Motegi | 2009-09-27 22:54 | 京都・紀行