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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

上七軒(かみしちけん)

上七軒(かみしちけん)は京都最古の花街で京都市上京区真盛町から社家長屋町に位置する。 室町時代に北野天満宮の再建の際に残った機材を使って7軒の茶店を建てた。これが「上七軒」の由来で、桃山時代に豊臣秀吉が北野で大茶会を開いた折に茶店側は団子を献上したところ大いに誉められて以来、また西陣の結びつきで花街としての繁栄を極める。毎年春になると『北野をどり』が上演されて少数ながらにして良い技芸を磨き披露している。主な芸妓は勝喜代、福鶴、尚子、梅ぎく、梅嘉、尚鈴等である。

現在、お茶屋11軒、芸妓、舞妓合わせて25名である 

上記は「Wikipedia」に掲載されている上七軒についての記述である。私はシンガポール滞在中の1999年頃から、上記にも名前の出ている尚子さんのお店「尚子」に時々出入りしている。
母親の代からの芸妓(げいこ)さんで、大ベテランの部類だが踊りは未だに現役。今年も10月にはじまる秋の踊り「寿会(ことぶきかい)」に勧進帳の義経役で出演予定だ。

私は「尚子」に行く時は必ずホテル関係の大事な客・友人を案内する。尚子さんの語りは軽妙で知識・経験が極めて豊富。どんな客でも必ず話題を合わせ、ご自分のペースに引き込み心地よい気分にさせてくれる。よく「ホスピタリティ」とはなにかという議論がホテリエの間で飛び交うが、もしホスピタリティを「人の気分を気持ちよくさせること」と定義したとしたら、尚子さんはホスピタリティの達人である。
夜、祇園や先斗町の喧騒と全く違う上七軒の通りを歩き、ぼうっと照らされた「尚子」のドアを開け、走りの庭風の玄関を抜けてカウンターに座れば、99%外資系育ちの私のホテル関係の客・知人はたちまち陶酔の世界に引き込まれてしまう。

いつまでも利用したい、私の大事な京都のお店である。

写真は尚子さん。京女(きょうじょ=京都女子大学付属中・高)出のお嬢さん芸妓さんである。
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by Mikio_Motegi | 2006-09-22 04:42 | 京都・紀行