ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

城山三郎の訃報に寄せて

「男子の本懐」や「落日燃ゆ」、「粗にして野だが卑ではない」等の骨っぽい日本人を描かせたらピカ1だった作家の城山三郎が昨日(3月22日) 亡くなった。79歳だった。
たまたま私が愛読する塩谷信幸先生のブログに城山の「硫黄島に死す」が取り上げられたのが17日。それに触発されて彼の作品を読み返しているときの訃報だった。http://blog.excite.co.jp/shioya-antiaging

私が彼の作品を初めて読んだのは中学3年生の時で、亡父が購読していた「週刊朝日」に掲載されていた「通算官僚たちの夏(後に官僚たちの夏と改題、新潮社で出版)」だった。中学生にはちんぷんかんぷんだったが、男の生き様、働くことの熱気のようなものは感じることが出来た。何故か今でも書架に置いておいて、仕事に行き詰った時、うまく物事が廻らないと感じた時々に読み返してみたくなる作風だった。

評論家の佐高信が城山の作品を、上記のような歴史上の人物・著名人の足跡を掘り起こしたものと、いわば市井の無名の人々を描いたものとに大別することが出来る、と言っている(「イースト・リバーの蟹」新潮文庫の解説)。
後者の作品群で私が好きなのは「真昼のワンマン・オフィス」だ。「アメリカの真昼のようにまばゆい繁栄の中で黙々と生きる彼ら達。広大な大陸のはずれにひとりだけで駐在する例も珍しくない。彼らはその事務所を、半ば自嘲を込めて「ワンマン・オフィス」と呼ぶ。深い孤独と隔絶。現代版のる民の生活である」(作者あとがき)。ビジネス社会の、人生の向こう側を見つめたような作品だった。

タイトルがユニーク、印象的でもあった。上記の他に「毎日が日曜日」「堂々たる打算」「打出小槌町(うちでのこづち)町一番地」等、本屋の書棚でついつい手にとってみたくなる。
また「女が描けない」ことでも有名で、本人も気にしていたようだが、それがまた彼らしかった。

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by Mikio_Motegi | 2007-03-23 11:09 | ブレイク