ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

「シラノ」役者、北村和夫死す

俳優・北村和夫が亡くなった。その名前を聞いてもピンと来ない人でも、
下の顔写真をみれば「ああ、あの俳優」と思い出す人は多いだろう。

c0094556_21115521.jpg


彼のバイオグラフィーを探してGoogle を30分以上渉猟したが、彼を
「映画俳優」「多数のTVドラマ、映画に出演」と紹介していても舞台俳優
として印象付ける記事が極端に少ないのは残念だ。
北村和夫は文学座の舞台俳優である。

私が高校1年の時読んで以来、自分の愛読書ランキングNo.1である「シラノ・
ド・ベルジュラック」(岩瀬孝訳 旺文社文庫 廃刊)に、彼が演じたシラノ、
小川真由美のヒロイン・ロクサーヌ、細川俊之のクリスチャンの舞台写真が
ふんだんに載っている。私はそれを眺めながらシラノの雄姿、ロクサーヌ
の可憐にずっと憧れ続けた。
たしかに「スター」俳優でない北村が、豪快無双の剣豪であり当代一流の
芸術家、そして異形の鼻を持つシラノを演じているのに少々違和感が
あったのは確かだ。でも私はそんなことより、ビジュアル化したシラノを
眺められることが大満足だった。 

もっとも私は実際のその舞台を見ていない。上演されたのが1968年度の
30数回のみで、その頃の私はまだ小学3年生だ。いくらなんでも
「シラノ」を理解するには早すぎる。
この本が刊行されたのは1970年で、その時には既に北村の「シラノ」
が舞台にかかることは無くなっていた。
長年憧れ続けた「シラノ」をこの目で実際に見たのはずっと後の1982年
の大学生の時。シラノは北村ではなく江守徹、ロクサーヌは平淑江、
クリスチャンは大出俊だった。

私が北村を見たのはやはり大学生の時で、故杉村春子!主演の
「欲望という名の電車」だった。映画ではマーロン・ブランドが演じていた
スタンレー役だが、ブランドとは違ったタイプの、「やや悩める粗野な
肉体労働者」というイメージ作りが面白かった。

この秋、江守による「シラノ」が20数年ぶりに東京で再演されるようで、
今から楽しみである。
[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-05-08 21:11 | ブレイク