香港の旅 (4・最終回) 何故、今香港か
2007年 08月 10日
ホテルに帰って来た彼女らの第一声は、「あそこにはもう2度と行かへん」
とのこと。
館内施設が日本に比べ格段に狭いのと、コンテンツに欠けるのは、まあいい。
許せないのが中国人観光客のマナーの悪さだという。
ここでは fastpass が全く意味をなさない。彼らには「行列」という概念が
完全に欠如していて、子供だろうが年寄りだろうが我先に他人を押しのけ
入場口に殺到してしまう。
ディズニーランドで行列良く並ぶと言うことは、他人に対するマナーや公共の
場で他者を思いやる態度、というアメリカ的な文化を体現することでもある
(それに対する皮肉は多々あれども)。
彼女らのようにディズニーの楽しさ、アメリカ的文化を満喫しようとして
訪れると、とんでもない幻滅が待っているのが香港ディズニーランドの姿の
ようだ。
読売新聞で「中国疾走」というタイトルの特集シリーズが現在掲載されている
ので、読んでいる方も多いだろう。中国の不法コピーや乱開発、安全意識の
欠如はここでも枚挙の暇が無い。
併合10周年を迎えた香港は「中国のショー・ウィンドウ」と呼ばれている。
中国を訪れる機会はまだ無いが、ショーウィンドウである香港に来て中国の
姿が分かったような気がする。
あの国は周囲の何でも吸い込んでしまうブラック・ホールのようなものだ。
またそれだけのパワーがあるのも事実。とにかく私が今まで出会った
一人一人の中国人は、皆素晴らしい個性を持っている。
個人単位ではなく、今まで書物や映像からでしか知らなかった中国の姿を
見られただけでも、香港を訪れてよかったと思う。
ちなみに娘たちによると、中国人は蹴っ飛ばすと「アイヨー」と叫ぶのだという。
「何のことだ?」と聞くと、ディズニーランドで行列に並ぶ彼女達の前に
割り込んできた中国人女性の脚を、長女が思い切り蹴り上げたようだ。
それから我が家では、姉妹喧嘩の際に「アイヨー!」という叫びが家中を
飛び交うようになった。 (この項終わり)
写真は上が保養地スタンレーのノミの市。
下は偶然会った胡錦濤Hu Jin Tao 中国国家主席と。