安宅(あたか)コレクション
2007年 09月 09日
大阪市の中之島にある、大阪市立東洋陶磁美術館をご存知だろうか?
1977年、かつて日本の十大総合商社の一つに数えられた安宅産業
株式会社が事実上の崩壊に追い込まれた。
その際、創業家出身で同社の取締役社賓(しゃひん)であった安宅英一氏
(1901-1994)が収集した約1000点に及ぶ美術品のコレクションが、
住友銀行を通して大阪市に寄贈、1982年に設立されたのが由来。
中国・朝鮮を中心としたの東洋陶磁器の世界有数の一大コレクションである。
「安宅英一の目-安宅コレクション」は美術館開館25周年を記念して
本年9月末まで開催される特別展で、所蔵の国宝2点、重要文化財12点を
はじめとする逸品の数々を展示している。
私はこう見えても子供の頃から茶道が好きで、優れた陶磁器や絵画を
鑑賞するのが趣味だ。
特に8年間の海外生活を経て、日本や東洋の美術の素晴らしさを再認識
することができたのかもしれない。
この美術館には10年ぶりの再訪である。
出展されている殆どの作品がさすがに名品ぞろい。
どれもこれもが野球でいえばホームランバッター、サッカーでいえば
エースストライカーのような作品ばかりで、ほっと息をつく間もない。
だがこのブログは安宅コレクションの評価や、私の趣味について触れるもの
ではない。
そのかわり安宅産業の命運をかけて戦った或る企業戦士と、私との偶然の
関りについて、次項に記したいと思う。なんとなれば私が曲がりなりにも
25年間ホテル業界に関ってこられたのも、この人物のおかげと言っても
過言ではないからだ。
(この項つづく)
写真は上が東洋陶磁美術館正面。下が今回のパンフレット。