截金(きりかね)師、江里佐代子さん
2007年 10月 04日
の江里佐代子さんが滞在先のフランスで亡くなった。
截金とは、金箔やプラチナ箔を熱して細い糸状に切り出し、様々な
模様を仏具や茶道具などに細工する技法である。
奈良時代から伝わるものだが、極めて精緻な作業が要求され伝承者
が非常に少ないのが現実だ。
有名な作品では、日本橋三越の1階に天女像があるが、あれにも
截金は使われている。
実は家内の母親の伯父も截金師で、その人の父親が「天女像」制作に
携わっている。天女像の足元の裏側に製作者の名前が篆刻してあるが、
その人の名前もちゃんと載っているのだ。
その大伯父が江里さんのお師匠という縁があり、私も数年前に大伯父
の告別式でお目にかかったことがある。
京都御所の迎賓館やブライトンホテルにインテリアとして採用されていて、
これからの益々の活躍が期待されていた。
女性の人間国宝では最も若い62才。俊才を亡くしたものである。
写真は江里さんがご主人と主催する工房「平安佛所」のホームページ
www.heian-bussho.com より