ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

中国・杭州(ハンチョウ)の旅 3

(前項より)

東南アジアの都会では街中いたるところで様々なバイクが大音響と
排気ガス撒き散らして走り回る様が見受けられる。
経済成長著しい地域のバイタリティの現れのような風景だ。

ところが4年連続して二ケタ台のGDP(国内総生産)成長率を達成している
中国の、この街杭州ではバイクのけたたましい音が一切聞かれない。
ここではバイクの乗り入れ、運転は州法で禁止されているのだ。
代わりにおびただしい数の「電動自転車」が走り回っている。
電動自転車は排気ガスが発生しない環境に優しい乗り物ということで、
ここ数年普及されてきている。よって観光客にとっても杭州は静かな街、
というイメージが刷り込まれ、観光業振興には良い効果を生むだろう。
日本のカワサキやヤマハといったメーカーには気の毒だが。

もちろん土地が平坦なこの地だから導入できる政策と言える。
電動自転車は馬力が弱いので、坂道が多いところでは直ぐにバッテリー
が切れ、役に立たないのは周知の通りである。

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さて最終日の夜、私達は「宋城」という南宋時代の街並みを再現した
テーマパークで、「宋城千古情」という時代活劇を観覧した。
ガイドの陳さんの計らいで、2千名は入れそうな劇場のなんと最前列の
かぶりつき席に案内される。
「シルク・ドゥ・ソレイユ」を髣髴とさせるクラウン(道化)の寸劇から始まり、
大群舞、武闘劇、歌謡ショーと盛り沢山。約1時間半、大いに楽しませて
もらった。

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ただ観劇中ずっと考えていたのだが、一見華やかなこのアトラクション
だが、細かい点で決して洗練されたものではない。
コンテンツも一昔前の日本の「常磐ハワイアンセンター」のようなものだ
(ああ、何で私はあんな所を知っているのだろう!?)。

そもそも杭州に来る観光客の90%以上が中国国内の人々だ。
結局中国の人々の求める娯楽レベルは、40年前の日本人が
「常磐ハワイアン」に押し寄せた時のようなレベル、ということなのだろう。
・・・と言いながら私は思いっきり写真を撮ってしまった。
ここの素晴らしい点は、撮影禁止と謳っているのに係員は誰も観客が写真
を撮るのを制止しない所である。

杭州空港には海外からはアジア圏からしか直行便が飛んでいない。
アジア以外からも飛行機が飛んでくるようになれば、宋城も「シルク・ドゥ・
ソレイユ」やウィーンの「スパニッシュ・ホースライディング・スクール」等
を体験している外国人観光客の厳しい批評にさらされ、より芸術性の高い
躍動感あるショーに洗練されていくのではないかと思う。

もちろんコンテンツが洗練されグローバル化されることのみが好ましい、
と言っているのではない。彼らの方向性を決めるのは一義的には宋城の
関係者であり、二義的には「マーケット」なのだから。
中国が「社会主義市場経済」を受けいれている現在、宋城のコンテンツが
今後どう変わっていくかを見るのも面白いと思う。

ところでこの「中国・杭州(ハンチョウ)の旅」の初回の前半に述べた部分、
『中国を表す「3つのS」があるという。 Speed、 Splendor、 Shout
(スピードと壮大と叫び)だ』というのは、故開高健が岩波文庫で1961年
に刊行した「過去と未来の国々」に出てくる一文だ(2007年11月光文社
文庫に再録)。
今から50年も前の開高健のこの指摘だが、その後中国が対峙した歴史の
大変遷を経ても尚、的確に彼の国の姿を現していると言えるのでは
ないだろうか。

                                     (この項 了)
写真は上が西湖湖上から見た杭州市街の摩天楼
中、下が「宋城」のショー
You Tube の「杭州、宋城」も是非ご覧あれ!

参考URL
http://ja.wikipedia.org (Wikipedia)
http://www.hangzhou-tour.net/ (杭州市観光局ホームページ)
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by Mikio_Motegi | 2008-01-27 23:14 | 京都・紀行