ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

ニューヨークの旅 1 グランド・ゼロ

先週の1週間、家族で夏休みをニューヨーク(NYC)で過ごした。
私と家内にとっては15年前の新婚旅行以来2度目、娘達にとっては勿論
はじめてのNYCだ。

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シンガポール在住時の私の友人なら誰でも知っていることだが、2001年の
11月中旬、私はそれまで5年近く勤務してきたホテル・インターコンチネンタル
シンガポールを解雇された。
きっかけはその2ヶ月前の9月11日に起きた同時多発テロ。
あの事件の衝撃で世界中の人々が出張や旅行をしなくなり、シンガポールの
ように外国からの来訪者に90%のビジネスを依存している国のホテル業も
壊滅的な打撃を蒙った。
結果コストカットの一環として私のような高給取りの外国人を解雇するのは、
ある意味当然のことである。

幸い私には数多くのオファーが舞い込み、職探しには困らなかったが、私が
以前から願望を抱いていた独立・起業の夢が大きく膨らんだ時期でもあった。
結局2年後にその夢は実現し現在に至るのだが、その原点となったあの911
の爆心地(グランド・ゼロ)をどうしても家族と共に見ておきたかった。

・・・前置きが長くなったが、事件から7年近くが過ぎ、グランド・セロはその後継
ビル「フリーダムタワー」建築の真っ最中だ。
林立する高層ビル群のど真ん中がぽっかり空いたその建設地は、
今更ながらワールド・トレード・センター(WTC)をピン・ポイントで狙った犯人の
意図、計画性の高さにぞっとさせられる。

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あの事件にまつわるエピソードは数限りないが、なかでもアメリカ人の魂を
揺さぶるのはNYPD(ニューヨーク市警)、 FDNY(ニューヨーク消防局)
FMS(救急隊)及びポート・オーソリティ(港湾局)の一丸となった救助作業だ。
特に事故直後、避難階段を駆け下りるWTCの入居者たちと入れ違いに、
負傷者救命の為に逆に階段を駆け上がって行くFDNYの屈強の男達の姿。
彼らの殆どが数十分後のビルの倒壊に巻き込まれ、命を落としている。
WTCの直ぐ脇には彼らの救助作業の様子がレリーフに残されており、今でも
手向けの花束や手紙が絶えない。

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しかし驚くべきことだが、WTCに突っ込んだのはハイジャックされた民間機
ではなく、劣化ウラン弾を搭載した別の飛行機だとする説や、もともとWTC
にも爆薬が仕掛けられており、それを誘発する為に飛行機が突っ込んだと
する説、果ては犯行はアメリカ政府も関っているという謀略説等が、アメリカ
では大っぴらに語られている。
もしこれがイスラム原理教者タリバーンの犯行で無いとするならば、「文明
の衝突」でサミュエル・ハンチントンが唱えた、近い将来キリスト教とイスラム
教の対立の構図が激化し、世界は不安定化するという説が信じられなく
なってしまう。
                                     
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写真は上からウォール・ストリート、グランド・ゼロの工事風景、
FDNYの犠牲者を悼むレリーフ、そして現在のピエール・ホテル。

ピエールは当時フォー・シーズンズ系列で、私にオファーが来たホテルの
一つ。私はシンガポールのフォー・シーズンズアジア本部での面接をパスし、
NYCでの最終面接に行く直前まで行ったのだが、結局辞退してしまった。
理由は「寒いから」。常夏のシンガポールから12月という厳寒のNYCに
行ってもまず風邪をひくことは間違いなく、満足なパフォーマンスが示せずに
解雇される可能性が高い、という家内の意見に納得したからだ。
・・・ただ少し残念だった気もあり、今回初めて訪れてみたのである・・・
我ながら未練がましいね。

現在のピエールはリノベーション中だが、インドのタージ・ホテルの傘下。
しかしこれ見よがしのインド国旗には違和感を感じる。 (この項つづく)
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by Mikio_Motegi | 2008-08-06 23:17 | 京都・紀行