ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

カテゴリ:ブレイク( 76 )

オペラな夜

12月3日(金)、スイスホテル南海大阪で催されたチャリティ・ディナー・
ショーに行って来た。
会場はリノベーションを終えたばかりの最上階のイタリアン「タボラ36」。
今回の企画の目玉は、メトロポリタン・オペラ所属の歌手による約40分間
のオペラのミニ・コンサートがある事だ。

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ちなみに主催はNPOの「JVC 国際ボランティア協会」。
各地でコンサートを開催し、その収益金で世界中の貧困や大災害に喘ぐ人々を
救おう、という団体だ。
このディナー・ショーは私の所属するACCJ(在日米国商工会議所)の
社会貢献プログラムの一環でもあり、私も特別料金で参加する事ができた。

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私が初めて本場のオペラを観たのは20年以上前のウィーン・オペラハウス
での「ワルキューレ」と「トリスタンとイゾルデ」だった。
あの時は、それまでに訪れた事のある日本のコンサート・ホールとは全く違う
雰囲気に圧倒されたものだ。
ブラック・タイとイブニング・ドレスで着飾った男女、高価そうな香水の匂い、
豪華な内装、幕間のシャンパン、そして奮発して購入した桟敷席から観た壮大
(長大?)なる歌曲。絢爛たるハプスブルク文化の神髄の一端に触れた気が
したのを思い出す。

ただし日本にやってくる本場のオペラはチケット代が高い。
一般席でも数万円はするので、そう度々楽しむわけにはいかない。
だから今回のディナー・ショーは、ACCJでの企画段階から大変楽しみに
していた。

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さてレストランでのショーという事で、演目は下記のアリア:

「こうもり」より “乾杯の歌” ヨハン・シュトラウス
「ドン・パスクァーレ」より “なんと快い4月半ばの夜よ”ドニゼッティ
「ルサルカ」より “月に寄せる歌” ドボルザーク
「ラ・ボェーム」より “年老いた外套よ、聴いておくれ” プッチーニ
「カルメン」より “セギディーリャ” ビゼー
「ホフマン物語」より “バラカローレ(舟歌)” オッフェンバッハ

これにいくつかのクリスマス・メドレー。 

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残念ながらパフォーマンスはやや低調だった。
レストランなので音響も悪く、細かい事だがソプラノはビブラートを
効かせすぎ、テナーは低音部がまるで出ていなかった。
しかしKenneth Kellogg というアフリカ系バリトン歌手の声は深く伸びが
あり、素晴らしかった。
また日本人女性によるピアノ伴奏も秀逸。

ディナー・ショーという事で、客は必ずしもオペラのファンばかりではない
ので、雰囲気がややだらけていて緊張感が無かったのも事実。
ステージのすぐ脇の席に座っていたイブニングドレス姿の若い外国人女性が、
ショーの最中に煙草をすぱすぱ吸いだしたのには驚いた。

が、オペラやクラシックが今のようなコンサート・ホールで演奏される
ようになったのはモーツアルトの頃からで、それ以前は王族等のパトロンの
屋敷でのサロン・コンサートが主流だった。
そこでは当然酒食が供されており、歌手たちは煙草やアルコールの匂いの
中でパフォーマンスを演じるのが普通だ。
現在のように、しわぶきひとつも憚れるような雰囲気は無かったろう。
だからその外国人女性も、当然サロンの歴史を知っての喫煙だろうから、
今回は不問に付しておこうと思う。

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今回のショーの後、JVCは大阪と東京で大観衆を前にした本格的な
チャリティ・コンサートを開催するという。
歌手たちが今夜のパフォーマンスで声馴らしをし、本番に備える手助けに
なったとしたら、チャリティに参加できない私としては本望ではある。

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写真は上から今回のパンフレット。
ミニ・コンサート風景。
ACCJ古参会員である吉原氏と私。
ACCJメンバーによる集合写真。
ACCJ関西の事務局、KeizoさんとYukoさんの2ショット。
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by Mikio_Motegi | 2010-12-05 10:11 | ブレイク

読書週間2010

昨年11月1日のエントリーで記したように、私は「読書ノート」なる
物を書いている。読んだ本の気にいったフレーズを抜粋し、簡単な感想を
書き留めるだけのものだが、これを続けるのがなかなか難しい。

私の読むスピードが遅いのに、1冊が読み終わらないうちに新しい本に
つい手を出してしまうので、読了しないのだ。
こうしてせっかく購入したのに常に3-4冊が読み終えられず、その辺に
置きっぱなしになっている。

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さて昨年同様、再読を含みこの1年で読んだ中で、良かったもの、
「くだらねえ」と思ったものを数冊記してみる。


良かったものベスト10 (順不同)

1.散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道 
  硫黄島 栗林中将の最期         梯久美子

2.スクランブル 「イーグルは泣いている」 夏見正隆

3.こころの王国 菊池寛と文芸春秋の誕生 猪瀬直樹

4.古代への情熱                 シェリーマン

5.ヴェニスの商人                シェイクスピア

6.マルタの鷹                   ダシール・ハメット

7.オシムからの旅                木村元彦

8.不道徳教育講座               三島由紀夫

9.菊池寛短編集
  「恩讐の彼方に」「忠直卿行状記」     菊池寛
  
10.ポー名作集                エドガー・アラン・ポー
                          (訳:丸谷才一)
  
・・・・・・・・・・・・・・・・

1.米軍による本土空襲から愛する家族と日本を守る為、劣悪な環境下で
鬼人の如く硫黄島を防御する栗林中将とその部隊。
「あとがき」で、「私たち次世代の為に、言葉に尽くせぬ辛苦を耐え、
ふるさと遠く離れて亡くなったすべての戦没者の方たちに、あらためて
尊敬と感謝を捧げたい」との一文に、思わず涙した。

2.著者は航空自衛隊の戦闘機パイロットであるだけに、コックピット内の
描写、表現は秀逸。憲法9条や自衛隊法と現実の矛盾を平明に説き、
日本の防衛のありかたを考えることができた。

3.菊池寛の偉大なところは、物書きとしての自分の才能に見切りをつけ、
自分より優秀な作家たちのプロデュ―サーに徹した事。

4.並みはずれた努力と、懸命に働けば辛い現在から解放されるという
確実な見通しが、シュリーマンを偉大な発見へと駆り立てた。

5.現代においても尚主人公シャイロックの人間像に新解釈がされるあたり、
シェイクスピアは多くの未知数をはらんだ人物像を提供してくれる。

6.「ハードボイルド」の古典。レイモンド・チャンドラーも
ロバート・B・パーカーも北方謙三も皆ハメットの影響を受けた。

7.「バルカンの火薬庫」に生まれ育ち、超一流のサッカー監督として、
同時にいくたびの戦乱を生き抜いた不屈の人として、オシムは常に
尊敬に値する人物。サッカー監督は哲学を持ち、それを語らなければ
ならない。

8.没後40年。ミシマへの評価は固まったのか?「金閣寺」「憂国」
と併せ読むと、底知れぬ人間性、森の奥の沼に佇むようなシニシズム、
ウルトラ保守という多面性が伺える。

9.タイトルの他、「俊寛」「蘭学事始」等、小学校から高校までの
教科書で取り上げられた作品が並び、入りやすい。
ただ「俊寛」の結末等、教科書に抜粋されたものとオリジナルでは
読後感がまるで違う事に気づかされた。

10.「モルグ街の殺人」「黒猫」等、ロンドン、パリ、ニューヨークの
古く暗い石畳の街の情景が脳裏に浮かぶ。重厚な丸谷才一の名訳も。

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読むんじゃなかったと、お金と時間を返してほしくなる本


1.「走ることについて語るときに僕の語ること」    村上春樹

2.「芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか」  市川真人

3.「『言語技術』が日本サッカーを変える」       田嶋幸三

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.彼は何をぐだぐだとくだらない理屈を書き連ねているのか?
かつてのシャープな切れ味は何処へ?ノーベル賞が遠のいた駄作。
 
2.最近流行りの「・・・はなぜ・・・なのか」というタイトルの新書は、
読むだけ時間のムダと悟らせてくれた一冊。

3.こんな人が日本サッカー協会の要職に就いたら、現場は混乱する
だろうなと心配になる。「言語技術」の卓越した理論と、彼の
サッカー界における素晴らしい経験、知見が全くリンクしていない。
ただし挿入されたエピソードは面白い。

・・・・・・・・・・・・・・

・・・私はビジネス書、特に新書版はあまり読まない事にしているが、
今年はいよいよその傾向が強まった。
自分に足りない何かを読書で得ようとすると、何十年、時には何百年と
版を重ね読み続けられるモノにこそ不変の価値感があり、それしか
頼れないと思うからだ。

ただし、今年のベスト10に一冊もビジネス書が選ばれないというのも、
明らかに偏りがあると言えるだろう。来年はもうちょっと意識して
ビジネス書を読んでみようか・・・。

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写真は上から フラゴナールの「読書する娘」

私の今年のベスト10冊

映画 "You've Got Mail" の1シーン。
ニューヨークの老舗と新興チェーン書店の争いと、お互いの身分を知らず
恋に落ちた両社の経営者の物語。
メグ・ライアンとトム・ハンクス主演、1998年作品。
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by Mikio_Motegi | 2010-10-30 21:15 | ブレイク

女は世界の奴隷か!

少々刺激的なタイトルだが、私の言葉ではないのでお許し願いたい。
あのジョン・レノンの歌の題名である。
原題は"Woman is the nigger of the world!"
1972年の作品で、オノ・ヨーコに触発されフェミニズム、女性解放に
ついて歌ったもの。

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先日メディアの記事で、日本女性の社会進出の度合いの低さが話題に
なった。「世界経済フォーラム」によると、日本女性の社会進出度は
世界134カ国中94位だそうである。ちなみに中国は61位。
これは各国女性の経済面での進出度合い、教育水準、政治参加、健康
について数値化したものだそうだ。
この現実について、日本の女が悪いのか、男があるいのか私はわからない。

ただ蓮舫参議院議員の国会内での"Vogue"誌写真撮影を巡る一連の意見を
聴いている限り、女性の足を引っ張るのは女性、弱者を苛めるのは弱者という
古来からのセオリーがそのまま当てはまるという感を強くした。
あれこそまさに上記の「女性の政治参加」を阻む行為、すなわち嫉妬に
他ならない。
そして、この世に弱者から受ける嫉妬ほど怖いものは無い。

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「社会進出の度合い」という標準に照らせば確かに日本は遅れているが、
では「男と女とどちらが強いか?」という疑問に対し、私は個人的には
「女の方が強い」と答えたい。

人材に関わる私のような商売をしていると、キャリア相談だか
身の上相談だかわからなくなってくる事が時たまある。
キャリア相談はキレイ事だけではない。現状の不満、不遇を語るうちに
激してくる人は多くいるが、時には泣きだしてしまう人もいる。
そして私が今まで遭遇したケースでいえば、それらは全て男性だ。
女性の涙は、私は職務上で出逢った事が無い。

古来、女性は強い男性の庇護の下でのみ生き永らえることが事ができた。
厳しい自然環境や獣たちの襲撃、他部族からの略奪に対し、自分を
守ってくれる男を本能的に嗅ぎわけ、その腕の元に飛び込んで
したたかに生きてきた。それが女性である。

現代社会は、弱いとされる女性や子供を守らなければならない男の
「マチズモ」を貫くには、いささか厳しい時代と言えよう。
女はそんな弱い男を見限って、他所の強い男についていける。
男にはそんな芸当はできず、悲嘆にくれるしかない。
そう考えると、「女性の社会進出」という尺度がどれほど意味の
あるものか、私にはわからなくなってしまうのである。

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閑話休題。「働く女性の環境改善」をスローガンに、ACCJ
(在日アメリカ商工会議所)関西部会が主催する「ウォーカソン」が
明日10月16日(土)に神戸のメリケンパークで開催される。
ご興味のある人は是非足を運んで下さい。

健康に良く、為になるイベント、美味しい食事が盛りだくさんです!

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by Mikio_Motegi | 2010-10-15 14:39 | ブレイク

新しい家族が増えました

我が家に新しい家族が増えた・・・といっても人間の赤ん坊ではない、
残念ながら。9月10日にやって来た柴犬の「コテツ」の事である。

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血統書付き、生後40日のオス。名前の由来は、家内が結婚前に実家で
飼っていた同じく柴犬のオス「テツ」から来ている。

実は私は小学校3年の時にお祭りの縁日で買ったハツカネズミを三日で
餓死させて以来、哺乳動物を飼ったことがない。
それ以降はマレーシアのコンドミニアム内の池から釣ってきた野生のグッピー、
ネオンテトラ、クリーニング・フィッシュ。

京都に来てからは沢ガニのカニ吉(これは4年経つが今も健在)、
ミドリガメ(カニ吉と同じ水槽に入れていたら、カニ吉にいじめられ
ストレスで死んだ)、
カブトムシ(家内が勤務していた京大医学部の教授室に迷い込んだIQの
高そうなモノ。繁殖に成功したが全て近親相姦で生まれたので山に帰した)、
金魚、嵯峨野の広沢の池で獲って来た由緒あるモロコとザリガニ
(モロコは金魚に食われ、ザリガニは脱走し行方不明)と、すべて
変温動物たちだ。

私の実家の母が茶道をやっている為、庭を荒らされたくないという理由から、
我が家に侵入して来た犬猫共を駆逐する「犬猫狩り」に明け暮れた少年時代を
過ごした私だ。だから犬猫の類を飼うのは正直言って苦手だった。

だが家内や娘たちの強い要請があり、対価として課した娘たちの学校の
成績もまずまずだったので、遂に飼うことを決心したのである。

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先代のテツは、近頃の人間だかペットだかわからないような贅沢な
飼われ方はしていなかった。エサは人間の残飯、寒くても暑くても犬小屋
住まいで家になんて上げない、大抵は敷地内に放し飼い。
我が家もそのやり方を踏襲することにしている。

古来より犬は人間のかけがいのない仲間だった。
だから昨今の浅はかな愛情をかけ、本来の野生を喪わせる飼育に、人間の
自己満足以外の何の意味があるというのだろう、というのが我が家の意見。

私が犬を飼う決断をする後押しをしてくれたのが、下の言葉である。

「子供が生まれたら子犬を飼うがいい。子犬は子供より早く成長して、
子供を守ってくれるだろう。
そして子供が成長すると良き友となる。
青年となり多感な年頃に犬は年老いて、死ぬだろう。
犬は、青年に教えるのである。死の悲しみを」

(ゴルゴ13 130巻 「黄金の犬」)
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by Mikio_Motegi | 2010-09-10 22:19 | ブレイク

ジャズの未来

久しぶりに活きのいいストリート・パフォーマーに遭遇した。
横田寛之というサックス奏者がリーダーの、「エスニック・マイノリティ」
というフュージョン系バンドだ。

彼らは不定期だが、週に何日か夜の10時ごろから渋谷のハチ公口を
西武百貨店方面に渡った辺りでプレイしているらしい。
私が遭遇したのはシャッターを閉めた大盛堂書店の前だった。

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元々生演奏が好きなので、どんな街頭での演奏でもつい立ち止まって
聞き入ってしまう私だ。
だがそのうちの90%はどうでもよい、自分たちと身内だけが自己陶酔
しているゴミのような存在で、往来の邪魔になるただの騒音にすぎない
と言える。

ほんの時たま素晴らしい演奏に出会う事もあるが、"Groove" を感じるに
至らない。むしろ演奏後のCD販売に熱心なあまり「あざとさ」が
前面に出てしまい、鼻白む事が殆どだ。

だが「エスニック」の演奏には、最初の音を耳にしただけで感じる
衝撃、Grooveがある。また相当腕に自信があるのだろう。演奏後の
CD販売に無頓着なのもクールだ。



昔は聞く音楽と言えばロックかジャズしかなかった私が、最近は
クラシックに傾倒しているのは、年のせいだけではない。
素晴らしい若手のアーティストがジャズにいないからだ。

関西でも自治体が主催する「ジャズ・ストリート」とかいう
終日街中でジャズの生演奏を垂れ流すお祭りがあるが、あれはいわゆる
地域振興策というお役所仕事の一環だ。
私は6年前に関西の複数の「ジャズ・ストリート」を聞きに行って失望し、
それがきっかけでジャズから離れてしまったのである。
そこで演奏されていたのはどれもジャズの物まねばかりで、
オリジナリティのかけらもない、また奏者も身内向けの自己陶酔連中
ばかりだった。

だが考えてみると、自治体のお手盛りジャズバンドがGroovyなわけが
無い。あれを見てジャズを見限った私は、今まで大きな勘違いを
していたのである。

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横田寛之は早大在学中に「早稲田大学ハイ・ソサエティ・オーケストラ」
という名門ビッグ・バンドのコンサートマスターを務めている。
現在は「エスニック・・・」の他に「ゴウダウ」というバンドも結成して
いて、7月に初のCD「表参道ワンピース」をリリースした。
今は様々なメンバーとセッションし、自分のスタイル確率を模索している
時期のようだ。
彼らのような活きのいいバンドがいるという事は、日本のジャズの未来も
暗くない。これからのブレイクに大いに期待したい。

また世の中は狭いもので、横田寛之は私が所属するACCJ
(在日米国商工会議所)の名物会員タイガー大賀(たいが)さんの
お知り合いでもあるらしい。
愛すべき73才のタイガーさんが自らのバンドを率い、コンサートでの
聴衆を前にディーン・マーチンを歌う時、だんだんずれていく音程・
リズムを後ろで修正する役を担っているとの事。

渋谷の単なるストリート・パフォーマーではない、「ジジ殺し」の
テクニックも心得ているところがニクい。

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写真は上から「エスニック・・・」の渋谷での路上ライブ風景。
YouTubeは「ゴウダウ」の「表参道ワンピース」。
「表参道ワンピース」のCDパッケージ。このセンスの良いイラストにも
注目しているのだが、アーティストのクレジットが無く詳細不詳。
タイガー大賀(本名:大賀昭彦)さん。毎晩夕方5時からオオトラに化ける。

・・・このブログをエントリーする際に友人に確かめたのだが、
自治体主催のジャズストリートにもたまに素晴らしいバンドが紛れて
いるという。今度改めて出かけてみようと思う。
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by Mikio_Motegi | 2010-09-04 21:42 | ブレイク
敬愛する北里大学名誉教授、塩谷信幸先生の無敵のブログ
「アンチエイジングブログ」で、先生は御自分の
「ジープ・コンプレックス」について語っている。

先生のようないわゆる「戦中派」世代は、戦後、進駐軍が都内を
乗り回すジープに憧れを抱いていて、それが今にも続く外車・
輸入車信仰になっているというのだ。(先生の文章から私が解釈
したもの。是非原文を参照頂きたい)。

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ジープに代表されるアメリカへの憧れが数世代を経ても連綿と続き、
その結果舶来礼賛・欧米追従の思考が我々日本人に強く刷り込まれて
しまっている、と言えなくはないだろうか。

アメリカのカー・ライフは常に憧れの対象で、彼らのスタイルを
そっくりコピーする事が我々の生活に根付いている。
例えばデートで、コンパーチブルの助手席にガールフレンドを乗せ、
海岸通りを軽快なアメリカン・ポップスを聞きながらドライブするという、
映画に良く出てくるシーン。

或いは買い物に行く時も、週末に郊外の大型スーパーに車に乗って
買い出しに行き、大量に買い込んでこれまた大型冷蔵庫に貯蔵すると
いう大量購買・消費スタイル。

実際の生活の場にこのようなシーンを体験したかどうかはともかく、
こういったライフスタイルに憧れる思考は戦後アメリカによって
もたらされたもので、たった数十年の間でそれが日本に見事に
根付いているのだ。
まさにアメリカ礼賛・追従であり、彼らのPR・洗脳能力には驚かされる。
日本固有の生活習慣はどこにいってしまったのだろう。

もっと言えば、アメリカ追従のあまり国家存続の根幹を成す国防まで
委ねてしまっているこのていたらく。

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閑話休題、日本の30代以下の世代で「車離れ」が進んでいるという
報道をお聞きの人は多いだろう。
(社)日本自動車販売協会連合会の統計によると、新車の登録台数は
2001年に計406万台だったのに対し、2005年は393万台と漸減、
そして2009年度には292万台と、2001年に比べ28%も減少している
というのだ。
(www.jada.or.jpより)

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理由として様々な要因が挙げられるが、日本の若年層には先に述べた
アメリカ的なモータリゼーションに代表されるライフ・スタイルの影響が
及んでいないのかもしれない。
もちろん違う形でもっと色濃く影響が及んでいる、という見方もあるが。

ジープ・コンプレックスの無い若い世代には、我々の多くに染み付いて
しまった「舶来礼賛・欧米追従」を覆し、日本固有の文化・伝統を基に
した生活習慣、思考を再確立する事を期待したいものだ。

そう考えると、車離れにも以外な効用があると言えるかもしれない。

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写真は全てイメージ。
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by Mikio_Motegi | 2010-07-31 18:43 | ブレイク

「ダーリンは外国人」

中学生になった長女と映画「ダーリンは外国人」を観に行った。
私にとっておよそ2年振りの封切映画なのに、なんでこんな物を
観なくてはいけないの?・・・と少々情けなかったが。

まあ他愛のない内容。イラストレーターで漫画家である女性主人公
(井上真央)が、交際しているアメリカ人(ジョナサン・シェア)との
生活の中で生じる異文化の発見、摩擦、対処の仕方がテーマ。
主役の二人はなかなか魅力的。オーディションで選ばれたという
ジョナサン・シェアは好感が持て、井上真央は可愛い。

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しかし国際結婚がテーマなんて、「何を今さら」という感じ。
こんなネタの原作がベストセラーを続け、映画化されヒットするなどと
いう現象が起きるのは先進国では日本だけだろう。
文化、風俗が西洋化しても、根っこのところで国際化が進んでいない
証拠だ。
そもそも日本にいて、たまたま外国人と接する機会があった時に生じる
摩擦なんてユルいものだ。

私が東南アジアに滞在した8年間でも、圧倒的なな富の偏在、貧富の差、
人種差別、宗教観の違いを実際に体験してきた。

「違い」があって当然だという世界観と、「違い」をネタにして
「やっぱりそうだよね」「変だよね」と身内だけで納得し、喜んでいる
世界観。
異文化を何でも飲み込み成長を続け、絶妙のパワーバランスの上で
生き延びる国家と、何でも身内の論理ばかり先行し、幼児化、白痴化
した国家.
どちらが今後生き抜き、どちらが衰退するか。
・・・答えは見えている。

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とまあ、つらつらと他愛もない事を考えながら観ておりました。
じゃなんでそんな映画にわざわざ高いお金を払って行ったのだと
聞かれると・・・
それは茂木家という身内の論理、パワーバランスに起因している、としか
申し上げられません・・・。
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by Mikio_Motegi | 2010-05-16 20:53 | ブレイク

「わが家の歴史」

先週末にフジテレビ系列で3夜連続で放映されたドラマ「わが家の歴史」。
柴咲コウ主演、三谷幸喜脚本。視聴率も相当高かったようなので、
ご覧になった方も多いだろう。
実は物語の最終回最後のシーン、主人公の家族が総出で小学校の運動会に
出場するシーンがあったが、あのロケに使用されたのはなんと私の母校
なのである。

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事前の番組宣伝でそのシーンを見た家内が気付き、私に教えてくれたのだが、
そのせいで普段テレビドラマなど観る時間も余裕もない私なのに、3話とも
テレビの前にくぎ付けになってしまった。

内容は柴咲コウ演じる主人公家族の戦後の一代記。非常によく出来た
脚本で、私など第2話の途中までノンフィクションだとばかり思い込んで
しまった程。「三谷ワールド」に縁がない私でも充分楽しめた。
やはりドラマは脚本が命である。

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ところで主演の柴咲コウだが、私は数年前に新幹線のグリーン車で通路を
隔てた隣の席に乗り合わせた事がある。
ワゴンサービスの売り子さんが彼女を見て立ち尽くすほどの凄い美人
だったが、東京から京都に向かう夕刻の新幹線に彼女は独りで座り込み、
ナッツを齧りペットボトルのお茶を飲みながら、2冊の分厚い本とひたすら
格闘していた。

そのうちの1冊は何とかというどうでもいい小説だったが、忘れも
しないもう1冊のタイトルは「パワーかフォースか」。
「力」には、人を強くする「パワー」と、人から命とエネルギーを奪う
「フォース」があることを証明するという、アメリカの精神医学博士
デヴィット・R・フォーキンズの当時大変話題になった300ページを超す
ハードカバーだ。

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新幹線が京都に着き、私の後ろで彼女が携帯電話で電話の相手に小声で
「来ちゃった」と嬉しそうに話していたので、その京都旅行の目的が
プライベートなものである事はわかった。
が、当時から超売れっ子女優ともてはやされていた彼女が、独りぽつねんと
京都に向かう夕刻の新幹線に座り、ナッツを齧りながら精神医学書を読み耽る
姿に妙に感動してしまったものだ。

ちなみに私も慌てて購入した「パワーかフォースか」。
あれから4年もたつのにまだ100ページにも読み進めないでいる。
・・・だって難しいし。

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写真は上から我が母校である桐生市立北小学校。私の実家はこの校舎の
すぐ裏手で、徒歩で2分の距離。昨夏のロケ時には柴咲コウをはじめ、
あの富司純子や今をときめく「嵐」の松本潤が来たのに、私の家族親戚は
誰ひとりその事実を知らない。
桐生市の観光課にはこうしたロケを誘致するプロジェクトがあるらしい。

「わが家の歴史」のホームページより。視聴率20%を超える人気だったそうだ。

「パワーかフォースか」Amazonより

柴咲コウ。
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by Mikio_Motegi | 2010-04-17 19:08 | ブレイク

マグロの将来を考える

鮨屋で鮨をつまみながら、もし死ぬ前に神様から「好きな鮨を三貫だけ
食べさせてやる」と言われたら何を注文するだろう、というバカ話をするのが
趣味の私だ。
私の場合、中トロ、穴子の二つは決まっている。あとのひとつに何を選ぶか、
いまだに答えが出ない。

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ドーハで開催していたワシントン条約会議で、18日、EUの提案した
大西洋クロマグロの国際取引禁止提案が大差で否決された。
欧米諸国の一部にいる極端な動物偏愛主義者たちの過激な行動に
業を煮やしていた日本には、久しぶりに溜飲を下げた人も多いだろう。

かく言う私も、これからもマグロを食べられる喜びに祝杯をあげるべく、
早速近所の魚屋さんに走りマグロの赤身と中トロのお造りの盛り合わせを
注文した。

新鮮なネタを売ることで評判のその魚屋さんのお奨めは「ヨコワ」。
ヨコワとは本マグロの体重10キロ以下の幼魚の事。安くて美味しいので
私も大好物だ。
大西洋や地中海の本マグロの漁獲高が確実に減る一方で、日本の沿岸や
近海で比較的簡単に獲れ廉価なヨコワの人気はウナギ登りだ。

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だが私は少し複雑な気がした。私がヨコワを初めて食べたのは1992年の
夏、当時開業した「タラサ志摩」に行った際の、地元の漁師さんが
営業している食堂での事。
さすが幼魚でも本マグロだけあり、密度の濃い味わいは逸品だった。
ただしあの頃のヨコワは現在のように一般家庭の食卓や鮨屋に供給
される魚ではなく、沿岸漁業に携わる人たちと少数の好事家のみが
食する素材だった。

ところが今や体重が200キロ以上になる成魚の漁獲高が大きく減っている。
そしてそれを補うために、南西諸島や五島列島周辺のマグロの産卵地の
近くでの大規模な巻き網漁により、文字通り一網打尽でこの幼魚を
獲り尽くしている。
このままではこの資源が枯渇することは目に見えているのに。

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今回のEUの提案は、確かに一部の動物偏愛主義者たちの世論に押された
面もある。
一方日本では古来より、生物や草木を含む万物に神が宿るという信仰が
あり、感謝の念を捧げながら魚を獲ってきた。またクジラや魚介類を
常食とする日本文化と欧米の食生活の違いを指摘するなど、理論よりも
文化的側面でEU案を批判する人が多い。つまり議論のステージそのものが
違うのだ。

では全世界の本マグロ漁獲高の大半を食べてしまう日本人は、
果たしてこの資源を有効に管理し、計画的に増やしていくことに積極的に
貢献しているのだろうか?

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国民の健康意識の高まりや、食料問題解決のために「地産地消」ブームが
高まるのはいいことだ。世界的な寿司ブーム、中国でのマグロブームに乗り
利益を追求する日本企業もおり、その企業努力を否定する気はない。
が、そんなブームに踊らされていると日本人に古来から愛され続けてきた
マグロが、やがて永遠に我々の食卓に上がらなくなる日が来てしまうかも
しれない。

本マグロのような回遊魚の養殖技術開発は、ヒラメやタイ、クエなどの底魚
よりも大変な困難を伴う。だから水産庁や文科省はこの方面の研究開発に
積極的に支援すべきだ。
そして一方で、水産庁は幼魚であるヨコワ漁を取り締まる。我々消費者も
この廉価で高品位の素材を暫くガマンして食さない。
こんな努力をしていくべきではないだろうか?
よーするに獲り過ぎ、食べ過ぎはアカン、ということ。

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さて冒頭の鮨ネタ。私は三つ目の鮨はその時の季節や気分に応じて注文
することに決めていた(死ぬ間際に鮨を食べる元気があったらの話だが)。
だが本マグロが枯渇していく現状で、最初のネタに「中トロ」を選ぶことに
やや躊躇してしまうのである。

(1年に2-3回しか店に来ないお前が気にすることじゃねえ。第一ウチで
出すマグロは本マグロじゃなくてメバチマグロだい!・・・とは私の
行きつけ?の鮨屋のご主人の言)。

写真は上からジャンプする大西洋クロマグロ。成長すると体長4メートル、
体重450キロに達するという。

「ヨコワ」http://kaisen-omakasebin.blogzine.jp

「マグロはえ縄漁」のイメージ。

動物保護団体「グリーンピース」のHPより。私は彼らの行動を肯定・否定
共にするつもりはない事を断っておく。

尚、今回のエントリーでは三重大学の勝川俊雄准教授のHPを参考に
させて頂いた。読み物としても大変面白い。 http://katukawa.com/
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by Mikio_Motegi | 2010-03-21 11:58 | ブレイク

私の喫煙事情

他人のタバコの煙による受動喫煙の害を防ごうと、厚生労働省は25日、
健康増進法に基づき飲食店を含む公共施設を原則、全面禁煙にすべきだとの
通知を都道府県などに出した。不特定多数の人が集まる公共施設と、
その周辺道路の全面的禁煙が各施設に求められるようだ。

愛煙家にとってますますやりづらい世の中になっていく。

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私自身はタバコを止めてこの2月で丸21年になる。
当時まだまだ愛飲派が圧倒的だった中で、禁煙を思い立った理由は二つ。

一つは、当時交際していたアメリカ留学帰りのキャビン・アテンダントの
女性に強く、執拗に禁煙を迫られていたから。
もう一つは、多少の自意識から。
当時勤務していた芝パークホテルで、フロント係からセールス部に異動になり、
外回りをするようになった。

先輩社員に連れられての得意先回りの途中、休憩で立ち寄った喫茶店では、
私たちと同じような身なりのセールスマンの群れが、一様に
うだうだとたむろして時間を潰していた。もうもうたる紫煙の中で。

それは私が勝手にイメージしていた、セールスマンの颯爽たる姿とは
かけ離れていた。
なんだか捕虜収容所にいるように思えてきて、「こんなセールスマンには
なりたくない」と強烈に意識し、事始めに禁煙を思い立ったのだ。

今思い返すと「若気の至り」である。その時は他人が自費でどこで何を
していようと、自分には関係ないと割り切る事が出来なかった。

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私は決してタバコが嫌いなわけではない。
事実数年前までは完全禁煙ではなく、1年に数本は喫煙することがあった。
特に東南アジアにいた頃は、タバコならぬシガーを愛飲していた。

私の好きなシチュエーションとして、屋外で特大のステーキに挑みながら
ふかすシガーがある。
夕暮れ時、赤道直下の圧倒的な夕陽を眺めながら、気の合う友人と
コンドミニアムやホテルの屋外のプールサイドでふかすシガーの味は
堪えられない。
長大なシガーは1本を吸い終えるのに1時間以上かかることもある。
網焼きした1ポンドもあるTボーンステーキに挑みながら、赤ワインを傍らに
置いて、合間にシガーをふかすのだ。

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禁煙運動の本場といえばアメリカだが、全てのビジネスエリートが禁煙して
いるかというと、そんなこともない。

私がジャカルタのシャングリ・ラに採用面接を受けに行った時、
たまたまアメリカ人GMの自宅で催された大規模なホームパーティーに
呼ばれる事になった。
アルコールが入り生バンドの音楽が流れる。濃密なジャカルタの闇夜の中で、
日頃の強烈なストレスから解放され、リラックスしたGMをはじめ
欧米人の幹部連中が、隣の部屋で何やらこそこそとやりはじめた。
そこでは奥方連中に見つからないようにして、彼らが一様にタバコを融通
しあい、美味そうに吸いだしていたのだ。

その光景を見た時は驚かされた。欧米のビジネスマンの表と裏というか、
本音と建前の一端を垣間見た思いがしたものだ。

もともと人類が猿から進化し、火を使うようになった頃からつきあいのある
タバコ文化だ。異文化のコミュニケーションにどんなに役に立って
きたか、その功績は計り知れないだろう。

茶道でも「煙草盆(たばこぼん)」といって食事後のお薄の前に
煙管(キセル)を提供するという作法もある。

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要するにこの問題は愛煙家のマナー向上に帰結するのではないだろうか。

繰り返すが、冒頭に挙げた受動喫煙のように、子供も食事をしている狭い
レストランでの喫煙は慎むべきだし、歩きたばこは本当に危険な行為なので
厳に戒めるべきだ。
その意味で分煙は絶対に正しいし、私も大賛成だ。

ではタバコの効用を頭から否定するのではなく、いかに喫煙マナーを向上
させるか?
タバコ文化の存続、いつまでも安心してたばこを吸える世界は、タバコ
愛飲者のマナー向上如何にかかっているのである。

写真は皆イメージ。
イラストはJTのホームページから。「煙草盆」を検索すればヒットする。

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 ↑ これは昨年10月にオープンした「星のや京都」の佇まい。
同社のHPが禁煙普及への真摯な取り組みと解釈するか、fanatic と
解釈するか別にして、(株)星野リゾートの採用サイトは興味深い。

http://recruit.hoshinoresort.com
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by Mikio_Motegi | 2010-02-27 22:43 | ブレイク