ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

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戸塚宏 本能の力 

戸塚ヨットスクールで名高い戸塚宏氏が「本能の力」という新書を刊行した。
(新潮新書刊 680円)
結論として、私は80%以上彼の意見に賛同する。
戸塚氏は深い見識と強い信念のある人、と見た。容貌が怪異でかつ
強面(こわもて)なイメージだったが、マスコミが創った虚構だったということが
この本を読んですぐにわかった。

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戸塚氏が主催する全寮制の戸塚ヨットスクールは数多くの不登校生徒、
素行不良生徒を受け入れ、独特の「脳幹教育」という方法で更正させてきた。
が、1983年に不慮の事故で生徒5名を死なせてしまい、監禁・暴行容疑で
逮捕。懲役6年の刑を受け収監。昨年4月に刑期満了で出所。
その間石原慎太郎が戸塚氏をずっと支援してきて、彼のエッセイでも
度々取り上げられていたので私も注目していた。

私がこの本を読んだのは発刊されて直ぐの先月のことだ。
実は最近、公立の小学校に二人の娘を通わす私は、教師の力の無さに
辟易している。
昨日も授業参観に行ってきたが、4年生の学年合同授業で娘の隣のクラス
の生徒の授業態度は酷かった。
授業中まるで教師の言うことを聞かず、奇声を発し、貧乏ゆすり、
徘徊が絶えない。若い女性担任教師は、だらしない姿勢の生徒を手取り
足取り直してあげ、騒ぐ生徒には小声で優しく「しー」と諭し、徘徊する生徒
は肩を抱え席に誘導している。
私に言わせればあんな生徒は一度ぶん殴るか、廊下にバケツを持ったまま
1時間でも立たせておけば少しは直る。
しかし、今の教師にはそれが出来ない。自分達も同じような教育を受けて来た
から、「体罰」の振るい方がわからないのだ。

幸い娘のクラス担任は年配の教師で、びしっと躾ている為、そのような生徒は
いない。だが、実は昨年の娘のクラスも酷かった。
今年になって担任が若手から年配に代わったとたん、まともになったのである。
将に教師の個人的力量がどれだけ影響するか、の実例であると言える。

娘の今の担任が戸塚メソッドの信望者かどうかは知らないが、例えば戸塚氏は
体罰といえど強く叩けば良い、と言っている訳ではない。
体罰の方法として「恥をかかせる」ことが有効で、他の生徒の前で軽くお尻を
叩いたり、廊下に立たせることで子供は許容範囲を学習し進歩するのだ、
と言っている。

私がジャカルタのシャングリ・ラに勤めていた頃、同じコンドミニアムに
住んでいたフランス人の料飲部長オッフェ氏の、当時7歳になるお嬢さんへの
教育はそれは厳格だった。例えば皆でプールサイドでバーベキューをして
いる時、お嬢さんがちょっと羽目を外すと直ぐにきつく注意し、聞き入れないと
衆目の前でプールに放り込んで叱責した。
日本人は目をそむける光景かもしれないが、私達夫婦は感銘を覚えた。
今思うと、水に放り込んで窒息の恐怖を味あわせるということで、オッフェ氏は
戸塚氏と同じ体罰を加えていたのだ。

義務教育の目的は国を継続的に繁栄させることにあり、その為国家予算が
組まれていることを忘れている人が多いのではないだろうか。
国の繁栄とは、例えばどこかの国と戦争状態に陥っても打ち勝つこと、
という意味もある。
目の前の生徒達を見て、彼らが将来この国を繁栄に導いてくれるのか、
他国との競争に打ち勝つことが出来るのか、私は大いに不安だ。
義務教育の課程で一度日本人生徒全員を戸塚氏のヨットスクールに
ぶちこんで、2,3度海に放り込んでくれないかと真剣に考えている
この頃である。

上下とも写真は戸塚ヨットスクールのホームページより。
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by Mikio_Motegi | 2007-05-26 22:05 | 人材・ホテル
あのアマンリゾートが日本で最初のホテルを2008年に京都でオープンする
、というニュースをご存知の方は多いだろう。
ただ、どのメディアを見てもGoogleで検索しても、場所は「京都市
北西部、金閣寺より約1キロ、北区鷹が峰(たかがみね)」としか出ていない。
今回は多分日本で初公開、アマンリゾート京都の建設予定地写真を公表
したい。

どうやって調べたかと言うと、私の家内の友人で、鷹が峰一帯の土地持ちの
お嬢さんに家内を通してアマンの件を聞いてみた。早速彼女は事情通の父上
に問い合わせてくれて、「『しょうざん』の向かい、紙屋川を挟んで反対側の
松山家邸宅周辺」との答えを得たのである。

「しょうざん」とは、レストラン、結婚式場、ボウリング場、光悦芸術村という
機織や作陶等のアクティビティを併設したレジャー施設で、手ごろな価格と
なにしろ車で10分かからない至近距離にあるため我が家も良く訪れている
場所だ。

アマンリゾートは元リージェントホテルのエイドリアン・ゼッカーが1987年に
設立、翌1988年にタイ・プーケットにアマンプリを衝撃的にオープン。
以来世界中のゲストから賞賛され、アマンに泊まる為だけに旅行する
アマンジャンキーと呼ばれる旅行者も現れているほど。

アマンの特徴は1室1泊最低でもUS$450という高単価と、それに見合う
高品質のサービス、交通の不便な「秘境」に位置し部屋数は50室前後。
現在インドネシア、タイ、カンボジア、ブータン、USA等で展開している。

さて私にとってアマンが近所に出来るということの意義は・・・まだわからない。
アマンが顧客になってくれれば至近距離なので便利といえば便利である。

アマンにとって、この地は近くに仏教大学や立命館があるので学生アルバイト
の確保は容易だろう。
気になるのが途中の道。将に住宅街のド真ん中を抜けていくので、工事や
搬入車両による交通事故が心配だ。我が家の娘達のかかりつけの小児科医
もその道に面して開業している。

それよりも後2-3年すれば子供達も手がかからなくなるので、今は専業主婦の
家内もアマンで働けるかな、などと想像している。
彼女のキャリアを活かすにはもってこいのステージだと思う。
もっともアマンまでの公共交通手段が無いので、往復は自家用車で通うことに
なる。
その場合、我が家のでかいBMWでの通勤をアマンが許してくれればの話だが。

下はアマン予定地周辺の地図 http://www.mapion.co.jp/index.html
(地図をクリックすると、より鮮明なウィンドウが開きます)

そしてアマン建設予定地。なにしろ道の向こうは急峻な山で、このような写真
しかとれなかった。ちなみにこの山は「左大文字」山に連なっている。

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by Mikio_Motegi | 2007-05-20 22:28 | 人材・ホテル
仕事でホテルを数多く利用しているが、和室に泊まったのははじめてだ。
先日グランドプリンス高輪に宿泊した際、フロントで和室へのアップ・グレード
を提案されたので「ワオ!それは面白い」とすぐさま承諾。
その夜ホテルで会食をする予定のジャカルタ時代の仲間にも見せて自慢
してやれ、と期待したのも事実。

結果、快適だった。が、失敗だった。
「まったり」してしまうのである、畳貼りの和室にいると。
イスではなく座椅子に腰をおろし、シャワーでなく湯船につかると緊張感が
無くなり、身体も神経も弛緩してしまう。
ぐっすり眠れて目が醒めたが、なんとなく身体が重い。「やる気」が
でてこない。
やはり仕事目的で泊まるホテルではベッドで眠らないといけない。

まだまだエグゼクティブ・サーチエージェントとして駆け出しの身、出張先で
リラックスはしても「まったり」は禁物である、と自戒した。

写真は同ホテルホームページから。私が泊まった部屋と同タイプである。

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by Mikio_Motegi | 2007-05-19 11:06 | 人材・ホテル
俳優・北村和夫が亡くなった。その名前を聞いてもピンと来ない人でも、
下の顔写真をみれば「ああ、あの俳優」と思い出す人は多いだろう。

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彼のバイオグラフィーを探してGoogle を30分以上渉猟したが、彼を
「映画俳優」「多数のTVドラマ、映画に出演」と紹介していても舞台俳優
として印象付ける記事が極端に少ないのは残念だ。
北村和夫は文学座の舞台俳優である。

私が高校1年の時読んで以来、自分の愛読書ランキングNo.1である「シラノ・
ド・ベルジュラック」(岩瀬孝訳 旺文社文庫 廃刊)に、彼が演じたシラノ、
小川真由美のヒロイン・ロクサーヌ、細川俊之のクリスチャンの舞台写真が
ふんだんに載っている。私はそれを眺めながらシラノの雄姿、ロクサーヌ
の可憐にずっと憧れ続けた。
たしかに「スター」俳優でない北村が、豪快無双の剣豪であり当代一流の
芸術家、そして異形の鼻を持つシラノを演じているのに少々違和感が
あったのは確かだ。でも私はそんなことより、ビジュアル化したシラノを
眺められることが大満足だった。 

もっとも私は実際のその舞台を見ていない。上演されたのが1968年度の
30数回のみで、その頃の私はまだ小学3年生だ。いくらなんでも
「シラノ」を理解するには早すぎる。
この本が刊行されたのは1970年で、その時には既に北村の「シラノ」
が舞台にかかることは無くなっていた。
長年憧れ続けた「シラノ」をこの目で実際に見たのはずっと後の1982年
の大学生の時。シラノは北村ではなく江守徹、ロクサーヌは平淑江、
クリスチャンは大出俊だった。

私が北村を見たのはやはり大学生の時で、故杉村春子!主演の
「欲望という名の電車」だった。映画ではマーロン・ブランドが演じていた
スタンレー役だが、ブランドとは違ったタイプの、「やや悩める粗野な
肉体労働者」というイメージ作りが面白かった。

この秋、江守による「シラノ」が20数年ぶりに東京で再演されるようで、
今から楽しみである。
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by Mikio_Motegi | 2007-05-08 21:11 | ブレイク

神戸ビーフに想うこと 

GWの最中、楽天オークションに参加したら思いがけない廉価で神戸牛の
ステーキ肉が手に入った。早速家族で堪能したが、神戸ビーフというと
私はエドワルドの事を想いださずにいられない。

1998年から1999年までシンガポール・インターコンチネンタルホテルの
第3代総支配人として君臨したエドワルド・ファーレンクルッグ
(Eduard Fahrenkrug) の第一印象は文字通り「強烈」のひと言だった。
身長188センチ、体重120Kg(本人曰く)という体躯もさることながら、
Iron Man/(血も涙も無い)鉄の男,Cost Cutter/コスト・カッターという
ニックネームのごとく、ホテルの収益アップの為にはどんな余計なコストも
見逃さない男だった。

彼は着任早々、スコットランド人の営業本部長とドイツ人の料飲部長を
更迭した。「コストとパフォーマンスが見合わない」という理由で。
この二人と私はゴルフ仲間でもあったので、私にとってもショッキングな
人事だった。コストが高いという点では私もこの二人と同様だったせいもある。
もちろん、そうならないように私は必死に働いた。

1999年の5月、私とエドワルドは一緒に日本に2週間出張し、
インターコンチの「Show Case(見本市)」に参加、精力的にスケジュールを
こなした。

実はこの間に私とエドワルドには様々な出来事が起き、火の粉が降り注いだ。
自分の将来について深く考えさせられた転機、人生の指針が定まった期間、
と言っても過言ではない。
私と彼は、当時のインターコンチが置かれた状況に関るpolitics(政争)に
もろに巻き込まれてしまったのである。
ただその内容についてはとてもこのグログで収まる長さのものではなく、また
現存している当事者に迷惑がかかるので詳細は書けないが。

彼はペルー出身のドイツ人で牛肉料理に関しては一家言あった。
ところが来日初日に宿泊したホテル阪急インターナショナルで食べた
神戸ビーフのとりこになってしまい、以後滞在中のランチかディナーの
どちらかに必ずオーダーするべくレストランを選べ、と私に厳命が
下ったのである。
彼によると、世界中で食べたビーフステーキの内、神戸ビーフが一番美味い、
とのことだ。「霜降り肉」の魔力に魅せられたのである。

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とにかく2週間の日本滞在中、私達は神戸ビーフを食べまくった。
途中の週末には京都の家内の実家に連れて行き、義父の運転で京都見物
の後豆腐料理に舌鼓を打ったのに夕食は神戸ビーフ。
クライアントとの会食でも、梅田や新橋、六本木の高級ステーキハウスで
目の玉が飛び出るような値段の神戸ビーフ。

私は生涯で食べられるだけの神戸ビーフを2週間で食べ尽くした、と言っても
過言ではないだろう。実際、その後数年間は霜降り肉に全く食欲が湧かな
かった。

現在、彼は未だPolitics渦巻くシンガポールを離れ、チリのサンチアゴにある
クラウン・プラザの総支配人。生まれ故郷のペルーにも近く、休日は家族と
近くの海岸に出かけたりして生活をエンジョイしている。
私がホテリエを辞めて今の仕事を起業したときも、心尽くしのメッセージを
送ってくれた。

写真右が現在のエドワルド

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by Mikio_Motegi | 2007-05-05 12:30 | 人材・ホテル

新橋第一ホテル

「何を今さらそんなところに泊まるの?」とは嘗てのホテリエ仲間の弁。
私が今回の東京出張時に新橋第一ホテルに泊まる、と言った時のことだ。
確かにこのホテルは話題性に乏しく、地味である。が、30㎡強のツイン・
シングルユースで朝食無し17000円という値段、今回は山手線沿線での
ミーティングが多く移動に便利、初めて知ったのだが雨が降っても地下道
で新橋駅に直結していること、また屋内プールを含むフィットネス施設が
充実していること、等々が今回選んだ理由だ。

結論から言うと、ホテルの立地、施設、サービスは申し分ない。
コスト・パフォーマンスから評価すると都内でも上位に入る。
新築オープンして12年立つが、上手くリノベーションをしている。
スタッフも総じて爽やかで親切、よく気がつく。
朝食はアネックスでのビュッフェが2700円、本館でのセットメニューが
3200円。当然ビュッフェを選んだが、これはまあまあ。

ただ、やはりもう一度泊まりたいかと聞かれたら私は「わからない」としか
答えられない。なんといっても特徴が無いのである。センスが無い、
光るものが無い、わくわく感が無い。
ロビーに座っている人々も、一昔前のエスタブリッシュメントという感じ。

このホテルは敢えて言えば学校の成績がいつも5段階評価で5が一つ、
後はオール3という生徒みたいな、面白くも何とも無い、卒業したら誰も
思い出さない、「ああ、そんなヤツがいたな」という程度の存在なのだ。

安普請なベルサイユ調の内装、ブラウスにロングスカートというラウンジ・
コンパニオンのコスチューム、明るい緑色のベルマンのユニフォーム、
入り口に立つ黒服親父の「いらっしゃいませ~」の時代がかった
グリーティング。全てが古臭い。
築地の阪急ホテル同様、どうもこの阪急・第一ホテルチェーンはホテル経営
にどこまで本気ななのか訝ってしまう雰囲気がある。

これは従業員のせいでは決して無い。だいたいこのご時世で
「第一ホテル」などというブランドはないでしょう。
ブランドを変え新富裕層にターゲットをフォーカス、アバンギャルドな
インテリア、ユニフォーム、先端を行くレストラン。アイデアはどんどん沸いて
来る。何しろそれだけのポテンシャルがあるのだから。

「そんなこと言ったって、ウチは都内主要32ホテルの内、ADR,OCC%
Rev/Roomはどれも10-18位。悪い成績じゃないもんねー」と返されたら
何も言えないが。
私としては「ほらやっぱりオール3じゃねえか」と独りつぶやくのみである。

写真は客室と客室階のまばゆいばかりの廊下。

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by Mikio_Motegi | 2007-05-02 22:41 | 人材・ホテル