ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

<   2007年 11月 ( 9 )   > この月の画像一覧

前原誠司の「やる気」

「政治ネタ」は本来このブログの話題には不適当でるということを承知の上
で、今回は元民主党代表であり京都府選出衆議院議員前原誠司氏に
ついて。

前原氏は私と同じく、京都を中心に600人以上が所属する異業種交流会
「コスモクラブ」の会員である。
先日その創立20周年記念イベントが、ホテルグランビア京都で開催され、
パーティーに先立ち「日本の未来を語る」というタイトルで、前原氏の
講演が行われた。

前原氏の発言で興味深かったのは、自らの党が抱える矛盾を正直に
吐露していた点。誰もが指摘するように民主党は嘗ての社会党や民社党、
自民党出身議員の寄せ集め所帯である。
中には自衛隊の存在自体を認めない左派グループもいれば、前原氏の
ように日本の集団的自衛権を認めるべく憲法改正の必要性を訴える
グループもいる。
前原氏はこの日、左派グループの論拠を真っ向から否定し、ひいては
「共産党や社民党と同じ、自民党の政策にはとりあえず全て反対、という
方々も民主党にはおられる」と言い切った。

c0094556_2381039.jpg


これ以外にも、日本の未来の為の3提言、自民党の政策への対案を提示し
対話を重視する姿勢、日本の国際社会でのありかた等、共鳴できる点が
多かった(本ブログは前原氏や民主党を応援するものではないので、
具体的な内容には敢えて触れない)。

講演の後の着席パーティーの席で、彼のテーブルは私の直ぐ隣だった
こともあり、会員達と談笑する彼の姿を観察することが出来た。

一昨年の「偽メール事件」以来、私の民主党への期待は地に堕ちた。
同時に当時党の代表だった前原氏の、政権政党のリーダーとしての適正
に大いに疑問を感じたのも事実。

しかしこの日の立ち居振る舞い、そして弁舌爽やかな講演と怜悧な
実務家然とした姿に、将来の日本のリーダー像を見たものは私以外にも
多かった筈だ。

我々コスモクラブ会員で最も首相の座に近い男、前原誠司氏のこれからの
活躍に期待したい。

写真は講演会場で。やや不鮮明だが左からコスモクラブ会長の
清水三雄氏、前原氏、自民党の清水こういちろう氏。
[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-30 12:39 | 京都・紀行

ミシェラン日本初上陸

レストランガイドで名高いミシェラン東京版が出版された。
国内のレストラン業界ではこの話題で持ちきりで、「B級グルメ」を自称して
いる私も早速購入に走った。

内容についてはマスコミで喧伝されている通り。だが私としてはハッキリ
言って物足りない印象が残る。
「味覚」という個人の嗜好で評価するレストランガイドにしては、
いささかコメントが平板で常識的。
また眺めの良いレストランを高く評価する傾向があるが、本来眺望と
レストランの実力は別の筈である。もし今年3つ星に輝いたレストランの
目の前に、来年高層ビルが建って眺望が妨げられれば、星は減るの
だろうか?という疑問が残る。

c0094556_14361092.jpg


20数年前、「グルマン」という東京、大阪、神戸のフレンチを取材し格付け
したグルメ本が毎年出版されていたことを記憶している人も多いだろう。
料理評論家の山本益弘と見田盛夫の共著で、彼らはたとえ有名で高価な
グランメゾンでも、味やサービスに手抜きがあったらそれこそ徹底的に
こき下ろす。一方で無名で廉価な街のビストロでも、一つでも光る所が
あればそれを褒め称えていた。
「グルマン」によって引き立てられ名を挙げたレストランは、西麻布の
ビストロ・ド・ラ・シテやひらまつ亭、プティ・ポワン、銀座のぺリニヨン、
大阪・心斎橋のヴァンサンク等、枚挙の暇が無い。

酷評された方の代表が銀座のマキシムや四谷のミクニで、徹底的に
こき下ろされたこれらのシェフが怒りのコメントをどこかのメディアで語って
いたことを思い出す。
また当時映画監督として飛ぶ鳥を落とす勢いの故伊丹十三が、「3代続いて
家付きのお抱え料理人のいる家庭でも育った人間でもなければ、
料理批評などおこがましくてするもんじゃない」と言って「グルマン」を批判し、
それに対する世論の反論等で社会現象になったものだ。

「グルマン」の評価の特徴は、「眺望」「キャンドルの光」「BGM」を批判した
ことにもあった。これらは料理を味わう上で基本的に邪魔な要素であり、
落ち着いたインテリア、的確なライティング、お客達の密やかなさざめき、
そしてキャトラリーの僅かに触れ合う音こそが食を引き立てる舞台装置で
ある、と評していた。この評価基準は私は今でも正しいと思う。

「グルマン」は権威と化し、胡坐をかいてゲストを見下すような高名・高価な
レストランを糾弾し、名も無いビストロを褒め称える事でフレンチをより
親しみやすく、その魅力を喧伝する役割を担っていた。
思えば1億総グルメ時代の先導者のようなメディアだった、と言えるのでは
ないだろうか。

かくいう私も独身時代、毎月給料日に「グルマン」を片手に握り締め、当時
付き合っていた女性と都内の1つ星ビストロを全制覇しようと食べ歩いた。
そして年2回のボーナス時はそれこそ2つ星、時には3つ星のグランメゾン
に挑戦したものである。バブルの時代だったなあ・・・。

c0094556_14364052.jpg


ミシェラン東京版では、私が嘗て勤務した東京・芝パークホテルの
「タテルヨシノ」、姉妹ホテルであるパークホテル東京の「ガストロノミー
フランセーズ タテルヨシノ」及び「花山椒」となんと3店舗がそれぞれ
1つ星に輝いた。
偶然ミシェランの発売日に私の同期生である柳瀬連太郎社長に
タテルヨシノでフレンチをご馳走になったのだが、彼も嬉しそうだった。
聞けばこの3店舗はたちまち年内は予約で一杯になったようだ。

もっともこの現象が芝パークのような少数の固定客に愛され支持されて
来たようなホテルにとって、どこまで喜ばしい事かどうか、私には
わからない。柳瀬社長も多分そう思っているのではないだろうか。

ミシェラン旋風はまだまだ吹き荒れている。今年星を逃した有名店が
来年どう巻き返すかも楽しみだ。
ただ少なくとも、自分が好んで愛用していたビストロに誰かを招待した時、
「なんだあ、ミシェランで星取ってない店?」と言われ見下される事の無い
よう願いたいものだ。

写真下はオアゾ丸善前でのミシェラン東京版発売記念イベント。
[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-27 14:36 | ブレイク
孫引きで恐縮だが、上記はサッカーの名門校、清水東高校の監督を長く
務めた勝沢要氏の言葉だという。
元日本代表監督フィリップ・トルシェも、日本のスポーツマスコミをよく批判
した。ごく一部のチームや選手を産業的にスター扱いし、ビジネス効果を
生み出そうとしている行為を彼は心から疎んじていた。

今年日本で開催された世界陸上や、バレーボールのワールドカップでの
マスコミの狂想曲には相当うんざりさせられる。
具体的な表現はあまりにもバカバカしいので忘れたが、例えばバレー選手
を「世界最小・最強」とか「プリンセス・・・」とか「ガッツ・・・」とかというふうに
ニックネームをつけて紹介している、あれである。
また大会を盛り上げるという名目でその競技とは全く関係のないアイドルの
ガキ共をレポーターに祭り上げたり、大会直前の本当に大事な時期に選手
全員をスタジオに呼んで出演させたり。
最も酷いのは、大会期間中の深夜のスポーツ番組で、監督を電話で呼び
出して生インタビューをするというコーナー。監督は試合の激闘の後で
疲労困憊の筈である。少しでも休みを取り、明日の試合に備えなくては
いけないのに。

こういう姿ばかり視ているこちらも、テレビ露出度の高い選手や監督は
真剣に競技に取り組んでいるのか、疑ってしまう。全くの逆効果である。
アメリカのメジャースポーツの盛り上げとは全く内容が違う、偏向した、
視聴者をバカにしているとしか思えない過剰な演出が本当に目に余る。

一方、今月立て続けに行われたサッカーのタイトルマッチ、浦和レッズや
22才以下日本代表の試合はどうだったろう。
どちらも試合前の選手達の高揚感、神経がピリピリし心臓が音を立てるような
緊張感がテレビを通しても伝わってきて、こちらも息が苦しくなってくる程。
誰も歯を見せて笑うものなどいない、リラックスを装おうとしても顔が
こわばっている、しかし目だけはギラギラと輝いている選手達。
タイムアップと同時にそれらの緊張が溶けて爆発した瞬間のカタルシス
・・・!

演出なんか何もいらない。シンプルに選手達の戦う姿を映してくれるだけで、
我々はそれがどんな競技であろうと共鳴し、感動するものだ。
過剰な演出は競技や選手を矮小化し、却ってその競技の振興を妨げて
いることをマスコミ関係者は瞑して知るべし!

以前、南米のブラジルやアルゼンチンの国内リーグの試合では凄い
演出があった。
テレビレポーターがグラウンドの傍に居て、得点を挙げ歓喜を爆発している
選手に駆け寄り携帯電話を差し出す。
なんとその電話は、得点を挙げた選手の恋人や奥さんと繋がっていて、
携帯を握った選手はその場で恋人にプロポーズしたり奥さんに愛情を
表現したりし、それが全国放送に流れるのである。
ここまで演出をすれば「あっぱれ」であるのだが。

写真は11月21日(水)に行われた、北京オリンピック代表選出決定戦、
国立競技場での日本対サウジアラビアのスタンド風景。

c0094556_16365535.jpg

c0094556_16372837.jpg

c0094556_1638346.jpg

[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-23 16:38 | サッカー、スポーツ
京都国立博物館で開催されていた安土桃山時代の絵師、狩野永徳
(かのう えいとく)展が、昨日幕を閉じた。
他都市の巡回が無い京都限定30日間のみの開催で、毎日大勢の
鑑賞客で大賑わいだった。
私も実は2回トライして2回とも「入館規制80分待ち」、「90分待ち」
の壁にぶち当たり(両日とも平日)、諦めて引き返していたのだが、
最終日2日前の週末、急に寒くなった夕方に行き、ようやく入ることが
出来た。

旧御物(天皇家伝来の所蔵品。国家財産)3点、国宝5点、NYのMET
美術館等海外所蔵作品を含む約70点の作品が集められた、空前の
スケールの展示会だ。
元々永徳の作品はお城やお寺の襖(ふすま)や天井に描かれた物が多く、
それらの建造物が燃えてしまったりすると作品も灰燼に帰してしまい、
作品数は多くない。
ただ最近は研究が進み、嘗ては永徳の自筆でないとされていた作品も
実は真筆だった、という新たな解釈がされたこともあり、今回の特別展
を飾るに相応しい作品数になったそうだ。

c0094556_22402373.jpg


永徳といえば彼の没後も連綿と続く「狩野派」の親分で、時の権力者に
巧みに取り入って、いわば幕府の「お抱え絵師」ともいえる地位を築いて
栄華を極めてきた。
同時代の絵師長谷川等伯(はせがわ とうはく)との確執等、人間的に
嫌らしい人物だという印象を私は持っている。

また時の権力者からの作画オファーを兄弟、息子、高弟達と共同で
タテ3メートルヨコ5メートル近い作品群を次々と創りだしていくパワーに、
私は「絵師」というより「アートプロジェクト・マネージャ」と呼んだほうが
相応しい永徳の姿を想像してしまう。
華麗で絢爛豪華(けんらんごうか)な桃山時代を体現する作群といえるが。

作品のパワーと共に、あまりの人の多さに私は圧倒されてしまったようだ。
ゆっくり鑑賞することができたらもしかしたら印象は変わったのかも
しれないが、これは詮無い夢だろう。

写真上は「唐獅子図屏風」 宮内庁三の丸尚蔵館 (旧御物)
日本史や美術の教科書にも載っている、桃山時代を代表する作品。
下は「織田信長」大徳寺所蔵。
c0094556_22474055.jpg

[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-18 17:24 | 京都・紀行

頑張れオシム!

14日の浦和レッズACL優勝の感激もさめやらない昨日、日本代表監督
イビチャ・オシムが脳梗塞で倒れ緊急入院した、というニュースが流れた。

これは一大事である。

実はここ数年、極めて親しい私の周囲の人が数名、同じ症状で倒れている。
幸い皆一命は取り留め、中には社会復帰した人もいるし、今も懸命に
リハビリに励んでいる人もいる。
そういう彼らの様子を知っているから、私はこの病気の恐ろしさを充分認識
しているつもりだ。

c0094556_13441297.jpg


今年6月のブログで、下記のように記したことが図らずも当たってしまった。

「ところで私の今の最大の心配は、もしオシムがいなくなったら誰が後任の
監督を継ぐかという点だ。オシムは高齢だし、もしチーム再建途上の
アジア大会で惨敗したら責任論も吹き出るし。
今のオシムの戦術、日本人の性格・体格に合ったサッカーをという
コンセプトに多くの期待が寄せられている。
だから、オシムがもし失敗したら、いなくなったら、という心配が絶えない」

病気と闘っているオシムや周囲の方々には、心から「頑張って」とエールを
送りたい。
そして日本サッカー協会は、これからの日本代表の舵取りを充分に留意した
方策を考えて欲しい。

写真は http://www.nikkansports.com/soccer/japan/f-sc-070822-8802-ns.jpg より。 
[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-17 13:42 | サッカー、スポーツ

やったぜレッズ

サッカーのアジア・クラブ王者を決めるアジア・チャンピオンズリーグ
(ACL)の決勝第2戦が、14日、埼玉スタジアムで行わた。
相手はイランのセパハン。セパハンの本拠地、イスファファンで行われた
先日のアウェイ試合では1-1の引き分けだったが、今回は浦和レッズが
2-0で勝利。通算成績4-1で日本勢としては初の優勝を飾った
(アウェイ試合での得点は2倍に換算される為)。

c0094556_11311341.jpg


サッカーの試合において2-0で勝っている状況というのは、実は安全圏内
ではない。もし相手に1点を取り返され2-1になると、相手は(あと1点で
同点だ!)と嵩(かさ)になって襲い掛かってくる。そうなると心理的に
守る側のプレッシャーは相当大きくなる。
過去の大きな試合で、2-0で試合を優位に進めていたチームが後半で
逆転されたり、同点に追いつかれどう転ぶか分からないPK戦で負けて
しまった例は枚挙のいとまが無い。

この日のセパハンの反撃は見事だった。ベンチは前半途中から選手を
交代し「攻める」姿勢をアピール。選手もそれに応えて攻め続けた。
残念ながら何本かのシュートミスで救われたが、レッズは逆転されても
おかしくないゲーム展開だった。
非常に緊迫していたが汚いファウルなど皆無で、気持ちの良い試合
だったことも確か。
特にレッズの勝利がほぼ確定した後半終了間際、レッズの
ベテランで「野人」岡野雅行が登場した時。
岡野と交代を指名されたエースのワシントンが合図に気付かないで
いると、ワシントンと90分間バトルを繰り広げた相手センターバックに
「オマエが交代だよ」とばかり笑顔で背中をどやしつけられた場面など、
ほほえましく大いに盛り上がった。

私は京都市内の行きつけのパブでテレビ観戦した。試合前、実は
京都ではこんな試合は関心が薄く、パブでテレビ放映をしないのでは
と心配だった。が、試合開始時間前に満席に。店内はレッズの応援
で大盛況だった。

しかし私を含め、日本のサッカーファンって世界標準じゃないと思う。
欧州のサッカー先進国だったら、サッカーの応援は基本的に地元
チームが主体。代表チームの応援だってプライオリティの2番目だ。
だから欧州では自分の地元でもない他所のチームを応戦するなんて
考えれられない行為の筈だ。
特に京都は昨年のJリーグで浦和に5-1と惨敗を記して(2006年9月の
ブログを参照ください)、この試合がきっかけて浦和はJ1制覇、
逆に京都はJ2降格への道を辿ることになったのだから。

今回の全国的な盛り上がりにレッズの鈴木啓太選手も驚きのコメントを
述べていたが、ホント、おかしな愛すべきサッカーファンである。
日本人は。

さて23才以下の代表チームは北京オリンピック出場をかけたベトナム戦、
サウジ戦を間近に控えている。これらの試合でも日本のファン達は
レッズを応援したような全国的な盛り上がりを見せてくれるのだろうか。

c0094556_11354831.jpg


写真上はゴールを決めて喜びを爆発させるレッズのフォワード永井
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071115-00000059-nks-socc

下はレッズのサポーター 浦和レッドダイヤモンズ公式ホームページより
[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-16 10:59 | サッカー、スポーツ
先日名古屋に住む高校時代からの親友の家を訪れた際、あのシルク・ドゥ・
ソレイユ(以下シルク)が彼の家の近く「ささじまライブ」でショーをしていると
いう事を知った。
私も実は今年の夏の大阪公演「アレグリア」を観て、大いに堪能させて
もらったものだ。

シルクとはフランス語で「サーカス」という意味。ちなみにソレイユは「太陽」だ。
彼らの大成功は、ブルー・オーシャン戦略と呼ばれるビジネス手法での
成功事例としてあまりにも有名だ。

「シルクは一般のサーカスと違い、ライバルの動静にはまったく関心を
払わなかった。
従来は、課題によりよいソリューションを見出して、つまりより楽しい、
より心躍るサーカスを提供して、ライバルの上を行こうという考え方が主流
だったが、シルクはサーカスの楽しさと興奮はもとより、パフォーマンス
としての知的洗練度、豊かな芸術性をも追求して、課題そのものをまったく
新しく設定した。
また『動物虐待』のそしりを受けかねないリスクがある割りには、運営コストの
かかる動物のショーを切り捨てた。
こうしてパフォーマンスやサーカスの垣根を打ち破り、サーカス愛好家だけで
なく、サーカスには関心のなかった層にマーケットを広げたのである。」

・・・これは「ブルー・オーシャン戦略」(W.チャン・キム、レネ・モボルニュ
共著。ランダムハウス講談社。1950円)よりの抜粋。

c0094556_229840.jpg


要するにライバル達との血みどろの(レッド・オーシャン)の競争を良しと
せず、独自の戦略・手法でマーケットを嗅ぎ付け拡大させることで収益に
つなげる、ということだ。
ホテルでは、例えば対面セールスからWebマーケティングにシフトするとか、
レストランや婚礼のコンセプトを大きく変えるとかに、この戦略を取り入れる
ことができるだろう。

シルクにはエリック・クラプトンが「サーカス・レフト・タウン」で歌ったような、
サーカス特有のもの悲しさが全く見られない。
鎖に繋がれた動物も、いつ学校に通っているのだろうかと心配してしまう
子供のダンサーも、素顔を絶対見たくない年老いたピエロもいない。
オリンピック・レベルのアスリート達によるパフォーマンスと、高い芸術性を
武器にしたビジネス戦略・モデルが、シルクの成功の理由なのだ。

・・・将来は体操選手を目指している我が家の小学2年生の次女も、
シルクのショーを観た後は「私は大きくなったらシルクに入る」と言い出した。
彼女もシルクの華麗なショーの虜になった一人のようだ。
確かに「私は大きくなったら木下サーカスの団員になる」と言われるより、
親としては安心ではあるが。

下はシルクの大阪公演会場の外観。

c0094556_2294197.jpg

[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-10 22:09 | ブレイク

ホテリエの国際競争力

昨日(11月4日)の日曜日、夜10時からNHK BSで「どう進める金融
市場改革」というディベート番組をやっていた。
出演は元ボストン・コンサルティング・グループの堀紘一、元ゴールドマン・
サックス証券の藤巻健史、慶応大学教授の金子勝、そして私が所属する
在日米国商工会議所会頭(ACCJ)のチャールズ・レイク2世だ。(敬称略)

2時間近い番組で白熱したディベートが続いたが、金融市場改革について
消極的・はじめに規制強化ありき派の堀、金子に対し、藤巻、チャールズ
は積極解放・規制緩和派と色分けできたようだ。

しかしチャールズの日本語は何度聞いても大したものだ。
斯界の大物である3氏と全く遜色なく日本語を操る。
彼は去る10月20日のACCJ主催のウォーカソン・チャリティの前夜、
大阪市の関淳一市長主催のパーティでスピーチをしたが、これがまた
完璧な日本語。「てにをは」の使い方まで全くミスがない。
私の隣にいた大阪市の課長連中がチャールズのスピーチに「もの凄い
上手な日本語やな・・・」とため息をついていたのもよくわかる。

c0094556_22294438.jpg


彼は保険会社Aflac(あのアヒルのコマーシャルで有名な)の日本法人
副会長。まだ43才の若さである。聞けばお母様が日本人で、幼少の頃
から中学を卒業するまで日本で育ったという。
しかしそれだけであんな完璧な日本語が使えるわけがない。
あの金融の専門用語を駆使しディベートする日本語は、その後の研鑽で
磨き上げたものだと思う。

チャールズは決して例外ではない。下の写真、ACCJ関西支部の主要
メンバーは全員達者な日本語使いである。

翻って我がホテル業界はどうだろう。日本に外資系ホテルは数多くあるが、
そこの外国人GMの何人がここまで流暢な日本語を駆使するだろう?
私の知る限り誰もいない。日本語を話すGMでさえ片手で数えられる
ほどではないだろうか。
もっと言えば、日本に進出している外資系ホテルに日本人GMは何人
いるのだろう?ヒルトンが永田町にできて40年以上経ているのに。

・・・長くなるのでその分析はまた後で。

写真は上がチャールズ(ACCJホームページより)、
下が大阪市長公邸での1コマ(日本メドラッド 原田敬子さん撮影)。

c0094556_2230149.jpg

[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-05 22:30 | 人材・ホテル

NOVAの功罪

会社更生法適応を申請した後も不祥事の発覚が後を絶たない英会話学校
NOVAのニュースに接するたび、私は今まで苦労して付き合ってきた英語に
ついて思いを馳せてしまう。

私の経験上、英語を学ぶ上で効果的な方法の一つは、できるだけ魅力的な
教師について学ぶ、ということ。
英語を学ぶということは、すなわち異文化とのコミュニケーションを計る
ことなので、どうせなら魅力的な異文化経験でないとモチベーションが
上がらないのが人情だ。
・・・何を持って「魅力的」と捉えるかは、人によってそれぞれ違うと思うので
詳しく言及はしないが。

実は私もNOVAの横浜校の門を叩いたことがある。
1994年頃だったか、当時海外転職を目指していた私は、英語の会話力は
充分あったものの弱点だと認識していた英文コレスポンデンスを学習したいと、
当時横浜にあった数少ない英会話学校であるNOVAにオリエンテーションを
受けに行ってしまった。
これがとんでもないお門違いで、コレスポンデンスの講座など存在しない
ばかりか、英会話のレベルさえ私以下の日本人講師が強引で執拗な入校の
勧誘を続ける。
いくら私が「会話は充分だから、コレポンの勉強ができる学校を探している」
と言っても全く聞く耳持たず。帰宅してからも数週間は勤務先宛に勧誘の
電話が続いた。結局断わったがしつこさに辟易したものだ。

ところがそのNOVAが安価な手数料と強力な?営業力もあり躍進を続け、
2006年度は全国で1000店舗近く教室を増やしたという。

c0094556_1202535.jpg


財団法人国際情報化協力センター www.cicc.or.jp によると、2003年度
アジア15カ国のTOEFLポイント調査で、日本人のポイントは190点で最下位
だった。
ちなみにトップはシンガポールで252点、6位インドネシアが214点、
同点8位は韓国と中国で213点、14位モンゴルは192点である。
日本人の英語力の低迷はこんな数字に如実に表れており、国際化の時代に
全く逆行しているとしか思えない。

英語教育については小学校のどの時点から義務教育化すべきか未だに
議論が続いていて、学校の現場は右往左往している。
少なくとも中学・高校と6年間勉強してもTOEFLのポイントアップに
結びついていないことは事実だ。

そんな文教行政の無策の一方で、生きた英語教育を実践する為、NOVAの
各教室には数人のネイティブが教師として配置されている。
彼らと接することが生徒の異文化コミュニケーション力アップに寄与したのは
事実だ。
問題を多く抱えた経営陣の乱脈ぶりは断罪すべきだが、NOVAの「功」の
部分は正当に評価すべきだ、というのが私の意見である。

下の写真はシャッターの閉ざされたNOVA京都駅校に掲示された、
有志生徒10数名からNOVAのスタッフ達へ向けた署名入りメッセージ。

c0094556_1255649.jpg


以下、要約する。
「京都駅校でお世話になった有志(より)
長い間本当にありがとうございました。あなた方の一生懸命な姿を私たちは
忘れません。・・・おかげで毎日楽しくレッスンを受けることができました。
・・・ここ京都駅校の生徒でよかった。近い将来に、皆がここで再会できたら
いいね」 (余白に10数名の署名)

彼らとNOVAのスタッフの間でどのようなコミュニケーションが成立していたか
は知る由も無いが、スタッフに何らかの魅力があったであろうことは、これら
生徒10数名の自筆サインが物語っていると思う。
[PR]
by Mikio_Motegi | 2007-11-02 21:26 | ブレイク