ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

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フランスのサルコジ大統領夫人で、元歌手&スーパーモデルのカーラ・
ブルーニさんの評判がいいらしい。

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サルコジ大統領本人はマスメディアから "President-Bling Bling"
とか "Sarko" とか呼ばれている。「ブリン ブリン」とは「金ぴかの」
或いは「見栄っ張り」という意味。「サルコ」は文字通りの愛称だが、
「サルコがまたやらかしたぜ」といった時に使われているとの事。
(http://ryumurakami.jmm.co.jp/)

前夫人との離婚後数週間で再婚したり、沿道で群集と握手しながら
その一人と言い合いになり、「失せろ、ばか野郎」と怒鳴った所を
マスコミに載せられたり、賑やかな人物である。
カーラ夫人はそんなやんちゃな大統領をフォローし、先の英国公式
訪問の際もその清楚な振る舞いが英国メディアから「ダイアナの再来」
と絶賛された。

そんなサルコジ大統領夫妻が6月の洞爺湖サミットにやってくる。
日本でも「カーラ旋風」が巻き起こるのは必定だろう。

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ところで先日東京・お台場の「ホテル グランパシフィック メリディアン」
に宿泊した。
ル・メリディアンといえばエールフランスが立ち上げたフランス系のホテル
チェーン。フランス風のおしゃれで小粋なエスプリをちりばめたホテル
として名が通っている。
が、同ホテルは今年の6月からリブランドしてメリディアンの冠を
外すことになった。
元々メリディアンとはフランチャイズ契約で、実際の運営は京浜急行の
子会社「(株)ホテル京急」が行っていた。

ご存じの方も多いと思うが、このフランチャイズ料金は相手がスターウッド
やマリオット等の外資系ビッグネームの場合、大変な高額になる。
ホテルによってスキームは若干異なるが、総売上の数%、GOP(営業
粗利益)の数%に加え、GDS使用料、GDSより予約が入った一部屋ごと
に加算される数%のアロケーション・フィー等がかかる。
加えてロゴマークの統一、アメニティの統一購入、共同プロモーション
の定額拠出金等、まさに「金食い虫」なのである。

メリディアンは現在はスターウッド傘下となり、世界的なネットワークから
の送客数は相当多い。お台場のメリディアン規模になれば、年間の
送客数は10,000室前後になるだろう。
実際欧米人滞在客の多さが、あのホテルの雰囲気に良い影響を
与えている。
先日宿泊した際に、都内でも最高レベルの眺望と施設・ホスピタリティを
持つフィットネスセンターや朝食のビュッフェレストランを利用したが、
どこもおしゃれなフランス人利用客で賑わい、独特の楽しく華やかな
雰囲気を醸し出していた。

メリディアンブランドで開業して10年、契約レビューの時期を迎え
ホテル京急がなぜメリディアン=スターウッド傘下から外れるのか、
様々な理由はあるだろう。が、いずれにせよ相当の決断だった筈。
リブランド後は「ホテルグランパシフィック LE DAIBA」として再出発
するそうだが、健闘を期待したい。

ちなみにサルコジ大統領は先のEU委員会の晩餐会で、議長国である
スロヴェニアがお国自慢の選りすぐったメニューを用意したのにも
関らず、自分だけ「オムレツが食べたい」と言い出して関係者を困惑
させたようだ。
私は彼の言動を咎めるつもりは全く無い。
むしろ彼のような破天荒・個性派大統領がフランスという大国で今後
7年間の任期中にどんな風に人物が変わっていくか、興味がある。

ホテルとしてはLE DAIBA もメリディアンとの縁が切れたことで
大統領が宿泊する心配がなくなったのは僥倖だろう。
もっともカーラ夫人だけは間近で見たかった、というのがスタッフの
本音だったようだが。

写真はカーラ夫人。彼女の15年前のヌード写真集がクリスティーズの
オークションに近々かけられるそうで、こちらも話題沸騰中。
Google で Carla Bruni, nude を検索すると、おびただしい数の
サイトがヒットする。
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by Mikio_Motegi | 2008-03-30 11:34 | 人材・ホテル

将軍不在の日本

2010年南アフリカワールドカップのアジア予選、対バーレーン戦で日本が
完敗を喫した。
あの失点は完全にGK川口のミス。後半になって相手の運動量が極端に
減り、日本が怒涛の攻めを見せなければいけない場面で、痛恨のファンブル。
もっともこの日の川口の出来は悪く、他の場面でもミスが多かった。

しかしこの敗戦の原因、 日本代表に精神的な支柱となる選手がいないから、
と言ってもいいと思う。
以前の日本代表における中田英寿や三浦知義(カズ)のような存在。
絶対的なエースとして君臨し、チームを叱咤激励、彼にボールを預けたら
とにかく何とかしてくれる将軍のような存在。
思えば彼らがいた頃の日本は(アジアでは)強かった。

今の日本のエース候補は高原だろうが、彼も29才、年を取りすぎだ。
中村俊輔は性格的にもフィジカルにも弱い。
遠藤、中村憲吾、鈴木のトライアングルはいかにも「職人肌」で、とうてい
将軍の器ではない。
闘莉王、或いは若手の柏木あたりが候補か。

もしかしたら前監督のオシムの存在が、このチームで将軍候補が
育たなかった遠因かもしれない。オシムの存在があまりにも大きく、全て
彼に頼りがちで選手の自立を妨げた面が無かったか。

将軍の存在が無い日本代表はチームとしても頼りないし、ファンとしても
楽しみが少ない。

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昨日のバーレーン戦に話を戻すが、後半に入って数人の相手選手が
足に痙攣を起こしピッチに倒れこむ、という日本にとって絶好のチャンス。
手負いの相手に容赦なく襲い掛かるのが勝利の要諦なのに、逆に
失点をくらった。点を取られただけでなく、相手チームやサポーターをも
息を吹きかえらせる最悪の結果。
こういう場面で将軍的な存在がいないチームの弱さが出る。

とにかく見るべきもの、収穫は何も無かった今回の敗戦。
これをバネに敗因を徹底的に分析し、次はベテランに頼らない若手主体
のチームで臨んで欲しい。
だいたい岡田監督はオシムに気を使いすぎ。
オシムの息のかかっていない若手を発掘し抜擢すべきだ。オシムもきっと
それを望んでいるだろう。

写真はサンケイスポーツより。
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by Mikio_Motegi | 2008-03-27 21:09 | サッカー、スポーツ

長距離走者の・・・

渡月橋や天竜寺、嵯峨野の景勝地で名高い京都・嵐山地区。
そこを流れる桂川(かつらがわ)沿いを走るハーフマラソン「第30回京都
ロードレース」に参加した。
正月に「フルマラソンに初挑戦、完走する」を今年の目標にした私にとって、
当面のクリアすべき課題がこのハーフマラソンだった。

結果は完走。目標タイムも予想を20分以上大きく上回る2時間7分。
参加570名中279位。
だが天邪鬼のようだが、私は結果に対して喜ぶより「マラソンって不思議な
スポーツだな」と感じた事の方が印象的だった。

その理由の一つ目は、練習より本番の方が良い結果が出たこと。
私は今年に入って練習でハーフの距離を3回走ったが、いずれも2時間
30分を切れたことが無かった。それなのにこの結果。
私が今まで経験してきたサッカーやバスケットボール、テニス等では
シュートやサーブが練習で80%以上の確率で入らなければ、本番の試合
で60%の確立をキープできないのが常識である。

二つ目は、レース途中でも後どれくらい走ればゴールか認識でき、
かつ自分の大体のタイムの予想が容易につくこと。
だからゴールをした際も、サッカーやバスケットボールで体験するような
爆発的な歓喜を感じることがなかった。

実は今回のタイトルである「長距離走者の・・・」とは、イギリスの作家
アラン・シリトーの「長距離走者の孤独」を真似たものである。
私は今回走りながら、「そういえば『長距離走者の孤独』という小説が
あったな。作者は・・・そう、アラン・シリトー。でも自分はまだ読んだことが
ない。有名な作品なのに何で読んでなかったのかな・・・」
などという詮無い考え事をしていた。それほど余裕があったのもまた驚き。

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非常に小市民的な喜びも発見した。
途中の給水所でボランティアから受け取る紙コップに入った水やスポーツ
飲料を飲み、空になったり飲み残したまま紙コップごと路上にほうって
捨てる時が微妙に嬉しい。快感なのである。
こんな事は日常生活ではほぼ不可能な行為だから。
・・・ああ俺って小市民・・・。

とにかくマラソンのこの不思議な感覚、たいへん面白く私のマラソン熱は
当分冷めそうも無い。
次回は4月13日(日)の「ユニセフカップ2008 神戸・芦屋国際ハーフ
マラソン」である。早速登録させて頂いた。

芦屋のボランティアの皆さん、給水所で何杯も水を受け取っては捨てて
いる怪しい中年のランナーがいても、とがめたりしないでね。

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写真はどちらも会場にて。

ひとつ憤慨したことが。
大会では参加者全員にゼッケンを配るのだが、このゼッケンをシャツに
留めるためには安全ピンを使用せざるを得ない。
私の場合、新品のレアル・マドリーのホームゲーム用レプリカシャツを
着ていたのにも関らず、これに泣く泣く安全ピンを通したのである。
これには怒りを禁じ得なかった・・・ああ俺ってやっぱり小市民・・・。
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by Mikio_Motegi | 2008-03-20 21:19 | サッカー、スポーツ

梁瀬次郎氏の大音声

大学を卒業して入社した(株)芝パークホテルで、私はホテル・
オペレーションのイロハを学んだということは何度か書いた。
本日逝去した(株)ヤナセの梁瀬次郎名誉会長には、芝パークホテル
勤務時代に遭遇した強烈な思い出がある。

まだ入社して間もないベルボーイだった頃のこと。
私があるチェック・イン客の案内をしてエレベーターに乗り込むと、
後から先輩のベル・ボーイに恭しく先導されて年配の紳士が同乗してきた。
当時では珍しい丸メガネにちょび髭、仕立ての良さそうなスーツを着こなして
いる。その紳士はホテルで催されているさる宴席に出席するVIP客だ。
エレベーターにはそのVIP客、一組のカップル、チェックイン客、
先輩ベルボーイと私の計6人が乗っていた。

2階でカップル客が降りた。そのVIPの出席する宴席会場は3階である。
先輩ベルボーイは開け放たれたエレベーターのドアを閉めるため、当然の
ごとく「閉」ボタンを押す。
もちろんそのVIP客が早く会場に到着できるように気を使ってのアクションだ。

「ボタンを押すな!」エレベーター内にそのVIP客の突然の大音声が響く。
私も、私が案内していたチェック・イン客もびっくり。先輩ベルボーイは勿論
仰天、顔面蒼白、でも何で怒られたのか分からない。
大音声をあげたVIP客は、私のゲストに目礼し先輩ベルボーイを引き連れ
エレベーターを降りた。

その日のシフト勤務が終わった後、私と先輩ベルボーイを含むシフト担当
全員が宿泊支配人室に呼ばれた。先のエレベーター内でのVIP客との顛末を
聞かされることは分かっていた。

私はようやくそのVIP客が(株)ヤナセの梁瀬次郎会長であることを知った。
支配人が私たちに噛んで含めるように言う。
「いいか、梁瀬様はエレベーターの『閉』ボタンを押されることが大嫌いなんだ。
他のゲストの時はTPOをわきまえてボタンを押してもいい。でも、梁瀬様の前
では絶対に『閉』ボタンを押すな」

あの後、梁瀬氏は先輩ベルボーイにこんこんと説教したらしい。
曰く、エレベーターのドアなんぞ放っておけば2秒で勝手に閉まる。
いやしくも一流ホテルに勤務するなら、たった2秒が待てないような人間に
なるな。そして2秒が待てないような人間も相手にするな。自分の仕事に誇り
を持て、と。

先輩ベルボーイはミーティングの席で梁瀬氏に言われたことを我々に聞かせ
ながら、涙を流していた。
感激していたのだ。自分のような一介のベルボーイに一流ホテルマンの
何たるかを教えてくれた梁瀬氏に。そしてそういうゲストに鍛えてもらえる
環境にいる自分の幸運に。

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・・・今後もし私とエレベーターに乗る機会がある人は、気をつけて見ていると
いい。
今でも私はエレベーターの『開』ボタンは押すことがあっても、決して『閉』ボタン
は押さない。
何となれば私は2秒が待てないような人間にはなりたくないし、そして何よりも
2度とあの梁瀬氏の大音声を耳元で聞きたくないからである。
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by Mikio_Motegi | 2008-03-14 20:03 | 人材・ホテル
先日、所用で奈良に行ってきた。京都駅から近鉄特急電車で僅か30分、
京都市内から車で1時間の至近距離にありながら、こちらに移り住んで
はじめての奈良、前回訪れたのが高校の修学旅行の時だったから、何と
30年ぶりの奈良である。

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2010年、奈良県は「平城京遷都1300年」を記念しての大イベントを計画して
いる。 
それによるとイベントは1年間を通じ延べ1200-1300万人の来場者を予定
している。事業規模は100億円。壮大なイベントだ。*①

でもなんだか昨年の滋賀県彦根市の「国宝・彦根城築城400年記念
イベント」の2番煎じのような気配。
頭に鹿の角が生えた坊さんのキャラクターを作ったりして、彦根城の
「ひこにゃん」を意識しているところが見え見え。
この「坊さんの子供(童子)に鹿の角を生やした」キャラクター、賛否が喧しい
のは周知の事実。

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私もなんだか気持ち悪く感じるが、それを論ずるのは今回の主題ではない。
ここで私が言いたいのは、せっかくのイベントなのにそれを迎えるだけの
奈良の観光・宿泊施設の質と量が不足している点である。

例えばホテル・旅館の数。
国交省が制定する「政府登録国際観光ホテル・旅館」で奈良県にある旅館
は24軒、ホテルは6軒。
他県と比較すると、京都は旅館が70軒・ホテルが28軒、大阪は旅館が8軒
・ホテルが37軒、滋賀県でも旅館14軒・ホテルが18軒ある。
日本全国で3000軒が登録されているというから、奈良のそれは1%に
過ぎない数字だ。*②
実は奈良県は、「観光客が泊まらず素通りする県」として有名なのだそうだ。
様々な要因はあろうが、宿泊施設の量自体が少ないのは大きな理由の一つ
であることに間違いは無い。

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質についてホテル予約検索サイト「一休」と「楽天トラベル」で調べても
「高級」といえるカテゴリーに属するのは「竹林院群芳園」、「月日亭」
の両旅館と奈良ホテルくらい。
ホテル日航奈良はとても5スターとはいえないレベル。
つまり質・量共に足りないのが現状なのだ。

もう一つの質の問題はホスピタリティだ。
日本で最大の世界遺産登録数を誇る当地ではあるが、「食」について文化が
定着していない。
例えば「奈良に行けば必ず食べたくなる」名物料理、「奈良のあそこの料理が
食べたい」という有名料亭・レストランが見当たらない。
私でも思いつくのは「柿の葉すし」と「三輪そうめん」、「吉野の葛」くらい。
1000万人規模のイベントを開催するに相応しい施設・ホスピタリティとは
到底思えない。

ホテルについては、奈良駅前の一等地に「コートヤード・バイ・マリオット」が
2010年4月に完成するのだそうだ。オーナーは(株)ゼファー。客室数297、
31㎡のツインルームが中心の宿泊特化型ホテルである。
奈良県のホームページにいくつかのコンペ案の中でマリオットに決まった
理由が10項目ほど列挙されているが、面白かったのはその6番目。

それによると:
「(このホテルは)宿泊特化型であり、市内の既存レストランや宿泊施設と
競合する可能性が少ない」・・・のだそうだ。
ここは嘘でもいいから「奈良で初の外資ホテル参入で、既存店舗と競争し
奈良観光業の活性化を計る」とか記して欲しかった。
とにかくこの理由、あまりに正直といえば正直、あまりの排他性・進取の気性
の無さに呆れるばかりだ。 *③

このホテルの運営がマネジメント方式かフランチャイズか、はたまたリースか
は不明だが、「競合しないから選んだ」とまでされて、マリオットさん、
ここは奮起しないと男じゃないよ、と言いたくなる。

宿泊施設の数はこれから建設しても間に合わない。だが「食」のラインアップ、
ホスピタリティはまだ間に合う。
もちろん「官」主導のホスピタリティなんてありえないので、ここはひとつ奈良
の地場のホテル・レストラン、料亭の頑張りに期待したい。

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しかし東大寺の大仏は溜息が出るほど美しいし、大仏殿の壮麗、
南大門の運慶の金剛力士像の気迫、二月堂の佇まい等、奈良は芸術作品
の宝庫だ。
今回は寄れなかったが法隆寺、薬師寺、興福寺もある。「女人高野」の室生寺
や柳生街道も見逃せない。
今回の一大イベントでこうした世界に通用する奈良の魅力が改めて発信される
ことを望む。

*① http://www.1300.jp/
*② http://hotel.nihon-kanko.or
*③ http://www.city.nara.nara.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1183443684047&SiteID=0000000000000&FP=toppage

写真は上から東大寺金堂、話題のマスコットキャラクター、二月堂の
「お水取り」で燃やされる松明(たいまつ)、そして東大寺境内の喧騒。
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by Mikio_Motegi | 2008-03-10 22:48 | 京都・紀行
「冒険投資家」ジム・ロジャーズをご存知だろうか?
1942年生まれ、現在65才。
27才の時にジョージ・ソロスと組んで「クォンタム・ファンド」を設立、10年間で
4000%を超える驚異的なリターンを実現。37才の時に第一線のファンド・
マネージャを引退。
1991年にBMW改造バイクで、2002年に改造メルセデスでギネスブック
にも載る様な世界一周旅行を計2度も成し遂げた男だ。

投資家としての実績もさることながら、彼は世界中の国々をタイヤで走破し
マーケット調査する。そして「これは」と思った国の株や国債、商品先物市場
に投資する。つまり自分の目で見て納得したものにしか投資しないという、
当たり前のようでいて現実に実践するには非常に難しい手法で成功を
おさめているのだ。

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彼は「中国」は理想の投資先であり、逆に「インド」には懐疑的だ。
様々な理由を挙げているが、私が面白いと思ったのは中国に於ける「華僑」と、
インドの「印僑」に端的な違いがあるとした点だ。

つまり中国には華僑という巨大な海外ネットワークが世界中で機能しており、
且つ彼らは中国回帰意識が強い。華僑の会得した知識、ネットワークなどを
中国は貪欲に取り入れ、更なる成長エンジンとしている。

一方インドの印僑は一般的に帰属意識が低い。本国には様々な階層・宗教・
部族対立があり、せっかくの印僑が得た知識・ネットワークを本国で生か
せる余地が少ない。
インフラ整備の遅さ、絶望的な官僚主義も彼は容赦なく指摘している。
実際に中国とインドも4回も走破しているジム・ロジャーズの言葉だけに
納得させられた。

ジム・ロジャーズは57才の時に得た愛娘に中国語を学ばせていて、近年は
家族とシンガポールに居を構えているという。

日本にも度々訪れているが、日本の将来についてもかなり懐疑的だ。
彼は世界史にも造詣が深く、日本のような国は近い将来滅びていく典型的な
パターンを歩んでいる、とまで言い切る。

「成熟した社会が活気を維持できるのはマイノリティ(女性、老人、子供
及び移民)のおかげである」という彼の信念にもっとも遠い社会制度を維持
しようとしている日本に、彼が投資を再開するのはいつのことだろう。

参考文献「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界バイク紀行」
      「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見」 以上日経ビジネス文庫
      「娘に贈る12の言葉」 日本経済新聞出版

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by Mikio_Motegi | 2008-03-08 18:23 | ブレイク