ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

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裸のプレゼンテーション

「プレゼンテーションの神様」ガー・レイノルズ"Garr Reynolds"は
1961年生まれのアメリカ人。
住友電工や米・アップル社を経て、現在は関西外国語大学の准教授を
勤めている。

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彼の開発した独特のプレゼンテーション・メソッドは、Google,
P&G、スタンフォード大学などで取り入れられ、スティーブ・ジョブズ
やアル・ゴア(元米副大統領)にも多大な影響を与えている。
著書の「シンプル・プレゼンテーション」は17万部を売り上げ、米アマゾン
のビジネス書部門でベスト3に入る評価を受けているという、この世界では
知らない人の無い大物だ。

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6月15日(水)、ACCJ(在日米国商工会議所)の主催する彼のプレゼン・
セミナーに参加する為、神戸のイーライ・リリー本社に行って来た。

彼のプレゼンは、従来型のパワー・ポイントを使ったデータやグラフの羅列で
終始、参加者はあらかじめ配られたレジュメを読みながら進行するという
それとは大きく異なる。
彼の特徴は美しく刺激的な映像、シンプルなキーワード、参加者の意表を突く
謎かけ等を駆使する。

彼は、よくありがちなパワーポイント画像を棒読みする事などありえない。
シンプルで特徴的な画像を背景に演題から常に離れて立ち、活発で楽しく、
大きな身振りでユーモアを混ぜて、というもの。

150名ほど入る会場は超満員。私も2時間のセミナーで一瞬たりとも睡魔に
襲われること無く、あっという間に時間が流れて行った。

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もちろん、彼のように何百人の聴衆を前に2時間も独演会を行うには
相当の経験が必要だ。また何といっても人を魅了する「カリスマ性」も。
だから彼のスタイルは誰にでも真似ができるものではない。

また、データやグラフを羅列し、レジュメをするプレゼンにもそれなりの
意味がある。
まずレジュメを持ち帰れるので、後で検討・研究する事ができる。
もうひとつ重要なのは、カリスマ性とまでは言わないが、データなしに
プレゼンをする為の表現力、語学力が備わっている人は多くなく、それを
補完する為にもレジュメは必要な場合もあるだろう。

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セミナーで面白かったのは、日本人の奥さんを持ち日本通の彼が、
こよなく愛する「駅弁」と「良いプレゼン」の共通項を、数人に
グループ分けした我々参加者に考えさえた設問。

お察しの通り、この設問に正解は無い。答えは何でも良いのだが、
こうして参加者の虚をつく質問をぶつけ考えさせる点など、流石だ。

私たちのグループの答えは:
1.顧客の好みを考えている
2.おかずが一口サイズの丁度良いポーション
3.色彩豊か、デザイン重視
4.利便性
など。私はそれに加え
5.飽きたら直ぐに捨てられる、と加え、グループのイーライ・リリーの
連中の笑いを誘う事に成功した。

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セミナー後の懇親会は、まだ日が高かった事もあり参加者は20数名と
少なめだった。が、私個人としては充分すぎるネットワーキングの機会
だったと申し添えておく。

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写真は上から、彼の著書 「シンプル・プレゼン」

2,3,4枚目 イーライ・リリー本社でのセミナー光景

5.お隣の"Nestle Cafe”での懇親会にて。右からANAクラウンプラザ神戸の
営業統括部長、白木優至氏。私。フリーの英語コミュニケーション
コーチのAlyssa Bantle。
断っておくが乾杯の段階で既に私の顔が赤いのは、日焼けのせい。

6、おまけショット。Garrのブログにも載っているこの写真は、昨年5月の
ラマダホテル大阪でのパーティーで私が撮影したもの。

・・・ちなみに私はGarrがこんなにも有名で凄い人だと気がついたのは、
つい数週間前の事。それまではただの日本大好きアメリカ人のひとり
だとばかり思っていた。

また今回のブログのタイトル「裸のプレゼンテーション」も、
Garrのセミナーの最新のタイトルから拝借したものである。
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by Mikio_Motegi | 2011-06-25 08:40 | ブレイク
昨年8月に私が企画したACCJ(在日米国商工会議所)関西支部主催の
京都でのイベントが"An Evening with Maiko & Geiko at Kyoto"
として再び開催される。
日時は7月23日(土)午後5時から。会場は昨年同様京都ブライトンホテル。

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真夏の週末の一日を、美味しいお酒とビュッフェ料理に舌づつみを打ち、
幽玄な舞妓さん芸妓さんの踊りを鑑賞して猛暑を吹き飛ばしましょう、
という気楽な集まりだ。
もちろん関西在住の外国人も多く参加するので、国際文化交流の意味も
あるし、京都の伝統文化に親しむ最高の機会でもある。

昨年も大好評だったこの企画の目玉は、なんといっても普段は滅多に
お目にかかれない本物の舞妓さん、芸妓さんの踊りが間近で見られる事。

今年も昨年同様、京都五花街(ごかがい)のひとつ、宮川町から
選り抜きの別嬪さんが来てくれる。

外国人はもちろん、我々地元の者でも滅多にない機会だ。
宮川町と普段から深い付き合いのある京都ブライトンホテルならでは、
と言えるだろう。

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楽しいのは、舞妓さん芸妓さんのいるお茶屋の女将さんによる絶妙トーク。
舞妓・芸妓の成り立ちから、衣装、髪、装飾品までユーモアたっぷりに
説明してくれる。

踊りの鑑賞の後は、もちろん写真撮影の時間もたっぷりとある。

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京都で1,2の人気を誇る京都ブライトンホテル自慢のビュッフェメニューも
楽しみの一つ。
今回はホテルが自慢するリノベーションしたばかりの客室を案内する
ホテル・ツアーも用意した。

ちなみに同ホテルは今年7月から1階のフレンチをビュッフェ・レストランに
模様替えもした。
また毎年7月には夜8時からクラシックのフリー・コンサートを開催しており、
今年も連日地元のファンで熱気に包まれるだろう。

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会費はACCJ会員が8,000円、会員以外の方も8,500円、12才以下の子供は
3,000円で参加できるので、希望する方は私宛に連絡をどうぞ。
当日は京都ブライトンからビッグな景品も用意している。

写真は上から今年のフライヤー。
"ACCJ Kansai"→ " An Evening with Maiko and Geiko at Kyoto"
を検索を。
http://www.accj.or.jp/doclib/kansai/KS_Kyoto0723.pdf

2,3枚目が昨年のイベント光景。

京都ブライトンホテルの外観。
元々は西陣の大きな機屋さんの跡地に建つホテルだけあり、建物も周囲と
調和していて親しみやすい。地元に溶け込んだ5スターホテルである。
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by Mikio_Motegi | 2011-06-19 14:41 | 京都・紀行
2014年にザ・リッツ・カールトンがいよいよ京都に進出する。
場所は今年2月に廃業したホテル・フジタの跡地。
鴨川沿いの二条通り角、正面に比叡山や大文字等の東山36峰が望める
という、絶好のロケーションだ。
外国人を呼び込める外資系ホテルはこれで4軒目。京都にまた一つ
魅力的なアイコンができる事になる。

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観光業が発展するには富裕層への浸透が欠かせない。
だが私は、京都は観光地としてあまりにも大衆化してしまったのでは、
と強く危惧している。

京都にはこれだけ魅力的なコンテンツがあるのにもかかわらず、宿泊客の
平均滞在泊数は約1.2泊。それも殆どが週末泊だ。

つまり大都市近隣のお手軽旅行先と何ら変わらないに等しい。
これでは週末の宿泊施設不足や平日との料金格差は解決しないし、
週末の交通渋滞も深刻化するばかりだ。

受け入れ側にしても、京都の魅力を疎外する要因は多い。
建物のデザインにしてもバラバラ。全く古都・京都にそぐわない。
嵐山には芸能人の名前を冠した安っぽい土産物屋、飲食店が軒を連らね、
先斗町(ぽんとちょう)は客引きが横行し遂にはキャバクラが進出した。

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私がもっとも残念に思うのは、近頃流行の偽(にせ)舞妓だ。
一般客を相手に舞妓風の衣装とカツラを着付け、お手軽に舞妓さん気分を
味わえるというもの。

写真撮影だけならそれでも構わない。が、彼女らはアイスクリームを手に
街に繰り出し、時にはあの衣装で路上に三角座りしてタバコを吸っている。
知らない人が見たら、京都の舞妓さんのイメージが完全に崩壊するだろう。

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偽舞妓をコンパニオンに仕立てお座敷に上げるという飲食店もある。
先日家族で出かけた先斗町の河床(ゆか)で、どこかの会社の飲み会に
呼ばれたらしい偽舞妓が一般客の前でポーズをとっていた。

私たちの隣にいた観光客は「あ、舞妓さんだ!」と喜んで写真を撮って
いたが、あの人たちは京都の芸舞文化を取り違えたまま帰ってしまう事に
なる。本物はお客に呼ばれての仕事中に、一般客の撮影は許可しない。
その時間帯は舞妓を買ってくれた(オーダーした)お客だけのものであり、
一般客に撮影されるという事はそのお客をないがしろにする、という
解釈からだ。彼女らの矜持と言えるだろう。

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ニュー・ビジネスとしての偽舞妓は、商魂逞しい産物として評価する。
このコンテンツを楽しみに京都に来る観光客も多いと聞く。

だからこそ、そろそろルール作りが必要な状況になってきたのでは
ないだろうか?
市中はともかく、実際に舞妓・芸妓がいる京都の五花街(ごかがい)への
偽物の立ち入りは禁止すべきだ。
偽物から本物を守るのも行政の仕事の筈。
財務省・税関があんなに輸入偽ブランドの摘発に熱心なのだから、
国土交通省・観光庁、或いは京都市も景観保存という有形文化財だけでなく、
芸舞という無形文化財の保護に踏み切るべきだ。
それが結局「京都」ブランドを守ることにつながるのだから。

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ちなみに少々目の肥えた京都人なら本物と偽物は一発で区別できる。

まず彼女達の立ち居振る舞い。要するに偽物は着物に慣れていない。
次に舞妓の髪は地毛と決まっているが、偽物はカツラ。
そして着物の質。本物が着る西陣の手織りの着物とレンタルの着物とでは、
近くに寄れば一目瞭然、雲泥の差がある。

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断っておくが、私は高級品=本物の文化、などという価値観を持つ俗物では
ないつもりだ。
京都に限らず、土地土地の伝統・文化を尊重しプライオリティを
置かなければ観光業の振興などありえない、と言いたいだけなのである。

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ザ・リッツ・カールトンのような世界的ブランドの進出に京都が選ばれた
事実に京都人は誇りを持って良い。
一方で、世界的ブランドのホテルが立地するに相応しい土地であるか
どうかも、京都人の努力にかかっているのである。

写真は上から

真ん中の建物がホテルフジタで、ザ・リッツ・カールトン京都建設予定地。
傍らを流れるのが鴨川。遠くに比叡山の雄姿を望む
(京都ホテルオークラ最上階レストラン「ピカレスク」より昨日撮影)

先斗町の四条通り側入り口

偽物舞妓さん

先斗町の河床(ゆか)より、お隣の河床を撮影

本物の舞妓さん。昨年8月27日のブログ「シ・ミ・ツの京都」に記載した、
ブライトンホテルでのイベントにて撮影

JNTOのHPより

ザ・リッツ・カールトン京都の完成模型
http://blog.excite.co.jp/naokoterada/15723518
→ホテルの記者発表の様子が記事になっている。興味のある人は
是非アクセスを
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by Mikio_Motegi | 2011-06-12 23:53 | 京都・紀行
日本サッカー界が誇るスポーツ・コンプレックス、福島県のJヴィレッジは、
現在陸上自衛隊が福島第一原子力発電所事故の対応最前線として使用
している。
Jヴィレッジ所属の西芳照総料理長は、サッカー日本代表が海外に遠征する
際にシェフとして欠かさず帯同している。
その西料理長が著した「サムライブルーの料理人」。あまりの面白さに
一日で読み終えてしまった。

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スポーツ選手にとって「食・栄養」は切っても切れない縁がある。
どんな激しいトレーニングも、食のバックアップがあってこそ身につく。
また長期にわたって不慣れな海外に遠征する選手にとって、美味しい食事
はなによりの楽しみであり、緊張をほぐし気持ちを明るくするものになる。

高質のパフォーマンスを期待するには、良質の食事の提供が欠かせない。

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西料理長の言葉で面白いのは、ホテルやレストランではお客の好みを
重視した料理を出す、しかし海外遠征帯同シェフにとって、料理を提供する
相手=選手はお客ではない、共に目標を一つにする仲間なのだ、というもの。

勝利の為の最高のパフォーマンスを引き出すための食事と位置づけられている
ので、個人の趣味趣向は重視されないのだ。

でも西料理長は選手個人個人の嗜好を把握し、なるべくそれに沿ったものを
出したいと願う。
その為に、海外遠征という限られた食材、調理スペース、時間の中でなんとか
折り合いをつける為に腐心する。
同時に衛生管理に特段の配慮をしなければならない。

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そこで考案したのが「ライブ・クッキング」。
遠征先のホテルに交渉し、食事会場である宴会場にキッチンテーブルを仮設、
そこでパスタやステーキ等を選手の目の前で調理する。
数種類のソースにあらかじめ下茹でしてあるロングパスタとショートパスタを
取りまぜ、選手一人ひとりが好みのパスタとソースを選び、それに応じて氏が
目の前で調理する。

ステーキも鉄板で焼きたてを用意する。ジュウジュウ焼きたてのsizzlingな
音は、選手の食欲を刺激する。
他に具材のトッピングができるうどんやラーメン、お好み焼き、焼きそば等は
「サプライズ・メニュー」として人気が高く、「今日のメニューは何かな?」
と選手は目を輝かせて毎回食事会場にやってくるという。

そのわくわく感とサプライズが選手の楽しみになり、食欲増進だけでなく、
選手やスタッフ間の良質なコミュニケーションにも貢献したことは言うまでも
ないだろう。

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昨年の南アフリカ・ワールドカップでは、標高1500メートルの高地での
合宿に備え、日本から圧力釜を自費で購入しおいしいごはんの提供に
腐心する。
食材も調味料も全く異なる地で、食べ慣れない素材を工夫して人気を博す
など、代表チームの高いパフォーマンス支えた文字通り縁の下の力持ち。
まさに西料理長は「サムライ・ブルー」の大躍進を支えたメンバーの
一員なのである。

この本には:

1.サッカー日本代表の海外遠征時のウラ話
2.異文化交流の苦労と喜び
3.レストラン運営ウラ話

という3つの要素が盛り込まれている。
期せずして全て私の仕事と興味の範疇だが、サッカーやグルメ、国際交流
に関心の方にはお奨めの一冊である。

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写真は上から

「サムライブルーの料理人」白水社(ソフトカバー)1600円税別
著者の印税は、東日本大震災で被災した南相馬市に義援金として
全額寄付されるそうだ。

スイス・ザ―ツフェーの日本代表合宿地 サンケイスポーツより

Jヴィッレジでのメニュー http://fura55.blog38.fc2.com
/blog-date-20100607.html より

自費で購入した圧力釜をメディアに披露する西料理長
・・・改めて感じるのは、代表選手たちが一様にお米の「ごはん」に
こだわる様子だ。せっかく世界中を転戦するのだから、日本人シェフ
なんか帯同せずその土地の料理を楽しめばいいのに、というのはシロウト
考えだという事が分かる。彼らは「勝利」に飢え、その為に徹底して
慣れ親しんだ「ごはん」にこだわっている。

Jヴィレッジ。map.go-stadium.netより
元々東京電力の休眠地だったが、福島県内に多くの
原発を建設した事の見返りの地域振興貢献として、1997年に設立した。
東京電力は今もヴィレッジの主要株主であり、役員も派遣している。
福島県知事は一方的に今回の震災対応で東電を非難しているが・・・。
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by Mikio_Motegi | 2011-06-05 21:15 | サッカー、スポーツ