ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

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2015 年間読書 ベスト5


備忘録として、今年読んだ文芸書ベスト5 (順不同):

1.「指導者とは」 リチャード・ニクソン著 文春学芸ライブラリー 1660円
2.「ジャッカルの日」 フレデリック・フォーサイス著 角川文庫 819円
3.「俳優のノート」 山﨑努著 文春文庫 660円
4・「マネー・ボール」 マイケル・ルイス著 ハヤカワ文庫 940円
5.「痴人の愛」 谷崎潤一郎著 新潮文庫 670円

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1.権力の栄光と挫折を知りつくしたアメリカ元大統領だから書けた、20世紀リーダー論の最高峰。チャーチルに関する記述が秀逸。「偉大な指導者は必ずしも善良な人ではない。ロシアのピョートル大帝、シーザー、アレキサンダー大王、ナポレオン。いずれも善政より征服者として歴史に残っている」

2.32年ぶりの再読。フォーサイス自身が確立した事実とフィクションが混在した「ドキュメンタリー・スリラー」分野の最高傑作。「プロは一時の熱狂では行動しない。だから冷静であり得るし、基本的なエラーもまず犯さない、逡巡する事もない、主義主張に振り回されない」。「月の光を見ていると、どんな教養ある人でも原始人に帰る、と言います」

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3.日本の名優が演じる「リア王」の準備段階を描いた日記文学。演技とは?死とは?親子とは?「演じる」ことに名優とはここまで自己の精魂、肉体、信念をそそぎこむのか。「ドラマチックとはダイナミックという事であり、ただ親子や恋人が分かれるだけのシーンを延々と続けるような、自己充足的感情芝居はドラマではない(劇とは劇薬の劇なのだ)。

4.ブラット・ピット主演映画の原作。ヤンキースの3分の一の予算でヤンキース以上の成績を治めたメジャーリーグの貧乏球団、オークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンの熱狂的かつ知的な球団運営を描く。統計データを駆使し野球界の常識を覆す「弱者の戦法」とは?

5.今まで手を出せなかった谷崎物だが、これは読みやすい。谷崎の「入門編」としておススメ。知性も性に対する倫理感もない「ナオミ」に溺れて行くダメサラリーマンの「私」。自分好みの女に育てたつもりが、実は隷属させられる。男とはしかしクレオパトラ、カルメン、コンスタンツェ・モーツァルトのような「妖婦」に弱いものよ。

・・・相変わらず新書、ビジネス書は(少しは読むが)殆ど手にせず、ハヤカワ文庫を中心とした翻訳ミステリー、探偵ものばかり読む私の読書癖。年末になって初めて谷崎潤一郎を読んだが、新鮮だった。ただし「細雪」には当分手が出せそうもない。
来年はどんな本に出会えるか、楽しみだ。当面は「シャーロック・ホームズシリーズ」を読んでみよ。

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by Mikio_Motegi | 2014-12-29 19:03 | ブレイク