人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi
2014年にザ・リッツ・カールトンがいよいよ京都に進出する。
場所は今年2月に廃業したホテル・フジタの跡地。
鴨川沿いの二条通り角、正面に比叡山や大文字等の東山36峰が望める
という、絶好のロケーションだ。
外国人を呼び込める外資系ホテルはこれで4軒目。京都にまた一つ
魅力的なアイコンができる事になる。

ザ・リッツ・カールトン、京都進出決定_c0094556_21165851.jpg


観光業が発展するには富裕層への浸透が欠かせない。
だが私は、京都は観光地としてあまりにも大衆化してしまったのでは、
と強く危惧している。

京都にはこれだけ魅力的なコンテンツがあるのにもかかわらず、宿泊客の
平均滞在泊数は約1.2泊。それも殆どが週末泊だ。

つまり大都市近隣のお手軽旅行先と何ら変わらないに等しい。
これでは週末の宿泊施設不足や平日との料金格差は解決しないし、
週末の交通渋滞も深刻化するばかりだ。

受け入れ側にしても、京都の魅力を疎外する要因は多い。
建物のデザインにしてもバラバラ。全く古都・京都にそぐわない。
嵐山には芸能人の名前を冠した安っぽい土産物屋、飲食店が軒を連らね、
先斗町(ぽんとちょう)は客引きが横行し遂にはキャバクラが進出した。

ザ・リッツ・カールトン、京都進出決定_c0094556_21174273.jpg


私がもっとも残念に思うのは、近頃流行の偽(にせ)舞妓だ。
一般客を相手に舞妓風の衣装とカツラを着付け、お手軽に舞妓さん気分を
味わえるというもの。

写真撮影だけならそれでも構わない。が、彼女らはアイスクリームを手に
街に繰り出し、時にはあの衣装で路上に三角座りしてタバコを吸っている。
知らない人が見たら、京都の舞妓さんのイメージが完全に崩壊するだろう。

ザ・リッツ・カールトン、京都進出決定_c0094556_21182287.jpg


偽舞妓をコンパニオンに仕立てお座敷に上げるという飲食店もある。
先日家族で出かけた先斗町の河床(ゆか)で、どこかの会社の飲み会に
呼ばれたらしい偽舞妓が一般客の前でポーズをとっていた。

私たちの隣にいた観光客は「あ、舞妓さんだ!」と喜んで写真を撮って
いたが、あの人たちは京都の芸舞文化を取り違えたまま帰ってしまう事に
なる。本物はお客に呼ばれての仕事中に、一般客の撮影は許可しない。
その時間帯は舞妓を買ってくれた(オーダーした)お客だけのものであり、
一般客に撮影されるという事はそのお客をないがしろにする、という
解釈からだ。彼女らの矜持と言えるだろう。

ザ・リッツ・カールトン、京都進出決定_c0094556_21234251.jpg


ニュー・ビジネスとしての偽舞妓は、商魂逞しい産物として評価する。
このコンテンツを楽しみに京都に来る観光客も多いと聞く。

だからこそ、そろそろルール作りが必要な状況になってきたのでは
ないだろうか?
市中はともかく、実際に舞妓・芸妓がいる京都の五花街(ごかがい)への
偽物の立ち入りは禁止すべきだ。
偽物から本物を守るのも行政の仕事の筈。
財務省・税関があんなに輸入偽ブランドの摘発に熱心なのだから、
国土交通省・観光庁、或いは京都市も景観保存という有形文化財だけでなく、
芸舞という無形文化財の保護に踏み切るべきだ。
それが結局「京都」ブランドを守ることにつながるのだから。

ザ・リッツ・カールトン、京都進出決定_c0094556_2122789.jpg


ちなみに少々目の肥えた京都人なら本物と偽物は一発で区別できる。

まず彼女達の立ち居振る舞い。要するに偽物は着物に慣れていない。
次に舞妓の髪は地毛と決まっているが、偽物はカツラ。
そして着物の質。本物が着る西陣の手織りの着物とレンタルの着物とでは、
近くに寄れば一目瞭然、雲泥の差がある。

ザ・リッツ・カールトン、京都進出決定_c0094556_21223282.jpg


断っておくが、私は高級品=本物の文化、などという価値観を持つ俗物では
ないつもりだ。
京都に限らず、土地土地の伝統・文化を尊重しプライオリティを
置かなければ観光業の振興などありえない、と言いたいだけなのである。

ザ・リッツ・カールトン、京都進出決定_c0094556_2123460.jpg


ザ・リッツ・カールトンのような世界的ブランドの進出に京都が選ばれた
事実に京都人は誇りを持って良い。
一方で、世界的ブランドのホテルが立地するに相応しい土地であるか
どうかも、京都人の努力にかかっているのである。

写真は上から

真ん中の建物がホテルフジタで、ザ・リッツ・カールトン京都建設予定地。
傍らを流れるのが鴨川。遠くに比叡山の雄姿を望む
(京都ホテルオークラ最上階レストラン「ピカレスク」より昨日撮影)

先斗町の四条通り側入り口

偽物舞妓さん

先斗町の河床(ゆか)より、お隣の河床を撮影

本物の舞妓さん。昨年8月27日のブログ「シ・ミ・ツの京都」に記載した、
ブライトンホテルでのイベントにて撮影

JNTOのHPより

ザ・リッツ・カールトン京都の完成模型
http://blog.excite.co.jp/naokoterada/15723518
→ホテルの記者発表の様子が記事になっている。興味のある人は
是非アクセスを
# by Mikio_Motegi | 2011-06-12 23:53 | 京都・紀行
日本サッカー界が誇るスポーツ・コンプレックス、福島県のJヴィレッジは、
現在陸上自衛隊が福島第一原子力発電所事故の対応最前線として使用
している。
Jヴィレッジ所属の西芳照総料理長は、サッカー日本代表が海外に遠征する
際にシェフとして欠かさず帯同している。
その西料理長が著した「サムライブルーの料理人」。あまりの面白さに
一日で読み終えてしまった。

「サムライブルーの料理人」_c0094556_14583590.jpg


スポーツ選手にとって「食・栄養」は切っても切れない縁がある。
どんな激しいトレーニングも、食のバックアップがあってこそ身につく。
また長期にわたって不慣れな海外に遠征する選手にとって、美味しい食事
はなによりの楽しみであり、緊張をほぐし気持ちを明るくするものになる。

高質のパフォーマンスを期待するには、良質の食事の提供が欠かせない。

「サムライブルーの料理人」_c0094556_1459746.jpg


西料理長の言葉で面白いのは、ホテルやレストランではお客の好みを
重視した料理を出す、しかし海外遠征帯同シェフにとって、料理を提供する
相手=選手はお客ではない、共に目標を一つにする仲間なのだ、というもの。

勝利の為の最高のパフォーマンスを引き出すための食事と位置づけられている
ので、個人の趣味趣向は重視されないのだ。

でも西料理長は選手個人個人の嗜好を把握し、なるべくそれに沿ったものを
出したいと願う。
その為に、海外遠征という限られた食材、調理スペース、時間の中でなんとか
折り合いをつける為に腐心する。
同時に衛生管理に特段の配慮をしなければならない。

「サムライブルーの料理人」_c0094556_14594617.jpg
「サムライブルーの料理人」_c0094556_150165.jpg


そこで考案したのが「ライブ・クッキング」。
遠征先のホテルに交渉し、食事会場である宴会場にキッチンテーブルを仮設、
そこでパスタやステーキ等を選手の目の前で調理する。
数種類のソースにあらかじめ下茹でしてあるロングパスタとショートパスタを
取りまぜ、選手一人ひとりが好みのパスタとソースを選び、それに応じて氏が
目の前で調理する。

ステーキも鉄板で焼きたてを用意する。ジュウジュウ焼きたてのsizzlingな
音は、選手の食欲を刺激する。
他に具材のトッピングができるうどんやラーメン、お好み焼き、焼きそば等は
「サプライズ・メニュー」として人気が高く、「今日のメニューは何かな?」
と選手は目を輝かせて毎回食事会場にやってくるという。

そのわくわく感とサプライズが選手の楽しみになり、食欲増進だけでなく、
選手やスタッフ間の良質なコミュニケーションにも貢献したことは言うまでも
ないだろう。

「サムライブルーの料理人」_c0094556_1515653.jpg


昨年の南アフリカ・ワールドカップでは、標高1500メートルの高地での
合宿に備え、日本から圧力釜を自費で購入しおいしいごはんの提供に
腐心する。
食材も調味料も全く異なる地で、食べ慣れない素材を工夫して人気を博す
など、代表チームの高いパフォーマンス支えた文字通り縁の下の力持ち。
まさに西料理長は「サムライ・ブルー」の大躍進を支えたメンバーの
一員なのである。

この本には:

1.サッカー日本代表の海外遠征時のウラ話
2.異文化交流の苦労と喜び
3.レストラン運営ウラ話

という3つの要素が盛り込まれている。
期せずして全て私の仕事と興味の範疇だが、サッカーやグルメ、国際交流
に関心の方にはお奨めの一冊である。

「サムライブルーの料理人」_c0094556_1522543.jpg


写真は上から

「サムライブルーの料理人」白水社(ソフトカバー)1600円税別
著者の印税は、東日本大震災で被災した南相馬市に義援金として
全額寄付されるそうだ。

スイス・ザ―ツフェーの日本代表合宿地 サンケイスポーツより

Jヴィッレジでのメニュー http://fura55.blog38.fc2.com
/blog-date-20100607.html より

自費で購入した圧力釜をメディアに披露する西料理長
・・・改めて感じるのは、代表選手たちが一様にお米の「ごはん」に
こだわる様子だ。せっかく世界中を転戦するのだから、日本人シェフ
なんか帯同せずその土地の料理を楽しめばいいのに、というのはシロウト
考えだという事が分かる。彼らは「勝利」に飢え、その為に徹底して
慣れ親しんだ「ごはん」にこだわっている。

Jヴィレッジ。map.go-stadium.netより
元々東京電力の休眠地だったが、福島県内に多くの
原発を建設した事の見返りの地域振興貢献として、1997年に設立した。
東京電力は今もヴィレッジの主要株主であり、役員も派遣している。
福島県知事は一方的に今回の震災対応で東電を非難しているが・・・。
# by Mikio_Motegi | 2011-06-05 21:15 | サッカー、スポーツ
「ビッグ・イヤーズ"Big Ears"(大きな耳)」とは、UEFA
(欧州サッカー協会)主催の各国クラブチーム・チャンピオンによる
王者決定戦を制したチームに渡される純銀製のトロフィーの愛称。
両サイドの大きな取っ手部分を表してそう呼ばれている。

美しく完璧な勝利-FCバルセロナ_c0094556_15333811.jpg


スペインのサッカーチームFCバルセロナ(バルサ)が、2010-11年度の
UEFAチャンピオンズ・リーグを制した。
相手はイングランド・プレミアリーグの覇者マンチェスター・ユナイテッド
(マンU)。

毎回ヨーロッパ時間の夜8時45分にキックオフするこの決勝戦を日本で
TV観戦するには、早朝3時45分に起きていなければならない。
私は毎年欠かさずTV観戦しており、2008年の決勝の詳細はこのブログにも
書いた。http://valkyries.exblog.jp/8915568

美しく完璧な勝利-FCバルセロナ_c0094556_1534929.jpg


例年平日に行われていたのだが、どういうわけか今年は日曜日だった。
おかげで睡眠不足のまま仕事に就く事もなく、こうしてブログに向えるのは
ありがたい。

今年の決勝は、あまりにも美しく速いバルサに、マンUが全く手も足も
出なかったという展開に終始した。
スコアは3-1。2点差だが、バルサはもう2、3点は取れたのではないか?
断っておくがマンUは2008年のUEFAチャンピオン。今年も世界最高峰の
レベルを誇るプレミア・リーグで断然の首位を走る、もの凄く強いチームだ。

美しく完璧な勝利-FCバルセロナ_c0094556_15344060.jpg


この違いはどこからくるのか?戦術上の分析は専門家に任せるとして、私が
注目したのは試合前の出場メンバー発表の際。
ここで如実に表れた両チームの違いは、チーム生え抜きの選手の数だ。
マンUはウェールズ籍のギグスを入れてもイングランド人出身者は4人なのに
対し、バルサは7人がスペイン人。アルゼンチン人のメッシは幼少の時から
バルサで育成されたので、これを加えれば8人。

美しく完璧な勝利-FCバルセロナ_c0094556_1535899.jpg


バルサの圧倒的な強さの源泉は、「カンテラ」と呼ばれる彼らの下部組織の
育成体制の充実にあると言えよう。
カンテラは、バルサの拠点カンプ・ノウスタジアムに隣接した寮で、
物心ついた時から一緒に寝食と練習を共にし、成長しやがて中心選手に
育っていく。

カンテラ出身者のコンビネーションは抜群だ。誰かが一旦ボールを持つと、
周囲が自然と反応する。彼が次にどんなプレーを選択するのか、手に取る
ようにわかるのだ。まさに以心伝心。当然団結力も強固だ。

美しく完璧な勝利-FCバルセロナ_c0094556_15362634.jpg


そんなバルサの運営を財政面で支えているのは、ビッグネームの企業では
ない。「ソシオ」と呼ばれる、世界で14万人のぼる個人会員からの献金だけ
なのである。

ソシオは、自分たちが手塩にかける如く育てたカンテラ出身選手を応援
するのは当然。
また企業からのサポートが無ければ、ユニフォームにスポンサー企業のロゴを
縫いつける必要もない。
バルサのユニフォームの胸には "Unicef"のロゴが踊っているが、あれは
ユニセフがバルサのスポンサーなのではなく、バルサがユニセフに5年間で
総額950万ドル献金している為に着用しているロゴなのである。

美しく完璧な勝利-FCバルセロナ_c0094556_1536545.jpg


敢えて名前を挙げると、イングランドのチェルシー、マンチェスター・シティ、
イタリアのACミラン、スペインのリアル・マドリードあたりが、
ビッグスポンサーの庇護の下、世界の超一流選手をトレードで買い漁り、
勝利と結果のみを目指しているように思える。
何年か前のチェルシーなど、スターティング・メンバー全員が非イングランド
人だったこともある。

それが世の趨勢なのはわかるが、生え抜き選手を重視し、若手を育て、
大スポンサーに頼らずに個人献金だけで世界一を遂げるバルサ。
かつて選手として大活躍し、監督としても大成功を収めたヨハン・クライフ
が掲げた「美しく、スペクタクルに勝利する」を至上命題とするバルサ。

私が心情的にどちらを応援しているかは、もうおわかりだろう。

美しく完璧な勝利-FCバルセロナ_c0094556_15395378.jpg


写真は全て http://soccernet.espn.go.com より。

上から"ビッグ・イヤーズ"を掲げるバルサのイレブン。

試合前の大会HPイメージ。

敗色濃いマンUの監督ファーガソン卿(スーツ姿)。そろそろ引退したら?

バルサのカンテラ出身、カタルーニャの英雄グアルディオラ監督。

バルサ3点目を決めるダヴィド・ビジャ。

バルサの絶対的エース、リオネル・メッシ。ペレ、クライフ、
マラドーナの域に近づきつつある。

この試合を最後に現役引退を表明したマンUのGKファン・デ・サール。
長くオランダ代表を務め、イタリアのユベントスでも活躍した。
ASローマ時代の中田英寿に強烈なミドルを1試合で2発くらったGKとして
日本でも知られている。
# by Mikio_Motegi | 2011-05-29 18:23 | サッカー、スポーツ
村山臨済宗南禅寺派の金福寺(こんぷくじ)は、京都市左京区一乗寺の
観光スポット詩仙堂に向かう途中にひっそりと佇む禅寺だ。

平安時代に創建されたこの寺は、松尾芭蕉や与謝蕪村ゆかりの地とされて
いるが、同時に日本史上に現れる初めての体制側の女スパイとして、
幕末の時代を駆け抜けた「村山たか女(じょ)」が晩年を過ごした寺でも
ある。

村山たか女ゆかりの金福寺_c0094556_2251118.jpg


たか女は徳川政権末期の大老、井伊直弼(いい・なおすけ)の懐刀である
長野主膳(ながの・しゅぜん)の愛妾で、同時に井伊とも情を通じていた。

開国派の旗頭で「日米修好通商条約」を強引に締結した直弼は、これに
反対する勢力を強権で弾圧する「安政の大獄」を主導。
たか女はその際直弼や主膳の手先となり、京都にて反対派の動向を探り
幕府に報告、安政の大獄に加担した。

やがてこれに反駁した水戸浪士達により直弼が惨殺され(桜田門外の変)、
その結果情勢が変わり、たか女は主膳と共に幕府により捕獲される。
主膳は斬首されたが、たか女は京都三条河原にて3日間のさらし者の刑の
末、一命をとりとめる。
そしてたか女は金福寺にて67才の生涯を閉じるまで、ひっそりと暮らす
のである。

村山たか女ゆかりの金福寺_c0094556_22514220.jpg


舟橋聖一の代表作「花の生涯(祥伝社文庫上下巻)」では、絢爛たる生涯を
貫く直弼を軸に、華やかに、艶めかしくたか女が活躍する様を生き生きと
描写している。
直弼という大きく純粋なキラ星を慕い、主膳とたか女は文字通り身命を賭して
サポートする。そして無残な結果になっても、悔いはなかった筈だ。
なぜなら彼らは全身全霊で時代を生き抜いたのだから。

村山たか女ゆかりの金福寺_c0094556_2252979.jpg


私のような人間がなぜ金福寺というマイナーな寺をを知っているかと
いうと、話は35年前の高校の修学旅行に遡る。
群馬県の公立男子高校生だった私は、京都見物の際に学校で定められた
観光コース「曼珠院(まんしゅいん)と詩仙堂」を訪問する筈だったが、
先に訪れた曼珠院の人混みに嫌気がさした。
次の詩仙堂はもっと混んでいそうだったのでそれを避け、すぐ脇にあった
小さな寺に飛び込んだ。そこが金福寺だった。

たまたま大昔のNHK大河ドラマの題材だった「花の生涯」について、
私の母が村山たか女を演じた「淡島千景」という女優の美しさを語っていた
のを思いだし、この寺の来歴に興味を持ったのである。

村山たか女ゆかりの金福寺_c0094556_22524139.jpg


直弼は開国をせまる諸外国の圧力に対し、思い切った開国論を掲げ逆に
米英を驚愕させる。国体の護持の為には開国し、広く諸外国と交易を進める
しかない、と信じての決断だった。この直弼の決断により、200年間以上
続いた日本の鎖国政策は終焉を遂げる。

「人間はおのれの意思どおりに歩いているつもりでも、いつのまにか、
時代の潮に行く手を決められてしまう」
「満つれば欠くる、は世の習い」

作中、直弼のつぶやく言葉だが、たか女はどのような思いで聞いたの
だろうか?
美貌と頭脳、行動力を併せ持ち、「妖婦」と蔑まれながらも、たか女は
直弼と主膳という二人の男の為に奔走する。

金福寺は、幕末という激動の時代を駆け抜ける半生を送ったたか女が、
心静かに終焉を迎えるに相応しい地だったのだろう。
今でも相変わらず観光客もまばらな、しかし禅寺らしい侘びた雰囲気の
上品な寺である。

村山たか女ゆかりの金福寺_c0094556_1732033.jpg

# by Mikio_Motegi | 2011-05-22 17:35 | 京都・紀行
東日本大震災の復興の為と称して、関西で行われるチャリティ・パーティー
にせっせと顔を出してはいくばくかの寄付金を供出し、何となく役に
立てたと自己満足をしている日々が続いている。

チャリティ・パーティ三昧_c0094556_22102243.jpg


5月12日(木)はExpediaのパーティーが大阪・梅田のXEXで催された。
Expediaとはホテルマンなら誰でも知っている、世界最大の予約サイト。
そこでは彼らの大阪オフィス開業の告知と、大災害が起きた際にどのように
復興にExpediaが貢献しているか、活動の概要が紹介された。
参加費+Expediaが助成する同額が、東日本大震災の復興基金に供出
されるという太っ腹なイベントだ。
マーケティング部長のピーター・リー氏によるプレゼンも印象的だった。

チャリティ・パーティ三昧_c0094556_22104233.jpg


参加者は関西圏のホテルのWeb予約担当者を中心に約90名。
皆なんとなくおたくっぽい雰囲気が感じられるのは、私の偏見だろうか?
会場のXEX OSAKA(ゼックス大阪)はハービス・エントの最上階ワンフロア
を占める関西でも最もおしゃれでクールなスポットなので、なんとなく
場違いなおっさんが多いのも愛嬌か。

チャリティ・パーティ三昧_c0094556_2211691.jpg


先月の20日にはACCJ(米国商工会議所)主催の恒例 "Meishi Exchange
Party”がハイアット・リージェンシー大阪で開催された。
メンバーの会員ホテルがそれぞれ宿泊券や食事券を出品し、参加者による
オークションでそれらを競り落とし、その全額をやはり寄付するという、
ACCJ関西では初めての試みだった。

チャリティ・パーティ三昧_c0094556_22113632.jpg


こちらも100人以上が参加し大盛況。数年ぶりにACCJの公式イベント会場と
して指定されたハイアット大阪も気合いが特に入っていて、素晴らしい料理、
ワイン、ジャズの生演奏など、印象深かった。
終了後、大阪駅と神戸・三宮駅までの専用バスを用意するなど、この企画に
かける意気込みが伝わってくる。
まさに「関西から日本を元気に」を具現するパーティーだった。

ちなみにこのようなACCJ主催のイベントは数多く、例えば年2回開催される
"Meishi Exchange Party"は様々な業界からの参加者が集まるので、会場と
なるホテルは絶好のPRとなる。
会場の選定は私の所属する"Living in Kansai"コミッティーで常に厳正に
審査されており、そこでの各ホテルのプレゼンにより決められている。

チャリティ・パーティ三昧_c0094556_2212763.jpg


写真は上から jp.hotels.com のサイト。アジア各国のホテリエから、
今回の大震災に見舞われた日本へのメッセージがつづられている。
是非覗いて欲しい。

ピーター・リー氏のプレゼン。おしゃれな会場なので照明を落としていて、
映りが悪い。

ハイアット大阪で開催された"Meishi Exchange Party"サインボード。

中央がハイアット大阪GMのMark Foxwell。向かって右が米国大阪総領事の
Edward Dong。左がヒルトン大阪GMのHerman J.Ehrlich。

会場全景。ハイアット自慢のゲスト・ハウスだ。

(3枚目、4枚目はACCJメンバーのプロ・フォトグラファー Paul B.Diserio
www.spinfish.tv より提供)
# by Mikio_Motegi | 2011-05-15 10:19 | Japan Revitalization