京王プラザホテルの思い出
2009年 02月 08日
した経験がある。
会社が京王プラザホテル(京プラ)の近くにあるせいで、職場の食事会や
飲み会、納涼会、クリスマス・パーティー、或いは宴会場で催される各種
イベント等で頻繁に利用する機会があり、私もいつもお相伴に授かっていた。
田舎から上京してきた大学生が初めて接したシティホテルが京プラ
だったのである。
親しくなった年上の女性社員に誘われ、夏季にのみオープンする屋外
プールで遊んだこともある。
夜空の下、西新宿の高層ビルを見上げるプールに浸かり、その後の甘美な
時間を予想しながら、自分が大人への階段を確実に昇りはじめたと
自覚する場所でもあった。
就職を控えた大学4年の時にホテル業界を選んだのも、京プラでの
経験があったから。
自分自身が経験したホテルという非日常的なステージで利用者に様々な
サービスを提供する仕事、様々な異文化と接し自分を磨ける仕事を天職に
したいという気持ちからだった。
このホテルは1972年の開業時から2002年までの30年間、
インターコンチネンタルホテルとマーケティング契約を結んでいた。
そのせいで私がヨコハマとシンガポールのインターコンチに勤務していた
時は煩雑に利用しており、学生時代の経験を含め私とはつくづく縁の深い
ホテル言える。
本館、南館併せて1440室、レストラン数26、宴会場38室、年間売り上げ
242億円(昨年度)というスーパー・グランドホテルである。
新機軸のレストランオープンや館内無線LANをいち早く充実させる等、
大規模なレノベーションにも積極的だ。
先日、約10年ぶりに泊まった。
多国籍なツーリストで賑わうロビーも相変わらず。
フロントやゲストサービスの接客も丁寧で、スタッフの英語スキルは高い。
客室に入ると、広いスペースをより際立たせる大きな窓、低いベッド、
旧式なバスルーム。私にとってはどれも快適で懐かしい。
開業時には西新宿で唯一だったが、さすがに最近はもっと高いビルに
囲まれてかつてほど目立たない。
また都内の高級5スターホテルの開業が相次ぎ、ブランド・プレステージも
今は失われたままだ。
「街」に喩えられるほどのこんな巨艦ホテルの国内新規オープンは暫くは
望めそうも無い。
嘗てとはあまりにも時代が変わってしまったのだ。
だからこそ、京プラのようなホテルがいつまでも健在であって欲しいと思う
古いホテリエは私だけではないと信じている。