中国訪日ビザ発行解禁
2009年 07月 05日
存在意義について、かなり懐疑心をもっていました。
米英とイスラム原理主義の対立の構図は、今回のイラク攻撃でますます
深刻化するでしょう。これからも世界中いたるところで米英をターゲットにした
テロ行為は続くと思います。
(中略)・・・これから日本は間違いなくインバウンド観光産業に力を入れて
いきます。中国やロシアなどの一大マーケットがすぐ近くにあるのですから、
当然だと言えるでしょう。
だとしたら、私のような経歴の者が役に立てる領域が必ずあると信じます・・」
以上は、2003年4月に私が当時勤務していたマレーシア・ペナン島の
シャングリ・ラ・ラササヤン・リゾートを離れ、日本に帰国する際に親しい
知人・友人達に宛てたメールの一部。
本年7月1日から中国人の訪日個人旅行が一部可能になった。
年収25万元(約350万円)以上など経済力や職業などを総合的に審査し、
国内に不法滞在する恐れのない人たちを対象に、個人旅行の査証(ビザ)
を発給する。
観光庁の試算では、今回の解禁で2010年には400億円(一人当たり消費額
16万円と想定)の経済効果が見込まれるとしている。
私が2003年に「日本はインバウンド観光産業に力を入れて・・・」と書いてから
6年。この傾向・政策は着実に成果をもたらしている。
一方で、東南アジアに在住する華僑の友人達に言わせると、日本は観光
コンテンツに溢れた魅力に満ちたデスティネーションだが、
「英語が通じない」
「物価が高い」
この大きな二つの障壁のため、行くのをためらってしまうという意見が
未だに圧倒的だ。
物価が高いのは為替の問題もありこれはなかなか解決できない。
ただ世界で一番不便な国際空港である成田から、各デスティネーションへの
アクセスの料金を減額するなどの措置は直ぐにとれるだろう。
英語の問題は・・・もっと勉強しましょう!
また残念なことに受け入れ側の旅館などで、外国人、特に中国や東南アジア
の観光客が増えることについてのネガティブな面を心配する声は相変わらず
多い。
これは欧米崇拝・アジア蔑視の考えが根っこにあるので、なかなか解消
できるものではないのも事実。
ビジネスの法則に「賛同者をしっかりと抱え込む」ことにプライオリティを
置き、「反対論者へのアプローチはその後」とする考え方がある。
当面は政府や観光庁は、外国人観光客誘致に熱心なデスティネーションに
フォーカスし、案内の多言語化・ユニバーサルデザイン化・スタッフ研修等の
充実を計るべきではないだろうか。
外国人誘致に熱心な施設とそうでない施設に、ビジネス上の明らかな利益・
不利益が生じてからでないと、はっきり言ってダメな経営者は目を覚まさない
のも事実だからだ。
もっとも我が京都の主だったホテル・旅館が熱心かどうかは、未だ定かでは
ないが。
写真は上からラササヤンリゾート。
石川県の加賀屋。日本でもっとも外国人観光客誘致に熱心な施設の一つ。
京都・清水寺。いずれもKNTのサイトから。