商店街の価値
2009年 09月 27日
「スーパーマーケット」というところで買い物をしたことが無かった。
別に箱入り娘で育ったわけではない。
母親の手伝いで夕食の支度をする際、スーパーマーケットに行くより
徒歩5分の所にある近所の商店街で買い物をする方が、近くて便利
だったのである。

家内の実家のある西陣界隈だけでなく、土地が狭い為か京都の市内には
大型の量販店というものが殆ど無い。
だから一般の人々が夕食のおかずを作るときの買い物も、魚は魚屋、
野菜は八百屋、肉は肉屋、鶏肉はかしわ屋、雑貨は雑貨屋に行く。
お米も酒も、電話で注文すれば米屋と酒屋が家まで届けてくれる。
京都の人々は、何も大型量販店の存在に反対なわけではない。
その方が便利だからという理由で、近所に買い物に行くのだ。
そして私はそういうライフスタイルは貴重だと思う。
このような商店街の対極にあるのが、イオンモールやダイヤモンドシティ
などのショッピング・モールだろう。
郊外の、お互いが車でたった10分の距離に巨大な建物が並立している。
そこの店舗構成は驚くほど似通っている。
キーテナントにスーパーマーケット。これは絶対条件のようだ。
サブ・テナントにユニクロ、ABCマート、スターバックス、京風ラーメン、
築地銀だこ。
日本中何処に行っても同じ服が買え、同じものが食べられる。
もちろん「地域性」「個性」は殆ど感じられない。
正直言って、私はこの種のショッピング・モールに何の魅力も感じない。

だが、このトレンドも昨年の原油暴騰をきっかけに変わりつつある。
これらのショッピング・モールへのアクセスは車利用が基本理念。
だがガソリン価格上昇と金融危機の影響で、「脱・車社会」「地産地消」
「エコライフ」という考え方が顕在化してきた。
日本人の消費傾向も今後は「全体的に節約」「電車・バスを利用」
「自転車を利用」「ハイブリッド・カー購入」が上位にランクされる、
という統計もある。
商店街は、今が復興のチャンスなのではないだろうか。
人々が公共交通機関や自転車を利用し始めた今、郊外のショッピング・
モールに流れた地元の購買層を呼び戻すチャンス到来、と考えるべきだ。
もちろん商店街に求められる営業努力もある。
営業時間の見直し、駐輪場、無料休憩所、公共トイレの整備は必須だ。
雰囲気にそぐわない遊戯施設・風俗店の出店規制等・・・これは色々な意見
があるだろう。パチンコ店や風俗営業があるからこそ、「ごった煮」の雰囲気
こそが地方の商店街の魅力、という見方もできるのだから。
「清潔感」だけでない「生活感」こそが商店街の魅力なのだ。
商店主達の一体感も、より一層高めるべきだ。独自イベントの企画、
地元イベントへの協賛、他地区商店街との連携も必要だろう。
もちろんそれらに与せず、独りわが道を行く商店があっても、それはそれで
個性があっていい。
前回のブログに書いたような「頑固おやじ」の存在も、また商店街の
個性・魅力なのだから。
むしろ「統一性の無さ」「自分勝手」なところこそが、大資本が開発・経営
しているショッピング・モールではあり得ない商店街の懐の深さといえる。
政府系中小企業支援機構の助成金も、もっと増やしていい。

いずれにせよ次世代の商店主には、これ以上「シャッター商店街」を
増やさない、日本の小売店業界の将来の屋台骨を支えるくらいの気概を
持って欲しい。
写真は上から北区旧大宮商店街。
http://hiroharaph.exblog.jpより
中は京都の「ダイアモンドシティ・ハナ」
下は旧大宮商店街振興会主催の夏祭り風景。
http://blog.mahirodental.com より
文中資料は「月刊プレジデント 2008年10月号」より

