監督を代える時が来た
2010年 02月 07日
先日の対ベネズエラ、昨日の対中国戦をテレビ観戦し、もうガマンでき
なくなった。
私はかねてより現代表の岡田武史監督の采配、チームマネジメントに疑問
を抱き、苦言を呈してきた。
が、今日はよりハッキリと言わせてもらう。
「岡田監督では日本はワールドカップ本大会で惨敗を喫する」と。

ベネズエラも中国も確かに強く、素晴らしいパフォーマンスを披露して
くれた。
しかし両チームともワールドカップには出場できない「格下」であり、
しかも今回は日本でのホームゲームだ。
戦術的に日本が特にひどかったのが、本来得意の筈のサイド攻撃。
サイドバックの選手たちは相手のプレッシャーの弱いタッチライン近く
からセンタリングを放り込むだけ。
これでは上背のある相手バックスに楽々と跳ね返されてしまう。
センタリングは相手ペナルティエリアまで切れ込んでから上げる、
という基本プレーをすっかり忘れてしまっている。
現日本代表のサイドプレイヤー達は、サイド攻撃=センタリングを
上げる事、と勘違いしているのではないだろうか?
サイド攻撃こそが現代サッカーの主流なのに。
もっと言えば、岡田監督は中盤に華麗なプレイヤーを置き、その
「司令塔」がゲームを支配するという20年前のサッカーセオリーを
未だに信望しているとしか思えない。
個々の選手について批判する気は毛頭ない。体調が悪い、チーム戦術と
合わない、運が悪い等々で良いパフォーマンスを発揮できないことも
選手には多々ある。
要は、そんな選手を誰が代表に選び、かつ試合に出したか?
明るい話題は稲本潤一がようやくチームにフィットした事。
彼のような中盤の「壊し屋」はこのチームには絶対に必要だ。
このポジションには阿部、今野、最近代表に召集されていないがレッズの
鈴木、ガンバの明神等、タレントが豊富なのも心強い。
が、岡田監督がそんな「壊し屋」を好まないのは明白だ。

そして平山相太の復活。「ターゲットマン」として彼のポテンシャルは
高い。まだA代表に呼ばれ実質的に2試合をこなしただけだが、もう少しで
チームにフィットする域まで達して来ている。
この二人がチームのダイナモである長谷部誠、得点のカギを握る本田圭佑
と上手く絡めば、ワールドカップ初戦のカメルーン撃破も夢ではない。
・・・もっとも長谷部以外の3人は岡田監督からは冷遇されていて、
「バックアップ」としかとらえられていない。

こんなチームを短期間で劇的に変え、本大会で予選リーグ突破ができるように
脱皮するには、やはり監督を代えるしか手はない。
しかもヨーロッパで実績を積んだ「名将」でしか成し得ない。
では誰を持ってくるか?
ワールドカップ本大会まであと4カ月。この時期での監督交代は無謀だと
いう意見も多いだろうが、実は世界のサッカーではよくある事。
私が来てほしいと願うのは、オランダ人のフース・ヒディンク、或いは
ブラジル人のルイス・フェリペ・スコラーリ。

ヒディンクは2002年日韓ワールドカップで韓国をベスト4に、2006年では
32年ぶりに出場を果たしたオーストラリアをベスト8に押し上げた実績が
ある。日本を大逆転の1-3で下したあの監督だ。
その後ロシア代表監督としてEuro2008で準優勝という輝かしい戦歴を
誇っている。
一方スコラーリは2002年にブラジル代表監督として優勝に導き、その後
ポルトガルを2004年のEuro準優勝、2006年ワールドカップベスト4という、
これまた素晴らしい実績がある。
二人とも現在殆どフリーな状態だ。

私がなぜこんなにサッカー日本代表の弱さを憂慮するかというと、最近の
サッカー人気の凋落があまりに激しいからだ。
今年1月30日の読売新聞に衝撃のアンケート結果が出ていた。
成人を対象に「見るのが楽しいスポーツ」を対面調査方式でアンケートを
取ったところ、大リーグと甲子園を含む野球が断然トップ。
以下駅伝を含むマラソン、ゴルフ、スケート、相撲、バレーボールと続き、
サッカーは7位という体たらく。
「好きな選手」もイチロー、石川遼、浅田真央、松井秀樹と続き、サッカーは
中村俊輔がやっと15位にランクされるという惨状。
これでもし岡田監督が「ベスト4を目指す」とかいう大ボラを吹いた後に
ワールドカップで日本が惨敗したら、1970,80年代のサッカー冬の時代に
逆戻りしてしまうかも、という恐怖をおぼえる。
あの頃をサッカー少年として過ごした私には、悪夢としか言いようがない。
日本サッカー協会と岡田監督に与える猶予はあと一試合。14日の日韓戦だ。
ここで実力も実績も遥か上だが、おこがましくも「永遠のライバル」と
呼ばせてもらっているお隣の韓国にみっともない負け方を喫したら、
もう決断を下すべきだ。そしてその可能性は限りなく高い、と私は見ている。

