銅メダルをサポートした京都の病院
2010年 02月 22日
大病院ではない。街中の小さな総合病院という佇まい。
患者の殆どは地元の人たち。狭い待合室にはいつも人であふれている、
どこにでもある光景だ。私の家内の親戚の何人かも、この病院を
かかりつけにしている。
この街の小さな総合病院が、現在カナダのバンクーバーで開催されている
冬季オリンピックの男子フィギュアで、見事銅メダルを獲得した
高橋大輔を支えた病院なのである。
高橋は2008年の10月、練習中に右膝を負傷する。診断は「右膝前十字靱帯
断裂」。選手生命を脅かす重症だ。
バンクーバー出場を決める予選会までたった1年余りの時点で、高橋は膝に
メスを入れる事を決断する。
手術は無事成功。術後のリハビリの苦痛に耐え見事に復活した。
その3週間に及ぶリハビリを施したのが、この「がくさい病院」なのだ。
正式名称は「京都地域医療学際病院」。内科、スポーツ整形外科、
耳鼻咽喉科、皮膚科、神経内科、脳神経科、放射線科、そして
リハビリテーション科がある。
Jリーグの京都サンガの選手や、関西を拠点にするラグビーや
アメリカンフットボールの選手の来院も多い。
私自身は花粉症の治療以外、普段は殆ど医者に行くことがないのだが、この
病院では3年前に生涯で初めての胃カメラを飲んだ経験がある。
胃カメラは苦しくてきつい。
が、私がむせたりせき込むと、傍らにいた看護婦さんが黙って背中をさすって
くれた。
大した事ではないかもしれないが、そのおかげで身体も気持ちもどんなに
楽になり、ありがたかった事か。
誰がつけた名称かは知らないが、「白衣の天使」とはよく言ったものだと
つくづく感心してしまった。
高橋大輔もきっとあの天使たちがいてくれたおかげで、辛いリハビリに
耐える事が出来たのだろう。
ちなみに彼が膝の手術を受けた病院は「社会保険京都病院」、旧称「鞍馬口
(くらまぐち)病院」。膝関節手術では関西のトップレベルにあるという。
ここも我が家から徒歩で10分ほどの距離で、私の二人の娘はここの産婦人科
で生まれた。
高橋大輔の銅メダル獲得をサポートした人たちは数多くいるだろうが、
この二つの病院の役割は重要なものであった筈だ。
近所の慣れ親しんだ病院がこんな栄誉に属した事を、地域住民はもっと誇りに
思っていい。
写真は上から「がくさい病院」の全景。3階に見える廊下部分で、高橋大輔が
リハビリの歩行訓練を行っていた。
3番目は、高橋大輔のショートプログラムの演技を病院の待合のテレビで
観戦する人たち。ここには映さなかったが、数名の医師や看護婦さんたちが
真剣な眼差しで見入っていたのが印象的だった。
4番目は鞍馬口病院全景。