ジープ・コンプレックスと車離れ
2010年 07月 31日
「アンチエイジングブログ」で、先生は御自分の
「ジープ・コンプレックス」について語っている。
先生のようないわゆる「戦中派」世代は、戦後、進駐軍が都内を
乗り回すジープに憧れを抱いていて、それが今にも続く外車・
輸入車信仰になっているというのだ。(先生の文章から私が解釈
したもの。是非原文を参照頂きたい)。
ジープに代表されるアメリカへの憧れが数世代を経ても連綿と続き、
その結果舶来礼賛・欧米追従の思考が我々日本人に強く刷り込まれて
しまっている、と言えなくはないだろうか。
アメリカのカー・ライフは常に憧れの対象で、彼らのスタイルを
そっくりコピーする事が我々の生活に根付いている。
例えばデートで、コンパーチブルの助手席にガールフレンドを乗せ、
海岸通りを軽快なアメリカン・ポップスを聞きながらドライブするという、
映画に良く出てくるシーン。
或いは買い物に行く時も、週末に郊外の大型スーパーに車に乗って
買い出しに行き、大量に買い込んでこれまた大型冷蔵庫に貯蔵すると
いう大量購買・消費スタイル。
実際の生活の場にこのようなシーンを体験したかどうかはともかく、
こういったライフスタイルに憧れる思考は戦後アメリカによって
もたらされたもので、たった数十年の間でそれが日本に見事に
根付いているのだ。
まさにアメリカ礼賛・追従であり、彼らのPR・洗脳能力には驚かされる。
日本固有の生活習慣はどこにいってしまったのだろう。
もっと言えば、アメリカ追従のあまり国家存続の根幹を成す国防まで
委ねてしまっているこのていたらく。
閑話休題、日本の30代以下の世代で「車離れ」が進んでいるという
報道をお聞きの人は多いだろう。
(社)日本自動車販売協会連合会の統計によると、新車の登録台数は
2001年に計406万台だったのに対し、2005年は393万台と漸減、
そして2009年度には292万台と、2001年に比べ28%も減少している
というのだ。
(www.jada.or.jpより)
理由として様々な要因が挙げられるが、日本の若年層には先に述べた
アメリカ的なモータリゼーションに代表されるライフ・スタイルの影響が
及んでいないのかもしれない。
もちろん違う形でもっと色濃く影響が及んでいる、という見方もあるが。
ジープ・コンプレックスの無い若い世代には、我々の多くに染み付いて
しまった「舶来礼賛・欧米追従」を覆し、日本固有の文化・伝統を基に
した生活習慣、思考を再確立する事を期待したいものだ。
そう考えると、車離れにも以外な効用があると言えるかもしれない。
写真は全てイメージ。