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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

ジープ・コンプレックスと車離れ

敬愛する北里大学名誉教授、塩谷信幸先生の無敵のブログ
「アンチエイジングブログ」で、先生は御自分の
「ジープ・コンプレックス」について語っている。

先生のようないわゆる「戦中派」世代は、戦後、進駐軍が都内を
乗り回すジープに憧れを抱いていて、それが今にも続く外車・
輸入車信仰になっているというのだ。(先生の文章から私が解釈
したもの。是非原文を参照頂きたい)。

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ジープに代表されるアメリカへの憧れが数世代を経ても連綿と続き、
その結果舶来礼賛・欧米追従の思考が我々日本人に強く刷り込まれて
しまっている、と言えなくはないだろうか。

アメリカのカー・ライフは常に憧れの対象で、彼らのスタイルを
そっくりコピーする事が我々の生活に根付いている。
例えばデートで、コンパーチブルの助手席にガールフレンドを乗せ、
海岸通りを軽快なアメリカン・ポップスを聞きながらドライブするという、
映画に良く出てくるシーン。

或いは買い物に行く時も、週末に郊外の大型スーパーに車に乗って
買い出しに行き、大量に買い込んでこれまた大型冷蔵庫に貯蔵すると
いう大量購買・消費スタイル。

実際の生活の場にこのようなシーンを体験したかどうかはともかく、
こういったライフスタイルに憧れる思考は戦後アメリカによって
もたらされたもので、たった数十年の間でそれが日本に見事に
根付いているのだ。
まさにアメリカ礼賛・追従であり、彼らのPR・洗脳能力には驚かされる。
日本固有の生活習慣はどこにいってしまったのだろう。

もっと言えば、アメリカ追従のあまり国家存続の根幹を成す国防まで
委ねてしまっているこのていたらく。

ジープ・コンプレックスと車離れ_c0094556_939385.jpg


閑話休題、日本の30代以下の世代で「車離れ」が進んでいるという
報道をお聞きの人は多いだろう。
(社)日本自動車販売協会連合会の統計によると、新車の登録台数は
2001年に計406万台だったのに対し、2005年は393万台と漸減、
そして2009年度には292万台と、2001年に比べ28%も減少している
というのだ。
(www.jada.or.jpより)

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理由として様々な要因が挙げられるが、日本の若年層には先に述べた
アメリカ的なモータリゼーションに代表されるライフ・スタイルの影響が
及んでいないのかもしれない。
もちろん違う形でもっと色濃く影響が及んでいる、という見方もあるが。

ジープ・コンプレックスの無い若い世代には、我々の多くに染み付いて
しまった「舶来礼賛・欧米追従」を覆し、日本固有の文化・伝統を基に
した生活習慣、思考を再確立する事を期待したいものだ。

そう考えると、車離れにも以外な効用があると言えるかもしれない。

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写真は全てイメージ。
by Mikio_Motegi | 2010-07-31 18:43 | ブレイク