ジャズの未来
2010年 09月 04日
横田寛之というサックス奏者がリーダーの、「エスニック・マイノリティ」
というフュージョン系バンドだ。
彼らは不定期だが、週に何日か夜の10時ごろから渋谷のハチ公口を
西武百貨店方面に渡った辺りでプレイしているらしい。
私が遭遇したのはシャッターを閉めた大盛堂書店の前だった。


元々生演奏が好きなので、どんな街頭での演奏でもつい立ち止まって
聞き入ってしまう私だ。
だがそのうちの90%はどうでもよい、自分たちと身内だけが自己陶酔
しているゴミのような存在で、往来の邪魔になるただの騒音にすぎない
と言える。
ほんの時たま素晴らしい演奏に出会う事もあるが、"Groove" を感じるに
至らない。むしろ演奏後のCD販売に熱心なあまり「あざとさ」が
前面に出てしまい、鼻白む事が殆どだ。
だが「エスニック」の演奏には、最初の音を耳にしただけで感じる
衝撃、Grooveがある。また相当腕に自信があるのだろう。演奏後の
CD販売に無頓着なのもクールだ。
昔は聞く音楽と言えばロックかジャズしかなかった私が、最近は
クラシックに傾倒しているのは、年のせいだけではない。
素晴らしい若手のアーティストがジャズにいないからだ。
関西でも自治体が主催する「ジャズ・ストリート」とかいう
終日街中でジャズの生演奏を垂れ流すお祭りがあるが、あれはいわゆる
地域振興策というお役所仕事の一環だ。
私は6年前に関西の複数の「ジャズ・ストリート」を聞きに行って失望し、
それがきっかけでジャズから離れてしまったのである。
そこで演奏されていたのはどれもジャズの物まねばかりで、
オリジナリティのかけらもない、また奏者も身内向けの自己陶酔連中
ばかりだった。
だが考えてみると、自治体のお手盛りジャズバンドがGroovyなわけが
無い。あれを見てジャズを見限った私は、今まで大きな勘違いを
していたのである。

横田寛之は早大在学中に「早稲田大学ハイ・ソサエティ・オーケストラ」
という名門ビッグ・バンドのコンサートマスターを務めている。
現在は「エスニック・・・」の他に「ゴウダウ」というバンドも結成して
いて、7月に初のCD「表参道ワンピース」をリリースした。
今は様々なメンバーとセッションし、自分のスタイル確率を模索している
時期のようだ。
彼らのような活きのいいバンドがいるという事は、日本のジャズの未来も
暗くない。これからのブレイクに大いに期待したい。
また世の中は狭いもので、横田寛之は私が所属するACCJ
(在日米国商工会議所)の名物会員タイガー大賀(たいが)さんの
お知り合いでもあるらしい。
愛すべき73才のタイガーさんが自らのバンドを率い、コンサートでの
聴衆を前にディーン・マーチンを歌う時、だんだんずれていく音程・
リズムを後ろで修正する役を担っているとの事。
渋谷の単なるストリート・パフォーマーではない、「ジジ殺し」の
テクニックも心得ているところがニクい。

写真は上から「エスニック・・・」の渋谷での路上ライブ風景。
YouTubeは「ゴウダウ」の「表参道ワンピース」。
「表参道ワンピース」のCDパッケージ。このセンスの良いイラストにも
注目しているのだが、アーティストのクレジットが無く詳細不詳。
タイガー大賀(本名:大賀昭彦)さん。毎晩夕方5時からオオトラに化ける。
・・・このブログをエントリーする際に友人に確かめたのだが、
自治体主催のジャズストリートにもたまに素晴らしいバンドが紛れて
いるという。今度改めて出かけてみようと思う。

