日本海の盾‐イージス艦「あたご」
2010年 09月 24日
愛する娘アテナイへ与えたる盾(たて)の名称が語源だ。
AEGISはあらゆる邪悪な敵を退けるという。
まさに日本を他国からの侵略から守る盾の役をしてくれるイージス艦
「あたご」の艦内を見学する機会が訪れた。
京都商工会議所観光部会の日帰りツアーでの事である。
日本海に面する京都府舞鶴市には海上自衛隊舞鶴地方隊があり、「あたご」
と「みょうこう」の2艘のイージス型駆逐艦の他、5艘の通常型駆逐艦、
2艘のミサイル搭載艦、その他護衛艦、補給艦、掃海艇等16艘の艦艇が
配備されている。
地政学上、日本海を挟んで対峙する中国や北朝鮮等の脅威に対しての
防衛を意図しているのは明白だ。
日本国海軍舞鶴鎮守府としての歴史は1901年にさかのぼり、初代司令長官
は、後に日露戦争でバルチック艦隊を撃破したあの東郷平八郎元帥である。
イージス・システムはアメリカが開発した、レーダーを使ったセンサー、
CPUを使った情報処理システム、ミサイルや魚雷を使った攻撃システムを
有する。
このシステムは敵からの数々の脅威(ミサイル、爆撃機、潜水艦、戦闘機等)
に対し128の攻撃を同時捕捉し、脅威のプライオリティを即座にはじき出し、
10ヶ所以上を同時に迎撃対応する事ができる
そのような大変高度なシステムゆえ、アメリカ以外に輸出、ライセンス生産
が許されているのはアメリカと強固な関係にある同盟国だけだ。
日本は計6艘を有しアメリカ以外の諸外国では最大、他にスペインと
ノルウェー、韓国が4艘を保有、オーストラリアと台湾、ギリシャが
現在建造中だ。
「あたご」をはじめとする舞鶴地方隊は、尖閣諸島の明白な領海侵犯等、
相変わらず強引な中国をけん制する重要な役目を担っている。
「あたご」後部甲板より、ミサイル搭載艦「はやぶさ」をバックに。
日章旗がはためき、プチ国粋主義者になった気分。
「あたご」の管制塔。左右のダイヤモンド型の覆いの中にイージス・
システムが設置されている。
VLS/Vertical Lunching System。MK41ミサイル垂直発射装置。
3枚上の写真はアメリカでの発射演習。
管制塔内部。
精悍な水雷長と。
まだ若い運行士官と。
艦内を案内してくれた士官たち。日本国海軍の伝統を受け継ぎ、
皆スマートだ。
対潜水艦魚雷。
対潜水艦魚雷の発射演習。
「戦争反対」「世界を平和に」を旗頭にし、現実に起きている外国からの
脅威に目をそむけ、こうした防衛の最前線を知らないで日本の軍備に
反対している人々に言いたい。
日本が他国に攻められたら、あなたはどうするのか?と。
彼らが盾になっているからこそ、日本の平和は保たれている。
私の世代の男子なら、子供の頃に軍隊や戦争への憧れを抱いた経験の
ある者は多い。
1960年代には戦記物のマンガ「紫電改のタカ」「あかつき戦闘隊」
「ゼロ戦はやと」やアニメ・ドキュメンタリー「決断」を毎週楽しみ
にしていたものだ。
昔を思い出し、興奮して写真を撮りまくってしまった。
最後のショットは、午前中に訪れた日本三景のひとつ、おなじみの
「天橋立」。
この平和な光景がいつまでも続きますようにと願う気持ちは、
誰も同じ。
だが他国からの無理難題の言いがかりに対し、
唯々諾々(ゆいゆいだくだく)と従っていたのでは、平和は得られない。
ところで「あたご」は2年前に海難事故を起こしている。「その件については
『武士の情け』、なるべく触れないであげてください」とは、我々を案内
してくれた陸上自衛隊広報官の言葉。