オペラな夜
2010年 12月 05日
ショーに行って来た。
会場はリノベーションを終えたばかりの最上階のイタリアン「タボラ36」。
今回の企画の目玉は、メトロポリタン・オペラ所属の歌手による約40分間
のオペラのミニ・コンサートがある事だ。

ちなみに主催はNPOの「JVC 国際ボランティア協会」。
各地でコンサートを開催し、その収益金で世界中の貧困や大災害に喘ぐ人々を
救おう、という団体だ。
このディナー・ショーは私の所属するACCJ(在日米国商工会議所)の
社会貢献プログラムの一環でもあり、私も特別料金で参加する事ができた。

私が初めて本場のオペラを観たのは20年以上前のウィーン・オペラハウス
での「ワルキューレ」と「トリスタンとイゾルデ」だった。
あの時は、それまでに訪れた事のある日本のコンサート・ホールとは全く違う
雰囲気に圧倒されたものだ。
ブラック・タイとイブニング・ドレスで着飾った男女、高価そうな香水の匂い、
豪華な内装、幕間のシャンパン、そして奮発して購入した桟敷席から観た壮大
(長大?)なる歌曲。絢爛たるハプスブルク文化の神髄の一端に触れた気が
したのを思い出す。
ただし日本にやってくる本場のオペラはチケット代が高い。
一般席でも数万円はするので、そう度々楽しむわけにはいかない。
だから今回のディナー・ショーは、ACCJでの企画段階から大変楽しみに
していた。

さてレストランでのショーという事で、演目は下記のアリア:
「こうもり」より “乾杯の歌” ヨハン・シュトラウス
「ドン・パスクァーレ」より “なんと快い4月半ばの夜よ”ドニゼッティ
「ルサルカ」より “月に寄せる歌” ドボルザーク
「ラ・ボェーム」より “年老いた外套よ、聴いておくれ” プッチーニ
「カルメン」より “セギディーリャ” ビゼー
「ホフマン物語」より “バラカローレ(舟歌)” オッフェンバッハ
これにいくつかのクリスマス・メドレー。

残念ながらパフォーマンスはやや低調だった。
レストランなので音響も悪く、細かい事だがソプラノはビブラートを
効かせすぎ、テナーは低音部がまるで出ていなかった。
しかしKenneth Kellogg というアフリカ系バリトン歌手の声は深く伸びが
あり、素晴らしかった。
また日本人女性によるピアノ伴奏も秀逸。
ディナー・ショーという事で、客は必ずしもオペラのファンばかりではない
ので、雰囲気がややだらけていて緊張感が無かったのも事実。
ステージのすぐ脇の席に座っていたイブニングドレス姿の若い外国人女性が、
ショーの最中に煙草をすぱすぱ吸いだしたのには驚いた。
が、オペラやクラシックが今のようなコンサート・ホールで演奏される
ようになったのはモーツアルトの頃からで、それ以前は王族等のパトロンの
屋敷でのサロン・コンサートが主流だった。
そこでは当然酒食が供されており、歌手たちは煙草やアルコールの匂いの
中でパフォーマンスを演じるのが普通だ。
現在のように、しわぶきひとつも憚れるような雰囲気は無かったろう。
だからその外国人女性も、当然サロンの歴史を知っての喫煙だろうから、
今回は不問に付しておこうと思う。

今回のショーの後、JVCは大阪と東京で大観衆を前にした本格的な
チャリティ・コンサートを開催するという。
歌手たちが今夜のパフォーマンスで声馴らしをし、本番に備える手助けに
なったとしたら、チャリティに参加できない私としては本望ではある。


写真は上から今回のパンフレット。
ミニ・コンサート風景。
ACCJ古参会員である吉原氏と私。
ACCJメンバーによる集合写真。
ACCJ関西の事務局、KeizoさんとYukoさんの2ショット。

