ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

メディアのホテル・ランキング

週刊ダイヤモンドの2月5日号で、「激変!日本のホテル」と題して
ホテルランキングを掲載している。
ビジネス誌でこの手の特集を見るのは久しぶりのような気がしたので、
書店でパラパラとページをめくってみた。

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結論として、話のタネとしては面白いが、メディアのランキングなるものに
惑わされる事の無いよう自分の価値基準をしっかり持つ必要があるな、
と感を強くした。

まず雑誌を手にとって「ふんふん」と読み進むうち、知人のある外資系
ホテルの経営者の名前が、誤植というか、それ以前のとんでもない別人の
名前になっているのを発見。
どうせ電車内で読み捨てられる週刊誌だが、掲載する個人名のチェックも
しないのか、とがっかりした。

一度疑ってしまうと次々に突っ込みたくなるのは無理からぬ事で、彼に
まつわる情報もピンボケだし、他のマーケット情報も明確な間違いがある。

そもそもアンケートの抽出方法までおかしい気がする。
何故ビジネスマンが中心のアンケートで、ディズニーランド周辺のホテルが
トップクラスにランクインするのか?
私の知り限りあの周辺のホテルの利用客に、ビジネス目的で泊まる人は
極めて少ない筈だからだ。

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さて敢えて名称は明かさないが、私がかつて勤務した東南アジアのさるホテル
では、世界中のビジネスマンが購読する雑誌に掲載されるホテルランキングに
自らのホテル名を載せるべく、プロジェクト・チームを組んだ事がある。

そのチームを統括した女性のマーケティング部長は、私たちメンバーの
前で、「ミキオ、それなりの方法を使えば・・・誌のランキングにこのホテル
を掲載させるのは簡単なのよ」とウィンクしたものだった。

彼女によると、その雑誌の購読者層は欧米の金融マンの比率が非常に
高い。彼らは所属する会社と法人契約を結んでいるホテルを選んで宿泊する。
よって具体的な手順として:

1.営業チームが欧米の金融機関と多く法人契約を締結し、彼らの宿泊を
促進する。つまり・・・誌のホテル・ランキングのアンケート対象者が数多く
宿泊するように計る。

2.彼らが実際に宿泊したら、滞在中に特に手厚くサービスを施す。
例えば客室の無料グレード・アップ、総支配人主宰パーティへの招待、
特別なアメニティの手配、空港送迎サービス等。

3.彼らをリピーター化する為のフォロー・アップを綿密に行い、ついでに
・・・誌のアンケートの際は宜しく、とお願いする。

・・・どれもこれも宿泊客を大事にする当たり前のサービスのように見えるが、
「欧米の金融機関」にターゲットを絞る、というのがミソだった。

4.ちなみに裏の手段として、・・・誌の定期購読者リストを入手、人物を
特定し、その人物が宿泊する際は最上級の歓待を施す、というものもある。
私たちはその手段は採用しなかったが、そのリストは比較的簡単に入手できる
ものだった。

果たしてそのプロジェクトを始めた年は間に合わなかったが、翌年発表の
・・・誌には「アジアのベストホテル」のトップ10に私たちのホテルが見事に
掲載されたのである。
・・・もっともこれには後日談があるが、長くなるので省略。要するに
この手のプロモーションにはリスキーな面もあるのだ。

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もちろん「週刊ダイヤモンド」のホテルランキング調査と、世界の
ビジネスマンを対象にする・・・誌のランキングではコンセプトも異なる
だろうし、同じ目線で単純に比較することは出来ない。
ただ大手メディアに掲載されるこの手のランキングなるものは、大抵上記の
ような操作・バイアスがかかっているものとみて間違いない。

そしてこれも当然だが、大手メディアのランキング調査の結果をどう評価
するかは、実際の利用者の裁量に委ねられることを忘れてはならない。

もっと言えば、こうしたランキング結果、情報を金科玉条のごとく
崇め奉っていると、メディアの情報操作に簡単に引っかかる可能性が
高くなるのではなかろうか。
要するに本物を見分ける目を養う事が肝心なのだ。

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写真上から2番目は luxryhotel.com より。
3番目は帝国ホテル。
4番目は最近何かと話題のウェスティン東京。
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by Mikio_Motegi | 2011-02-06 21:52 | 人材・ホテル