復興を支えるもの
2011年 04月 03日
市民に向かい「ミュージカルに行こう、映画を観よう。大人気の
『ザ・プロデューサーズ』だって今ならチケットが手に入るぞ」と、
未曾有の大惨事に意気消沈する人々を鼓舞したという。
テロに遭ったからといって意気消沈していたのでは経済は回復しない。
むしろそれこそテロリストたちの思うつぼなのだ。
そんなジュリアーニの言葉に市民はどんなに勇気づけられた事だろうか。
実際メジャーベースボールは10日後に再会。ジュリアーニ自らメッツの
試合に足を運んだという。
3月29日(火)のサッカー日本代表対Jリーグ選抜の試合は見応えがあった。
タイトルのかかっていない試合で、日本代表がここまでパフォーマンスを
魅せるのは、日韓戦以外滅多にない事だ。
もちろん震災の被災者のみならず、日本そのものを鼓舞しようという強烈な
使命感はあっただろう。が、同時に新旧の代表対決の様を呈したメンバー構成
も、彼らのモチベーションをぎりぎりまで上げてくれたに違いない。
「ここぞ」という時にゴールを挙げたキング・カズは凄い。
私は今回彼の活躍など全く期待していなかったのだが、短時間のプレー、
満員の大観衆、日本中が注視する試合という好条件が揃い、彼の
「お祭り男」ぶりがいかんなく発揮された。
ほんと、あの一発以外にカズはピッチでうろうろしているだけだったのに。
また闘莉王のアシストも見逃せない。GK川口からのロング・フィードを
岩政大樹に競り勝ち、カズにつなげた闘志あふれるヘディングだった。
スポーツの世界がこれだけ団結し復興を訴えているのに、どうもこの国を
覆う「自粛ムード」が晴れない。
今回の大災害では発電施設が被災した為、節電を強いられているという
事情はある。避難所生活で窮乏している同胞に毎日メディア通し接して、
心を痛めない人はいない。
だが、昼間にできるイベントだってあるし、酒を飲まなくても盛り上げられる
パーティーだってある筈だ。
こういう時こそ、ジュリアーニのようなリーダーがいて、国民を盛り上げて
鼓舞すべき時なのに、現政権にその気概も意思も無いようだ。
外国からの「頑張ろう!」「日本は素晴らしい!」という称賛は、当初は
聞いていて嬉しかったし、鼓舞されもした。
が、現政権のあまりにも情けない、ふがいない震災対策に、称賛されると
却って恐縮してしまう気持ちが芽生えてきた。
いくら外国人が称賛してくれても、肝心の首相がこの体たらくだし、まして
圧倒的多数で民主党政権を選択したのはつい1年前の我々自身だった。
とにかく反省・検証・批判・非難をしている場合ではない。一番大事なのは
この国の展望を指し示す事である。
写真は上からジュリアーニ前ニューヨーク市長。
このエピソードはブログ「ウォールストリート日記/
http://wallstny.exblog.jp/ 」より。
ミュージカル「ザ・プロデューサーズ」(これは2005年版)。
サッカー日本代表対Jリーグ選抜。
キング・カズ。これほどの選手がワールドカップ出場経験がないというのも
改めて驚かされる。
サンケイ・ニュースより。京都御所で拝観を規制したら日本の復興に
繋がると本気で信じている「木っ端役人」がここにもいる。