近江商人の里 - 三方良し(さんぽう よし)
2007年 03月 11日
豪商屋敷が4軒、博物館になっていて江戸時代・寛永年間から伝わる豪奢なひな人形と家屋敷を堪能した。

驚いたのは、こうした豪商の屋敷や庭の造りが、私の生家や親戚・縁者のそれと非常に似ていることだ。私の実家のある群馬県桐生市は、昔は生糸で大変栄えた地方都市だった。近江商人たちがその繁栄ぶりに目をつけ、ここで商売を始めて定着したのだ。もちろん田舎都市の桐生商人たちは近江商人のもたらす新しい商売の手法、技術、文化に瞠目し、積極的に取り入れようとしたのはいうまでもない。
よって桐生商人の家屋敷もこうした近江の影響を受けたのだろう。しかしまさかこんなところで私の実家や、今は商業地に再開発されてしまったが昔よく訪ねた親戚の家にそっくりの商家の佇まいに接するとは夢にも思わなかった。
「近江商人は他国で商売をし、やがて開店することが本務であり、旅先の人々の信頼を得ることが何より大切であった。そのための心得として説かれたのが、売り手よし、買い手よし、世間よしの『三方良し(さんぽう よし』である。取引は、当事者だけでなく、世間の為にもなるものでなければならないことを強調した『三方良し』の原典は、宝暦四(1754)年の中村治兵衛宗岸の書置である」・・・http://www.shigaplaza.or.jp/sanpou/index.html
近江商人の系譜には、私がかつて勤務していた西武(セゾン)グループの他、伊藤忠、丸紅、ワコール、ややエリアは離れるが髙島屋等がある。
三方良しをホテル業界に置き換えると、Customer Satisfaction, Employee Satisfaction そして Stake Holder Satisfaction であろう。
ホテル業界の皆さん、近江商人のこの教え、どう思いますか?
特に最後の 「世間良し・Stake Holder Satisfaction」について。
文中の写真は「豪商外村家住宅」のひな人形の展示。
下は同じく外村家の2階より庭を見下ろしたもの。


