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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

新橋第一ホテル

「何を今さらそんなところに泊まるの?」とは嘗てのホテリエ仲間の弁。
私が今回の東京出張時に新橋第一ホテルに泊まる、と言った時のことだ。
確かにこのホテルは話題性に乏しく、地味である。が、30㎡強のツイン・
シングルユースで朝食無し17000円という値段、今回は山手線沿線での
ミーティングが多く移動に便利、初めて知ったのだが雨が降っても地下道
で新橋駅に直結していること、また屋内プールを含むフィットネス施設が
充実していること、等々が今回選んだ理由だ。

結論から言うと、ホテルの立地、施設、サービスは申し分ない。
コスト・パフォーマンスから評価すると都内でも上位に入る。
新築オープンして12年立つが、上手くリノベーションをしている。
スタッフも総じて爽やかで親切、よく気がつく。
朝食はアネックスでのビュッフェが2700円、本館でのセットメニューが
3200円。当然ビュッフェを選んだが、これはまあまあ。

ただ、やはりもう一度泊まりたいかと聞かれたら私は「わからない」としか
答えられない。なんといっても特徴が無いのである。センスが無い、
光るものが無い、わくわく感が無い。
ロビーに座っている人々も、一昔前のエスタブリッシュメントという感じ。

このホテルは敢えて言えば学校の成績がいつも5段階評価で5が一つ、
後はオール3という生徒みたいな、面白くも何とも無い、卒業したら誰も
思い出さない、「ああ、そんなヤツがいたな」という程度の存在なのだ。

安普請なベルサイユ調の内装、ブラウスにロングスカートというラウンジ・
コンパニオンのコスチューム、明るい緑色のベルマンのユニフォーム、
入り口に立つ黒服親父の「いらっしゃいませ~」の時代がかった
グリーティング。全てが古臭い。
築地の阪急ホテル同様、どうもこの阪急・第一ホテルチェーンはホテル経営
にどこまで本気ななのか訝ってしまう雰囲気がある。

これは従業員のせいでは決して無い。だいたいこのご時世で
「第一ホテル」などというブランドはないでしょう。
ブランドを変え新富裕層にターゲットをフォーカス、アバンギャルドな
インテリア、ユニフォーム、先端を行くレストラン。アイデアはどんどん沸いて
来る。何しろそれだけのポテンシャルがあるのだから。

「そんなこと言ったって、ウチは都内主要32ホテルの内、ADR,OCC%
Rev/Roomはどれも10-18位。悪い成績じゃないもんねー」と返されたら
何も言えないが。
私としては「ほらやっぱりオール3じゃねえか」と独りつぶやくのみである。

写真は客室と客室階のまばゆいばかりの廊下。

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by Mikio_Motegi | 2007-05-02 22:41 | 人材・ホテル