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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

リレー音楽祭 at 京都ブライトンホテル

今年で12回目になる京都ブライトンホテルのリレー音楽祭に行ってきた。
毎年7月の約1ヶ月間、毎晩8時から30分間だけのミニコンサートで、
主にクラッシック音楽を演奏している。入場無料、但し全席立ち見。
とはいっても毎年必ずオペラの中丸三千繪は出演するし、実行委員長は
井上道義だし、ただのホテルの余興・エンターテイメントを凌駕する
本格的なイベントだ。

リレー音楽祭 at 京都ブライトンホテル_c0094556_551688.jpg


4年前に京都に移り住んでから私は毎年1度は足を運び「立ち見席」で
楽しんでいたが、今年は家族を連れて「リレー音楽祭鑑賞ディナー」を
試してみた。
ロビーに面したテラス風レストランで4800円のフレンチのミニ・コース。
食事後は自分の席で座ったまま音楽祭を楽しめる。
今夜は京都市グリークラブによる谷川俊太郎作詞の曲の合唱だ。
我が家の子供達にも理解でき、且つ忙しい彼女達のスケジュールに
合う期日はこの日しかなかったので、仕方ない。
そのグリークラブのメンバーにこのホテルの総支配人が加わっていて、
聴衆を前に気持ちよさそうに歌っていたのはご愛嬌。
このイベント、あまりコストもかかっていないようだし、少なくとも
ブライトンのイメージ・アップには寄与しているだろう。
近隣住民としてはいつまでも続けて欲しいイベントである。

このホテルはロビーが大変広く、6階まで吹き抜けの構造になっている。
家内の実家にも近く、独身時代は家内のお気に入りでもあり、特に2階
のバーのおつまみ「カマンベールチーズのフライ」が好きでよく
通ったそうだ。
20年ほど前に立った割には客室が広く、最低でも36㎡。
当時は「ホテル事業がうまく行かなかったら高級老人ホームにでも
商売変えするのでは?」と揶揄された。が、親会社の長谷川工務店も
一時の業績不振を乗り越え、頑張っているようだ。

気になるのが、京都のホテルのご多分に漏れずスタッフの閉鎖性だ。
京都のホテリエたちは他都市で働いた経験を持つものが少ない為、
新しいシステム、手法の良さがわからないし、それらを導入するのに
時間がかかる。
例えば売上げの最適化を図るレベニュー・マネジメント・システムも、
これだけのホテルなのにまだ本格的に導入していない。

また「いつかは京都にホテルを建てたい」という外資系ホテル
オペレータの標的になっているのも事実で、買収の噂が絶えない。

新しく大型ホテルを建築し成功させるには京都は本当に難しい土地
なので、既存のホテルの買収・コンバートが資金回収・キャッシュ
フロー改善の早道だ。
よってブライトンは彼らにとって垂涎の的なのである。
外国人投資家による日本株買い越しが1年以上続いているが、
このトレンドが続く限り、ブライトン買収の噂は絶えないだろう。
もしそれが現実の事となった時、ここのスタッフはどういうリアクション
を起こすのだろう。そしてこのリレー音楽祭の存続は・・・?

写真は上がロビー風景   同ホテルホームページより
下がブライトンホテル全景 kumagaigumi.co.jp/works/tech/hotel より
リレー音楽祭 at 京都ブライトンホテル_c0094556_15383581.jpg

by Mikio_Motegi | 2007-07-09 15:39 | 人材・ホテル