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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

香港の旅(3) 何故、今香港か?

・・・(前項より)

「ニューズウィーク」の今週号をめくっていると、"Living Large in Asia"
という記事が目に付いた。それによると香港では高騰する不動産相場と、
満員で子弟を通わすことの出来ないインターナショナル・スクールの問題が
深刻化している。それにより人や企業がアジアの「1級都市」である香港や
シンガポールを忌諱し、「2級都市」であるクアラ・ルンプール、バンコク、
上海、台北などに流れてしまうのでは、と危惧している。

香港では地元に住む知人の案内で、香港島の南側にある淺水湾
(レパルスベイ)と金柱(スタンレー)という別荘地に行ってきた。
喧騒を離れた海も空も群青色の景勝地であるこのリゾートでも、
コンドミニアムの値段が高騰している。
通りに面した不動産屋の店先に売り物件の表示があり、1500sqf
(1500スクエアフィート=約120平米)の部屋の値段が2.5Mとあった。
Mはミリオンの意味なので、1香港ドル=16円と換算すると、2.5Mは
日本円にして約4000万円。
何だ、京都の我が家と比べてもそんなに・・・と思ってよく見たら、
2.5じゃなくて25だった。つまり4億円。
近辺の不動産屋の店頭に表示されている物件価格は皆このレベルだ。

公共交通機関も少ないこんな所に一体誰が住むのか、と疑問に思ったが、
香港在住の知人によると、中国本土の金持ちの投資対象になっているとの由。

香港の旅(3) 何故、今香港か?_c0094556_9371529.jpg


風光明媚なこの土地だけでなく、九龍地区の新築コンドミニアムも軒並み
値段が高騰している。オフィスのリース料も、4-5年目に比べ50-100%
値上げ。しかも契約期間が切れる際の延長条件の記載が無い。
つまり契約が切れたらいつでも追い出される可能性が高い、ということだ。
契約条件に少しでも文句を言おうものなら「嫌なら出て行け」という露骨な
態度に出られる、という。この辺はホスピタリティより現金主義の香港人の
真髄が見て取れる。GDP(国民総生産)成長率が香港は昨年6.8%も成長
したというから、鼻息も荒くなるもんだ。

閑話休題。今回の旅行で最大のハプニングは、高橋礼子さんにペニンシュラ
ホテルのロビーでばったり出会ったことだ。
礼子さんは2002年に私がペナンのラサ・サヤンに勤務していた時に、
面接してゲストリレーションに採用した鎌倉出身のお嬢さんだ。
その後彼女はスイスのホテル・スクールを卒業、スペインはグラナダの
ブティックタイプのホテルにコンシェルジュとして勤務。
2週間前にペニンシュラ香港のフロント・エージェントとして採用され着任した
ばかり、ということだ。
たまたま私がペニンシュラのロビーにいたところを見つけ声をかけてくれ、
約4年ぶりの再会となったのである。ホント、it's a small world である。

その晩シャングリ・ラの「なだ万」の鮨カウンターで話したが、
「多くの人たちに支えられてここまで来られました」と呟くように言ったのが
強く印象に残っている。

彼女のようにバイタリティに溢れ、日本女性特有の細やかな心配りができ、
且つ(大事なことだが)スタイル抜群の美人が今後も香港で活躍することを
心から願いたい。
そして香港人の対日感情をもっともっと良くすることに貢献して欲しいものだ。
国際親善とは国家レベルの交流と同じくらい、草の根レベルのそれが大事だと
私は強く信じている。

上はレパルス・ベイのコンドミニアム群
www.geocities.com/asiaglobe/gallery/aberdeen.htm より

下の写真が礼子さん。ペニンシュラ香港のユニフォーム姿で、フロントカウンターにて。

香港の旅(3) 何故、今香港か?_c0094556_20375991.jpg

by Mikio_Motegi | 2007-08-03 20:38 | 東南アジア