シルク・ドゥ・ソレイユとブルー・オーシャン戦略
2007年 11月 10日
ソレイユ(以下シルク)が彼の家の近く「ささじまライブ」でショーをしていると
いう事を知った。
私も実は今年の夏の大阪公演「アレグリア」を観て、大いに堪能させて
もらったものだ。
シルクとはフランス語で「サーカス」という意味。ちなみにソレイユは「太陽」だ。
彼らの大成功は、ブルー・オーシャン戦略と呼ばれるビジネス手法での
成功事例としてあまりにも有名だ。
「シルクは一般のサーカスと違い、ライバルの動静にはまったく関心を
払わなかった。
従来は、課題によりよいソリューションを見出して、つまりより楽しい、
より心躍るサーカスを提供して、ライバルの上を行こうという考え方が主流
だったが、シルクはサーカスの楽しさと興奮はもとより、パフォーマンス
としての知的洗練度、豊かな芸術性をも追求して、課題そのものをまったく
新しく設定した。
また『動物虐待』のそしりを受けかねないリスクがある割りには、運営コストの
かかる動物のショーを切り捨てた。
こうしてパフォーマンスやサーカスの垣根を打ち破り、サーカス愛好家だけで
なく、サーカスには関心のなかった層にマーケットを広げたのである。」
・・・これは「ブルー・オーシャン戦略」(W.チャン・キム、レネ・モボルニュ
共著。ランダムハウス講談社。1950円)よりの抜粋。
要するにライバル達との血みどろの(レッド・オーシャン)の競争を良しと
せず、独自の戦略・手法でマーケットを嗅ぎ付け拡大させることで収益に
つなげる、ということだ。
ホテルでは、例えば対面セールスからWebマーケティングにシフトするとか、
レストランや婚礼のコンセプトを大きく変えるとかに、この戦略を取り入れる
ことができるだろう。
シルクにはエリック・クラプトンが「サーカス・レフト・タウン」で歌ったような、
サーカス特有のもの悲しさが全く見られない。
鎖に繋がれた動物も、いつ学校に通っているのだろうかと心配してしまう
子供のダンサーも、素顔を絶対見たくない年老いたピエロもいない。
オリンピック・レベルのアスリート達によるパフォーマンスと、高い芸術性を
武器にしたビジネス戦略・モデルが、シルクの成功の理由なのだ。
・・・将来は体操選手を目指している我が家の小学2年生の次女も、
シルクのショーを観た後は「私は大きくなったらシルクに入る」と言い出した。
彼女もシルクの華麗なショーの虜になった一人のようだ。
確かに「私は大きくなったら木下サーカスの団員になる」と言われるより、
親としては安心ではあるが。
下はシルクの大阪公演会場の外観。