人口ピラミッドを見て考える
2008年 05月 05日

昨日(5月4日)の毎日新聞メールニュースより抜粋:
********
総務省は4日、「こどもの日」を前に15歳未満の推計人口(4月1日現在)
を発表した。子供の数は昨年より13万人少ない1725万人で、82年から
27年連続減少し、過去最低を更新した。
総人口に占める子供の割合は13.5%で、前年比0.1ポイント低下し、
こちらも過去最低となった。
男女別は男性884万人、女性841万人。3歳刻みの年齢階級でみると、
中学生(12~14歳)が359万人で最も多く、0~2歳が324万人で最少。
年齢階級が低くなるほど子供の数も減っている。
子供の割合は、現在の推計方法になった1950年には35.4%だったが、
その後は71~74年の第2次ベビーブーム期を除くと長期低下傾向にある。
97年からは65歳以上人口の割合よりも低くなっている。
(抜粋終わり)
********
国立社会保障・人口問題研究所が発表している「人口ピラミッド」なるものを
ご存知だろうか?文字通り男女別・年齢別の人口を表した棒グラフである。
ちなみに2010年推計人口ピラミッドは以下の通り。

これを見て暗澹たる気分になる人も多いかと思う。いや、それが平常の
感覚ではないだろうか。
少子化の傾向に歯止めがかかるどころか、一層ドライブしている。
年金や医療費で、支えられる人口に比して支える人口が足りておらす、
しかも年々減ってきているのだ。
しかしこのブログは日本政府の少子化への無策ぶりを糾弾するものでは
ない。
日本の抱えるシリアスな大問題である少子化に対し、ホテリエはホテルや
個人の将来設計の為、どんなアクション・プランを立てればよいか、考えて
みたかった。
これは2030年の推計

では人口ピラミッドと本日の毎日新聞ニュースを読んで、ホテリエは
どういう対策を立てるべきか?
マクロの視座でいくつかのアイデアが考えられるが、まず手をつけるべき
対策として、シニア層をどう取り込むか、である。
ここ数年から10年くらいはシニア層が間違いなく元気なので、彼らに
フォーカスしたマーケティングを行うべきだろう。
今の10代、20代、30代は様々な理由で「購買力」そのものが落ちて
いる。当然ホテルや外食に費やす金額も減少している。
次に中・長期的な視野としては「日本を棄てる事」である。
といってもアウトバウンド-海外旅行にシフトするということでもない。
外国人の日本国内旅行を取り込むインバウンドにもっとフォーカス
すべきだ。
日本人客取り込みを目的としたマーケティング手法は、もうすぐ役に立た
なくなる。人口そのものが減り、購買力も落ちるのだから。
外国人集客がこれからのホテル業界のカギとなる。
これらの施策を現実化する為に、より徹底したバリアフリーと国際化に
ホテルは取り組まなければならない。
・・・「何だ、そんなことだったらとうに取り組んでいる」というホテリエの
皆さん、素晴らしいことです。今回のブログは打ち捨ててください。
ちなみに最終手段として、文字通り「棄民」という奥の手もありまっせ・・・。
これは2055年の推計。

ちなみに一番上は、1930年から2055年までの推計。
人口減少が炎のように揺らめいて日本を覆い尽くそうとしてる、と解釈するのは
あまりにも感傷的か。
「人口ピラミッド」はクリックすれば拡大され、詳細を読み取ることができる。
国立社会保障・人口問題研究所 http://www.ipss.go.jp/ より。

