スペインサッカーの魅力
2008年 07月 01日
でスペインがドイツを1-0で破っての優勝で幕を閉じた。
スペインはポルトガルと共に私が応援していたチームだったのと、世界の
サッカーに方向性を見出せる結果になったので、私も嬉しい。

方向性とは、スペインチームの特徴である「速さ」が、ドイツに代表される
「高さ」「強さ」に勝ったということだ。
最近はサッカー選手の大型化が進み、ドイツやチェコ、オランダのように
2メートル前後の大男が揃うチームが台頭している。
つまり高さと力強さで相手をねじ伏せよう、というサッカーだ。
しかし170センチ前後の選手が中盤を構成したスペインやロシアのような
チームが、相手を上回る運動量と早いパス回しで結果的にドイツや
オランダを手玉に取った。
大型化を競うのはバレーボールやバスケットだけでよい。
体格で中東やヨーロッパに劣る日本チームが目指すチーム、といえる
だろう。
ただし豊富な運動量はそれに適した涼しい気候があってこそ。
大会が高温・多湿・炎天下で行われる場合、やはりどうしても体格で勝る
チームが有利だ。
よって真夏のアメリカ中西部や日本などで行われるワールドカップより
Euroのほうが面白い、という私のような感想を抱くサッカーファンも多いと
思う。
さて2004年ドイツワールドカップで私が注目したフェルナンド・トーレス、
セスク・ファブリガス、セルヒオ・ラモスという20代前半の若手選手で
チームを構成しているスペイン。
特に決勝戦で決勝点をもぎ取ったフェルナンド・トーレスの動き出しの
速さ、相手ディフェンスをすり抜ける速さは、日本の選手も大いに参考に
なるだろう。
彼は攻撃の基点となるようなポストプレーより、スペースを突く動きで
より輝きを放つ。現在イングランド・リーグの強豪リバプールで活躍中。
ここ数年、目が離せない存在であることに間違いは無い。

ところで我が日本代表だが、いくらパス回しが早くてもやはり技術では
世界の2線級であるため、ある程度体格のある選手を揃えるのも重要だ。
ゴールキーパーと二人のセンターバックに大型選手を採用している
岡田ジャパンの方向性は、悪くない。
ところが岡田監督が劣勢の際の終盤によくやる「パワー・プレイ」、つまり
大型のバックスを前線に上げヘディングで競わせるプレーだが、あれは
観ていて醜い。
あんなプレーで点が取れるのなら、最初から大型選手を集めてフォワード
に据えたらよいのだ。試合の終盤になれば守る相手も必死だから、
パワープレイが功を奏するケースなどありはしない。
それより深い角度でのセンタリングやロングシュート等をもっと活用すべき
だと思う。
今回の決勝戦、1点ビハインドを追うドイツはお家芸のパワー・プレイを
仕掛けようとしたが、スペインの守りに阻まれセンタリングは一本も上げられ
なかった。僅かに後方よりのロングパスが届いただけ。
つまり堅守にかかればパワープレイも封印されてしまうのである。
しかし僅か6年前の日韓ワールドカップ、2年前のドイツワールドカップで
日本が互角に戦ったロシアやトルコ、クロアチアが、今回のEuroで
大躍進した。日本も以前に比べ成長しているところを我々ファンに
見せ付けてくれればいいのだが。

写真は上からフェルナンド・トーレスの決勝点、得点を喜ぶイニエスタと
フェルナンド・トーレス、優勝カップにキスをするセルヒオ・ラモス。
ラモスの胸の顔写真は、ラモスの親友で昨年22才の若さで急逝した当時
スペイン代表のディフェンダー、アントニオ・プエルタ。ラモスは志願して
プエルタのつけていた背番号15を着用し今大会に臨み、そして勝った。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/euro/08/photo/より。

