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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

ニューヨークの旅 2 アーミッシュ村とフィラデルフィア

1985年のハリソン・フォードとケリー・マクギリス(トップ・ガン)が共演した
映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」を見て、私は始めてアーミッシュ
(Amish)という人々の存在を知った。
家内も大分後になって短大の講義で知り、その時から興味を持っていた
ようだ。

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ということで、今回はニューヨークからアムトラックで1時間半+車で
1時間半、計片道3時間を費やしてペンシルバニア州ランカスター
(Lancaster)にあるアーミッシュ村に足を伸ばした。
ここでは実際のアーミッシュの生活に触れ、コミュニケーションができる
ようになっている。
もちろん本物、生身(なまみ)のアーミッシュさんたちと、である。

アーミッシは偶像を崇拝せず、よって写真を撮られることを嫌う。上記写真は
www.pbase.com/terry434 より。

彼らは要するにドイツやスイスで中世に発祥したキリスト教の一派で、
宗教改革の影響で迫害を受けてきたが、17世紀にここペンシルバニアに
移住してきた。
アメリカ全土に約20万人が現存しており、うちランカスターには1万5千人
前後がいる。

彼らの生活は電気、都市ガス、水道等といったインフラ設備はアーミッシュ
以外の人々と繋がるものとして拒否。
よって風車・水車で電気を起こし、水を引き込むという近代以前の生活様式
を今でも営んでいる。
もちろん車は乗らず、馬車が移動・輸送手段だ。
生活の基盤は農業で、自給自足の生活。観光客相手にキルトや自家製の
食料品を売るのも重要な収入源だ。

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教育は15歳までしか受けさせない。アルコール、音楽、おしゃれはNG。
厳しい戒律に則った服装をしている。夜は日が暮れたら就寝、朝は日が
昇ったら起きる。
家ももちろん手作り。家を建てるときは近隣のアーミッシュが総出で手伝う。
大家族主義で、一家に大抵6-7人の子供がおり、農業に従事している。
アーミッシュ内の生活レベルの格差は主に子供の多さ、なかでも男子の
多少に起因している。

もちろんアメリカ合衆国の法律に準拠し、固定資産税、市民税等の納税
義務を負う。
確かに収入は高くないが、コストがかからないので、皆立派な家に住んで
いる。

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子供の教育、塾、お稽古事、高級車、ファッション、飲み食い、旅行、
冠婚葬祭等・・・(他になにがあるかな?)お金のかかる事が一切ないのだ。
私は別にこんな「聖人君子」のような生活に憧れるほど現代の生活に疲弊
しているわけではない。が、彼らの生活に少しでも触れたことで、興味以上の
「何か」を感じたのは事実だ。

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上の写真の男の子は洗礼前なので写真を取ることが許された。
ちなみにアーミッシュの洗礼は12才の時。
この地域は塀に囲まれてアーミッシュだけが住むのではなく、一般人も
混在している。
大量消費社会のアメリカの真っ只中にこのような人々がおり、共存している事
が凄く不思議だった。

さてペンシルバニア州の州都フィラデルフィアは人口約160万人。全米で
6番目の規模だ。
ベンジャミン・フランクリンが創設しアイビーリーグで最も南に位置する
ペンシルバニア大学やテンプル大学等の大学が多い。
映画「ロッキー」の舞台になったことでも有名で、ロッキーの像が街中にある。
元オリックスの田口壮が所属するメジャーリーグ「フィリーズ」もある。

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在留日本人は約6千人と、ニューヨークの7万人比べるべくも無い。
大企業ではグラクソ・スミスクライン製薬、シグナ保険、ユニシス、
フードサービスのアラマークの本社がある。

トーマス・ジェファーソン、ジョン・アダムス、ジョージ・ワシントンらが合議し
1776年に独立宣言をに公布した街であり、そのときの会議場が現存している。
この時に鳴らされた鐘がLiberty Bellで、アメリカ合衆国の独立の象徴と
なってる。

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残念ながらフィラデルフィアはガイドさんに案内されただけなので、あまり
印象が強くない。旅行はやっぱり自分の足で歩き、道に迷い人に聞き、
その街の「匂い」のようなものを感じたい、と思った。  

尚、アーミッシュについてもっと興味のある人は
www.kanda-zatsugaku.com/041112/1112.htm
に極めて詳しく記載されているので参照されたい。
                                   (この項つづく)
by Mikio_Motegi | 2008-08-08 07:16 | 京都・紀行