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ホテル、レストランなどホスピタリティ・インダストリに特化したヘッドハンター茂木幹夫(もてぎ みきお/ www.kyotoconsultant.net)の「非首狩族的な」日々。


by Mikio_Motegi

ジャズの未来

久しぶりに活きのいいストリート・パフォーマーに遭遇した。
横田寛之というサックス奏者がリーダーの、「エスニック・マイノリティ」
というフュージョン系バンドだ。

彼らは不定期だが、週に何日か夜の10時ごろから渋谷のハチ公口を
西武百貨店方面に渡った辺りでプレイしているらしい。
私が遭遇したのはシャッターを閉めた大盛堂書店の前だった。

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元々生演奏が好きなので、どんな街頭での演奏でもつい立ち止まって
聞き入ってしまう私だ。
だがそのうちの90%はどうでもよい、自分たちと身内だけが自己陶酔
しているゴミのような存在で、往来の邪魔になるただの騒音にすぎない
と言える。

ほんの時たま素晴らしい演奏に出会う事もあるが、"Groove" を感じるに
至らない。むしろ演奏後のCD販売に熱心なあまり「あざとさ」が
前面に出てしまい、鼻白む事が殆どだ。

だが「エスニック」の演奏には、最初の音を耳にしただけで感じる
衝撃、Grooveがある。また相当腕に自信があるのだろう。演奏後の
CD販売に無頓着なのもクールだ。



昔は聞く音楽と言えばロックかジャズしかなかった私が、最近は
クラシックに傾倒しているのは、年のせいだけではない。
素晴らしい若手のアーティストがジャズにいないからだ。

関西でも自治体が主催する「ジャズ・ストリート」とかいう
終日街中でジャズの生演奏を垂れ流すお祭りがあるが、あれはいわゆる
地域振興策というお役所仕事の一環だ。
私は6年前に関西の複数の「ジャズ・ストリート」を聞きに行って失望し、
それがきっかけでジャズから離れてしまったのである。
そこで演奏されていたのはどれもジャズの物まねばかりで、
オリジナリティのかけらもない、また奏者も身内向けの自己陶酔連中
ばかりだった。

だが考えてみると、自治体のお手盛りジャズバンドがGroovyなわけが
無い。あれを見てジャズを見限った私は、今まで大きな勘違いを
していたのである。

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横田寛之は早大在学中に「早稲田大学ハイ・ソサエティ・オーケストラ」
という名門ビッグ・バンドのコンサートマスターを務めている。
現在は「エスニック・・・」の他に「ゴウダウ」というバンドも結成して
いて、7月に初のCD「表参道ワンピース」をリリースした。
今は様々なメンバーとセッションし、自分のスタイル確率を模索している
時期のようだ。
彼らのような活きのいいバンドがいるという事は、日本のジャズの未来も
暗くない。これからのブレイクに大いに期待したい。

また世の中は狭いもので、横田寛之は私が所属するACCJ
(在日米国商工会議所)の名物会員タイガー大賀(たいが)さんの
お知り合いでもあるらしい。
愛すべき73才のタイガーさんが自らのバンドを率い、コンサートでの
聴衆を前にディーン・マーチンを歌う時、だんだんずれていく音程・
リズムを後ろで修正する役を担っているとの事。

渋谷の単なるストリート・パフォーマーではない、「ジジ殺し」の
テクニックも心得ているところがニクい。

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写真は上から「エスニック・・・」の渋谷での路上ライブ風景。
YouTubeは「ゴウダウ」の「表参道ワンピース」。
「表参道ワンピース」のCDパッケージ。このセンスの良いイラストにも
注目しているのだが、アーティストのクレジットが無く詳細不詳。
タイガー大賀(本名:大賀昭彦)さん。毎晩夕方5時からオオトラに化ける。

・・・このブログをエントリーする際に友人に確かめたのだが、
自治体主催のジャズストリートにもたまに素晴らしいバンドが紛れて
いるという。今度改めて出かけてみようと思う。
# by Mikio_Motegi | 2010-09-04 21:42 | ブレイク

サイグナスは進化する

26日(木)、京王プラザホテルで開催されたサイグナス社の
ユーザー・カンファレンスに行ってきた。
ホテル業界関係者でこのブログのウォッチャーであれば同社と深く
関わっている人は多いだろう。
現代的ホテルの運営に今や欠かせないレベニュー・マネジメント(以下RM)
という概念を、日本に広く浸透させた気鋭の会社だ。
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参加者リストによると、カンファレンスに北は北海道、南は九州から約70社、
120人が集まった。ホテル業界内での同社のプレゼンスを感じさせる。

もっともセミナー後の懇親会では大盛況の会場を見渡し「日本にRMを導入
しているホテルってこんなにあったっけ?」という声が上がっていたのも
事実。
それ程RM以前の、「KKD(カン、経験、度胸)」に頼ったリザベーションに
未だ固執しているホテルが数多いのも実情だ。
しかしRMを導入はしてはいなくても、サイグナス社のプレゼンスに関心を
寄せているホテルがこれだけあるというのは良い事だろう。

我々より上の世代の予約マネージャーには、RMなどに頼らなくて、KKDで
立派にリザベーションを運営している人もいた。これは事実。
だがIT技術が一般化し、こういう便利なソフトが比較的廉価で入手できる
世の中になった。またそんな優秀な予約マネージャーの技術の継承も難しい。

それなのにRMを導入しないという事は、何か別の、ホテル運営の効率化とは
違う次元の思想・理由がそこのホテルに存在しているとしか言いようがない。

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同社のHP http://www.scignus.co.jp によると、サイグナスの
事業は3つ。

一つは SWHANS (スワンズ)という、ホテルの各種営業数値を、
登録しているホテル同士でデータ交換し閲覧を可能にするネットワークの
構築・運営。
これはコンペティター間のKPI(営業指標)づくりに役立ち、ホテル同士の
公平で自由な競争を促進するものだ。

二つ目は i Rate Explorer という、競合ホテルのWebサイトを巡回し、
客室価格情報を収集するソフト開発。楽天、一休、じゃらん、Yahoo等
に掲載されている料金を検索できるソフトだ。

三つ目が Marks Navigator というRMシステムの開発。

「レベニュー・マネジメントなんて」とタカをくくっているあなた、
試しにここのサイトにあるオンラインゲーム「ヴァーチャル・ホテル・
予約ゲーム」に挑戦してみて欲しい。
いかにあなたの予約の取り方が偏っていて、利益最適化の機会を逃して
いるかを認識するだろう。

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写真は当日のセミナーのレジュメと会場風景。

パーティーの司会は同社APS事業部部長の上垣徹氏。
彼は1991年に開業したヨコハマ・グランド・インターコンチネンタル
ホテルの一期生だ。
このホテルはヨコハマに進出した最初の外資系ホテル、加えて当時の
オーナーであるセゾングループ全盛時の開業だった為、彼の同期には
多くの俊英が集まった。
同ホテルよりキャリア・アップし、他ホテルのRM責任者としてこの
カンファレンスに出席した彼の同期OBも多い。

当時30才で同ホテルの開業準備室の最古参の一人だった私は、新卒の
フロントやコンシェルジュだった彼らに偉そーな口を叩いていたものだが、
あれから20年、幾星霜が過ぎた。
今やRMの最新コンセプトに全くついていけない私が低レベルの質問を
すると、「茂木さん、そんな事も知らないんスか―?」と彼らに矢のように
突っ込まれる。・・・おまえらだっていつかは年をとるのじゃ・・・。
# by Mikio_Motegi | 2010-08-30 14:07 | 人材・ホテル

シ・ミ・ツの京都

5月に私が半ば思いつきで提案し、以来あーでもないこーでもないと
頭を捻って立てた企画がやっと実現した。

去る8月21日(土)に京都ブライトンホテルで開催された、
ACCJ(在日米国商工会議所)関西支部夏の納涼企画
"Kyoto Summer Outing by ACCJ Kansai"である。

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5月にメンバーになったばかりで、初めてACCJの公式イベントの
会場となる京都ブライトンホテルの絶大なるサポートのおかげで、
魅力的なコンテンツに仕上げる事ができた。

今回の特徴は祇園界隈のオプショナルツアーと、京都ブライトンでの
パーティの二部制になっている点。
メンバーであるアメリカ人建築家のEdwinの発案で、ただの飲み会では
面白くない、折角なら関西に住んでいても京都を良く知らない外国人
メンバーの為に、京都らしい寺社や街並みを探訪するツアー企画し
パーティーと組み合わせることにした。

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猛暑の中、10名が集まって祇園界隈を散策、バイリンガルのガイドさんの
説明に聞き入った。

パーティーのハイライトは、ブライトンがネットワークを駆使して
京都五花街(ごかがい)の一つ、宮川町の杉きみさんに特別にお願いし、
アレンジした現役バリバリの芸妓・舞妓による本格的な京踊り。
これが受けた。当日はアメリカの駐大阪総領事代理のご一家も
見えたが、大変なご満悦。
ACCJ関西の代表であるJiriも興奮気味で、「素晴らしいパーティーだ。
是非この企画を定例化しよう」などとLip Serviceでも私を誉めてくれた。

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立食ビュッフェスタイルの食事は、「さすがブライトン!」と唸りたくなる
ような逸品の数々。
サフランライスの握り鮨、魚介類のカクテル、京都地野菜のサラダ、
子羊のロースト、牛肉のパイ包み、ハモンセラーノ(生ハム)、
どれをとっても一級品だった。

お楽しみの抽せん会では、ブライトンの宿泊券の他、宮川町の
特性「団扇(うちわ)」が10名に当たる大盤振る舞い。
また大阪・北浜のブライトンホテルの宿泊券も提供された。

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ACCJ関西の京都でのイベントは、私が記憶する限り2004年の
グランヴィア京都で行われた京都商工会議所との合同パーティー
以来6年振りだ。よって期待度も高く失敗は絶対に許されない。
ACCJ関西事務局も力を入れてくれて、大いに盛り上がった。
手前みそだが親密で温かく、そして教養溢れる企画だったと言えよう。

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写真は1枚目が宮川町の芸妓「小桃(こもも)」さんと、
舞妓「千賀幸(ちかゆき)」さんの踊り。
2枚目はイメージ 京花の一期一会 http://himawari6.blog14.f2.com

3-5枚目がパーティー会場光景。
4枚目の司会はスイスホテル南海大阪のRaymond。
商品を手渡すのが宮川町「杉きみ」の女将、杉本幸子さん。
彼女のトークも機智に溢れて抜群だった。
左がブライトンのチーフ・コンシェルジュ、小山明美嬢。
日本に15人しかいないル・クレドールの正会員だ。彼女の献身と
政治力(?)無しに今回の企画は成立しなかった。
5枚目は団扇をもらってご満悦のフィンランドからの留学生Maarit。
きっと良い思い出になったことだろう。
# by Mikio_Motegi | 2010-08-27 00:12 | 京都・紀行
「フォレスト・アドベンチャー」という施設をご存じだろうか?
元々はフランスで開発された、木登りをもっとソフィストケイトし、
フィールドアスレチックをもっと高度にした森林冒険体験型の
アクティビティ施設だ。
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箱根を後にして軽井沢に向かった私たちは、今回泊まった「軽井沢倶楽部
ホテル1130」の碇井君に勧められ、そこから車で約15分の
「フォレスト・アドベンチャーあさま」にてこのアクティビティに
挑戦して来た。

参加者はまず「プラットフォーム」と名付けられた樹木の踊り場に
縄梯子で登る。そして隣の木に設けられた次のプラットフォームまで、
様々な方法で渡って行く。
その方法とは足場がただのワイヤーロープ一本だったり、不安定な金属の
輪だったり、ゆらゆら揺れる幾つかの木片だったり。

そしていくつかのプラットフォームを渡ると、最後は「ジップライド」
というターザンロープで一気に滑り降りる。
そのターザンロープは木々の間を縫い、本物の谷や川を渡るという、
高さ12メートルのプラットフォームから100メートル以上滑空する
コースもある。
最高速度は時速30キロ。自転車よりも早く、満点のスリルと爽快感を
味わえる。これを繰り返して、様々なランクのコースに挑戦するのだ。

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もちろんコース設計も安全規格もフランス本国の基準をクリアしたもので、
危険は少ない。参加者はハーネスを身につけ、カラピナで身体の安全を
確保しロープと結ぶので、マニュアル通りにしていれば落下することは
無い。
また事前にスタッフによる簡単な講習があり、それをクリアすれば
まず安全は確保される。
2006年に開設以来、日本での事故例は皆無だそうだ。

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とはいって地上10メートル以上の木にのぼり、安全ロープ一本に頼り
伝い渡る、その怖さと言ったら。
全コースを制覇するのにたっぷり2時間以上かかる、本格的な
アクティビティだ。
日本全国では北軽井沢の他、小田原、奈良等6か所に展開しているが、
ヨーロッパでは2000か所以上開設されている人気の施設だ。

ちなみにこのアクティビティを日本に導入したのは、有限会社
パシフィック・ネットワークの金丸一郎社長。
彼は元西洋環境開発のリゾートレジャー事業部の社員で、同社の
ホテル事業部の社員だった私とは何度か会議で一緒になった経験もあり、
先の軽井沢倶楽部の碇井君をはじめ、今でも共通の友人は多い。

当時から独特のを感性とネットワークを持つ男だった。
セゾングループの中核企業だった西洋環境開発が特別清算された後、
彼は単身フランスに渡りフォレスト・アドベンチャーに出会い、
開発会社であるアルス社と日本でのライセンス契約を結んで起業した
というアドベンチャー野郎だ。

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このアクティビティの素晴らしい点は、一緒に挑戦する仲間との
一体感を確かめられる事。挑戦し克服する行為の素晴らしさを
体感できる事。

不安定で、且つ逆戻りできない危険な高所で身の安全を確保し、前に進む。
危険な状態におかれると人は気を引き締める。日常にはありえない
緊張感。
困難な状況に際し、一緒に克服するという一体感を感じることができる
という点では、家族だけでなくカップルにも向いているアクティビティ
と言えよう。お互いの人生観の一端を確かめ合う事ができるからだ。

もう一つ、日本全国には放置された森林が多いが、フォレスト・
アドベンチャーは森林再生にも一役買っている。

閑話休題、箱根と軽井沢で途中4泊も寄り道したが、今年のお盆休暇の
最大の目的は、私が幼い頃からずうっと世話になり、後に結婚式の
仲人も務めてくれ、今年4月に亡くなった故板橋秀二の初盆を
栃木県足利市にて迎える為の物だった。
彼は私の義理の従兄にあたり、北関東一帯に展開する専門商社
「(株)板通」の前社長でもある。

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彼の自宅にて我が家の家族が初盆の焼香に行った際、彼が生前支援して
きた自民党の衆議院議員、元金融大臣の茂木敏充(もてぎ・としみつ)
氏と出くわした。

テレビのニュースや時事番組でもおなじみの茂木議員に直接会って、
有名人好きの我が家の娘たちは大喜び。
議員も気さくに娘たちに話しかけ、握手までしてくれた。
議員が東大-ハーバート大卒、マッキンゼーに勤務した秀才であり、
次代の日本の総理大臣になる人だという事を知ると、感極まった娘たちは
議員のように頭が良くなるようにと握手された手のひらを自分たちの頭に
こすりつけ、周囲の笑い(失笑)を買っていたのである。

彼は保守党の議員でありながら金融改革、行財政改革、外務省改革に
積極的に取り組むまさしく「アドベンチャー」。
今後の活躍を期待したい。

という事で、我が家にとってアドベンチャー尽くしの休暇だった、
とこの項を無理やりまとめる私をお許し頂きたい。

写真の上3枚は「そとっこ」のHPより。
4枚目、5枚目はアクティビティに挑戦する私。地上10メートルの
高さ、マジで怖かった。
6枚目は茂木議員。ちなみにおなじ茂木(もてぎ)でも残念ながら
血縁関係は無い。
# by Mikio_Motegi | 2010-08-22 10:49 | 京都・紀行
「戦争」とはこの平和なブログに相応しくないタイトルだが、今回私が
訪れた箱根では、かつて2つの巨大企業が戦争と呼ばれるほどの熾烈な
陣取り合戦を繰り広げた歴史がある。
「箱根山サルカニ合戦」と呼ばれる、箱根をめぐる一大陣取り合戦である。

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その企業とは西武と東急。1950年代の事だ。
西武の堤康二郎、東急の五島慶太。共に「ピストルの康」「強盗慶太」
と世間からあだ名を付けられるほどの強引な商法でのし上がった、当時の
新興財閥の旗手だ。
彼らには日本の鉄道、観光、不動産事業の覇権を目指ししのぎを削った
長年の抗争の歴史があった。

五島は倒産寸前のぼろ会社である「武蔵鉄道」を再建し、東急グループ
として育て上げ、以後小田急電鉄、京王電鉄、京浜急行と次々を私鉄を
乗っ取って支配権を拡大していった。

一方堤は、鉄道より土地に早く手をつけていた慧眼(けいがん)の
持ち主で、すでの箱根の芦ノ湖・駒ケ岳・早雲山などの主要観光地を
買い占めており、私財を投じて早雲山-小涌谷-芦ノ湖、及び
熱海-十国峠-箱根に専用道路を建設していた。

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五島が箱根進出を目指し、苦労し大金を投じて新宿から小田原へ向かう
小田急電鉄、小田原から箱根・強羅への箱根登山鉄道を買収したが、いわば
それは箱根で既に観光事業を展開する堤の為に、わざわざ利用客を
運んでやっているようなものだったのである。

巻き返しを図る五島が、運輸省を巻き込んで堤の専用道路に自社のバスを
乗り入れさせ、芦ノ湖に浮かべた巨大な遊覧船に送客する。
それに対抗して堤は専用道路にバリケードを張って、五島のバスの
運行を阻止するというまさに泥仕合を繰り広げ世間を大いに騒がせた。
「サルカニ合戦」と揶揄される由縁だ。

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現在の箱根には、往時の抗争の傷跡は全く見られない。両社ともに
代替わりが進み、経済状況も激変した。
今は双方の交通機関の共通利用券が発行され、プリンスホテルと
小田急ホテルズの共同プロモーションも実現している。

企業同士が抗争を繰り広げれば、企業が弱体化するだけでなく利用者も
結局は恩恵にあずかる事ができない。
よって地方の観光事業に必須のデスティネーション・マーケティングは
成り立たず、その地方の観光事業そのものが疲弊してしまう。
だから無意味な抗争などするべきではないのは当然の事だ。

が、一方で、男たちが知略を絞り、様々なステークホルダー、中央官庁
や行政も巻き込み、膨大なエネルギーを費やして
「日本の鉄道王・ホテル王」の称号を得るためにまい進する姿に、
ジェラシーを感じることを禁じ得ない自分がいる。

金や権力、名声、自己顕示欲に執着するのもまた人間の自然の営みであり、
その執着の強さが結果国家に活力をもたらし、繁栄を約束するものだと
言えるだろう。

今の日本にピストルや強盗のような「ホテル王」と呼べる男は、果たして
いるのだろうか?

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写真はイメージ。
下の2枚は今回宿泊した箱根仙石原の「小田急ハイランドホテル」の外観と
露天風呂のエントランス。
北里の塩谷名誉教授のご推薦によりここに2泊したが、大正解・大満足
だった。
# by Mikio_Motegi | 2010-08-21 10:04 | 京都・紀行