女子ワールドカップドイツ大会、決勝戦は実力NO.1のアメリカと
激突する。
正直言って私は女子サッカーには今まで全く興味が無かった。
が、ここまで来れば話は別。ぜひなでしこにはアメリカを撃破して欲しい。
私が何故今まで女子サッカーに興味が無かったかというと、プレーの
スピードが男子と比べ格段に遅いからだ。
特にシュートの際の足の振りの遅さが我慢できない。
観ていていらいらしてしまい、興味を無くしてしまう。
今回、準決勝のスウェーデン戦をテレビ観戦(録画)した。女子サッカーの
試合を90分間観るのは初めての事だ。
驚いたのはなでしこジャパンのパス回しの速さ。
まるでバルセロナを彷彿させる、ダイレクト或いはワンタッチでの素早い
パス・サッカーで、強豪国スウェーデンの守備網をずたずたに切り裂いた。
ボール・ポゼッション(占有率)が60%を超えているのもバルサと同じ。
これは本物だ、と素直に脱帽する。
ただし、近い将来女子サッカーが男子のそれと同じステータスに並ぶかと
いうと、それはとんでもない幻想である。
日本にいるとなかなか実感できないだろうが、サッカーの試合はは国と国、
地域と地域の「代理戦争」という意味合いがある。
ブラジル対アルゼンチン、オランダ対ドイツ、或いはレアル・マドリード対
バルセロナ等、スタジアムは文字通り「熱狂」する。
少し前までの日本対韓国の、韓国側の異様な盛り上がりを記憶している人
も多いだろう。
私がかつて住んでいたインドネシア・ジャカルタでの、ジャカルタ対スラバヤ
戦では、試合の後に負けたスラバヤのサポーターが怒って暴徒化し、車を
ひっくり返したり商店街のガラスをたたき割ったりした。
おかげで私と家内は外出の際、かなり遠回りしなければならなくなった。
ところが女子サッカーの試合となると、サポーターも観客もなんとなく
「サッカーを楽しむ」様子で、実に平和的だ。
日本に敗れたドイツのサポーターが日本のメディアの取材に対し、
「うーん今日のドイツはついてなかったね。ま、Good Looserだね」
とか答えていた。
あれがもし男子の試合で、ワールドカップの準々決勝でドイツが日本に負けた
としたらどうなるか?
審判が悪い、日本は狡猾だ、あのゴールはオフサイドだ、震災で援助したのに
恩知らずだ等、罵詈雑言の限りを尽くすだろう。
つまり、熱狂度が違うのである。
さて女子サッカーについてロクな知識もない私だが、決勝のアメリカ戦の
勝敗を決するのは「ゴール・キーパーのミス」ではないだろうか?
残念ながらどんなに体格が良くても、ゴールキーパーの瞬発力、クイックネス
だけは女子はどうしても弱い。
つまり男子並みのフィールド・プレーに対し、キーパーは対応できていない。
例えばスウェーデンの3失点のうち、2点目と3点目はキーパーのミスだ。
言いかえると、女子サッカーに於いてキーパーのミスはつきもの。
そこをどう攻略するかが、勝負の分かれ目になると私は予想する。